アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

安倍晋三“嘘つき”桜118回

 桜を見る会前日の夕食会で、高級ホテルの食事が、参加費5,000円で済むはずはないと国会で追及された安倍晋三、一切補填はしていないと断言していたが、弁護士団の告発を受け、証拠を突き付けられて野党の追及に、嘘をついていた秘書の話をうのみにしていたため、結果的に虚偽の答弁をしたと認めた。しかし、これでは、スピード違反で捕まって、同乗者が運転していたことにするのと何ら変わらないのではないか。国会で答弁をする前に秘書に確認したが補填は一切なかったと説明を受けたのでそのように答弁したという詭弁。明細書と領収書を出せとの野党の追及に、そんなものは初めからないと嘘をついた安倍は、「私がここで話しているのがまさに真実です。私がウソをついているというのであれば、ウソをついているということを説明するのはそちら側ではないのか」と言い張り、追及する野党議員(立憲民主党の黒岩議員)に対して「嘘つき」と呼んで罵倒した割には、あまりにもお粗末な結末だった。

 

 あれだけしつこく国会で追及されたのだから、自分で少しくらい調べれば事実はわかるものを、「秘書を信頼していた」ため、自分が嘘をついていたという認識がないのだそうだ。誰が見てもホテルニュー大谷の夕食で一人5,000円はあり得ないとわかるのに、秘書に確認したところ、安倍後援会は関与しいていない(70回)、ホテルからの明細書はない(20回)、補填はしていない(20回)と合計118回も国会で虚偽答弁をした。自分で指示したはずだが、あたかも秘書が独断でやったという形にして、責任を秘書になすりつける(秘書は政治資金規正法違反で罰金100万円)。いやしくも国会で答弁するのだから、国民に嘘をつくのと同罪だ。

 

 安倍が国会でした答弁によれば、夕食会の会費5,000円は会場入口の受付で安倍事務所の職員が集金し、その場でホテル側に渡し、ホテルが各自に5,000円の領収書を渡したから、安倍後援会は関与しいていないという。しかし、実際にはホテル側が元首相側にすべての費用を請求して元首相側が一括で支払っているという証拠が出てきた。国会の答弁が嘘八百だったことがばれてしまった。

 

 森友学園に関する国会答弁でも安倍晋三は139回嘘をついている(事実に反する答弁)と暴かれているが、首相現役時代はうまいこと隠せたので、彼には成功体験があり、桜を見る会の不正追及でも嘘の上塗りで真実を未来永劫隠せると思ったのだろう。賭けマージャンで失職した元東京高検の検事長(黒川)が安倍の思惑通り検察庁長官になっていたら絶対にばれないとの予想は当たっていたかもしれないが、運悪く黒川検察庁長官が実現しなかったので、予想外の結果になってしまった。菅首相のあともう一度首相に帰り咲く夢はこれで丸つぶれ、いくら「深く反省」しても誰にも信用されなくなったから、三度目の首相はないだろう。

 

 Trumpが大統領になってから1万5千回以上嘘をついているから、自分の嘘は大したことないと思っているのかもしれないが、「桜を見る会を追求する法律家の会」が安倍の不起訴を不当として検察審議会に申し立てる準備をしている。現役総理大臣の国政・税金の私物化を許してはならない。こんな嘘つき男は絶対に起訴すべきなのだ。

立証された暗殺者プーチン

 暗殺者プーチンが、今年8月20日発生したロシア反体制派指導者Alexey Navalny(ナヴァーリヌイ、下院議員、44才)毒殺未遂事件を主導していたことが、おとり電話ですっかりばれてしまった。おとり電話をした人は、毒殺されかけたNavalny氏本人、電話の相手方は、ロシア連邦保安局(FSB、旧KGB)の毒物チームに所属するKonstantin Kudryavtsev(クドリャフツェフ)。

電話を取ったKudryavtsevは、電話の主が毒殺作戦の分析を担当するロシア国家安全保障会議の高官と信じて、早急にこの事件に関する報告書をまとめる必要があるとせかされ、45分にわたって事件の全容を正直にしゃべってしまったのだ。

 

 ロシア反体制派指導者Navalnyは高官の汚職を追及したり、与党統一ロシアに反対する運動を行ったりして、Putin側にとって悩みの種だった。Putinも、先週、公に認めたが、FSBの毒物チーム約6~10人が3年以上Navalny氏を尾行していて、今回、出張でSiberiaのTomskという町に出かけた彼のホテルで、下着のパンツの内側に猛毒の神経剤Novichok(ノビチョク、固体)を塗り付けたという。そのパンツをはいた人が汗をかくとNovichokが皮膚を通じて吸収され死に至る。Novichokというのはサリンの10倍ほどの強烈な神経剤で、旧ソ連時代に軍事目的で開発され、この地上でNovichokを持っているのはロシアFSBの毒物班だけだ。

 

 機内で様態が急変したNavalny氏はドイツBerlinの病院に運ばれたため、適切な治療を受けることができて3週間後には意識を回復した。予定通りモスクワに行っていたら、飛行機が到着する頃には死んでいただろう。この事件の総指揮者がPutinであることが証明された。暗殺者Putinは、同じNovichokを英国で使って、元二重スパイSergei Skripal(スクリパリ、68才)の殺害未遂事件も起こしている。

 

 暗殺者Putinは、2006年、政敵Boris Berezovskii(ベレゾフスキー)の暗殺命令に従わない部下のAlexander Litvinenko(リトビネンコ、英国在住、当時44才)をPolonium-210という放射性物質で殺害したことでも知られる。2015年2月、Putin政権批判の急先鋒であった野党指導者Boris Nemtsov氏(ネムツォフ、当時55才)がモスクワ市内で射殺された事件もPutinの指示による。彼もPutinの汚職等を公然と批判してきた政治家で、Putinにとって邪魔な存在だった。

 

 Litvinenko氏暗殺の1か月前には、著名なPutin批判のロシア人女性ジャーナリストAnna Politkovskaya氏(当時48才)が、モスクワ市内の自宅アパートのエレベーター内で、射殺体で発見された。かつて大統領Putinの最大のライバルであった政治家兼実業家Boris Berezovskii氏(当時67才)も、2013年、亡命先Londonで変死した。彼は同じLondonで起こったLitvinenko氏毒殺事件を指揮した真犯人はPutinだと公言していたからだ。Berezovskii氏はPutinに殺されたと執拗に宣伝してた在英亡命ロシア人Nikolai Glushkov氏(当時68才、元Aeroflot航空幹部)も、2018年3月、Londonの自宅で不審死を遂げている。要するに、自分に刃向かうものは皆殺すというのが暗殺者Putinの本質なのだ。

英国、合意なきEU離脱

 今年1月末に英国は正式にEUを離脱したが、EU加盟国だった時と同じ条件で通商関係を維持していて、その移行期間終了が12月31日と決まっている。EU離脱の条件につきEUと合意点を見出すことができない状態でここまで来てしまったので、実質的に「合意なき離脱(Brexit with No Deal)」を選択したことになる。離脱条件はEU議会本会議及び英議会双方の承認を必要とするから、その期限が12月13日だった。英・EU両者は、今日、「継続協議で合意した」と発表したが、実際は合意できなかったということだ。

 

 合意がないままの離脱となると1月1日からの国境の混乱が予想される。今まで国境での税関などなかったのに、これからは税関を通らなければトラックもユーロトンネルも相手国に入れなくなる。こんな大げさな騒動になるとは予想せず、EU離脱派は「移民、EU拠出金負担、英国の国家主権」を問題としてEUからの完全独立を主張した。国境を厳重に管理すれば移民流入は阻止できるだろうが、国の魅力は薄れる。EU拠出金が多すぎるとのでたらめな主張には、根拠がないことがばれている。そして、EU規則に縛られず、英国は独自の国家主権を行使できなければならないとの主張も、27か国が団結して英国1か国と対峙する状況では、「小国」の国家主権でしかありえず、大英帝国の復活など夢のまた夢だ。

 

 英海域での漁業権などは、英国が自国の国家主権と主張するものだが、巨大な市場がEUとあっては、英漁船だけに漁業権を認めるなら、英国の猟師が捕った魚にEUが関税をかけることになり、結局EUに売る量が激減する。それどころかEUの他の国から入ってくる魚と価格競争することになり、関税分を安く売らなければならなくなる。英国の漁業者は漁獲高の3/4をEUに売っている。政治家が国家主権と主張することにより、仏、西、蘭、Belgium、Denmark、Irelandなどの漁業者と競合するため、英漁業者は関税相当分を値引きして売ることになる。

 

 EUは公正な競争のための規則を定めているが、英国が主権を主張して独自の規則を適用しようとするとEU規則と衝突する。その場合、英国とEU側が協議することになり、最終的には裁判所が判断することになるが、英国はEU司法裁判所と対峙したくない。一国の裁判所と27か国の裁判所では格が違いすぎ、英国の裁判所はEU司法裁判所に対等な相手とみられるはずもないからだ。漁業権問題で英国が不満をぶつけようとすると必ずEU司法裁判所が出てくる。英国はEU司法裁判所の権限が大きすぎてEUを離脱したのに、離脱後もEU司法裁判所の影響下に置かれることに反発しているから、そもそも合意などありえない話なのだ。

 

 Johnson政権はEU市場を捨てても米国があるとTrumpに期待していたようだが、Biden次期米大統領に決まって米英通商協定も悲観的になりつつあり、絶対にEUを軽視することはできなくなった。紛争解決の手法としてEU司法裁判所の実力は絶大であり、ここを敵視して自国の主権を主張したところで欧州の島国の遠吠えでしかない。合意なき離脱で確実に英国は衰退の道を歩み始める。

米国:新型コロナの犠牲階層

 アメリカの新型コロナ新規感染者は、ここ数日、毎日20万人前後、一日の死者も2,800人前後と恐ろしい数で推移している。日本の感染者数は、最近、最も多い日でも約2,500人、死者36人(死者累計2,260人)、アメリカの人口が日本の2.5倍であることを考慮しても、アメリカの数字は尋常ではない。統計上、既に人口の4.3%が感染したとなっているが、実際はその数倍なのだろう。Trumpのような科学をバカにする者を大統領に選んだ国の悲劇といえよう。

 

 世界で最も経済格差の大きな国アメリカならではの特殊事情も、新型コロナ世界一の背景にあると思われる。知識産業で働く高級の専門職階層と、衰退産業といわれる製造業などで働く低賃金の労働者階層の二重経済が被害者の数を押し上げている。大金持ちはどの国にも少数いるが、アメリカの強みは分厚い中産階級だった。65~60%だった中産階級は最近では40%くらいに縮小し、上位20%の富裕層と下位40%の下層階級に分類されるそうだ。中産階級の定義は単身者と既婚者で異なるようだが、いずれも平均所得に基づいているので、富裕層に富が集中すすればするだけ、中産階級の平均所得は下がる。

 

 採用する統計にもよるが、どうやら40%に相当する中産階級の世帯所得は$4.5万~$12.5万(約500~1,300万円)、その中央値は$6万(約650万円)というから、$3万(約325万円)以下が貧困層と定義され、人口の18%(6,000万人)に相当する。これらの人達は家賃を払い、食費、交通費、通信費、光熱費、学生ローン(これは人による)などを支払った後、医療保険に入る余裕はなく、新型コロナで重症化しても医療費は払えないから死ぬしかない。(ICUに入ると莫大な請求が来る)アメリカの医療保険は高い上に、初期医療の控除額(=自己負担額)が高いので、たとえ医療保険に入っていても、経済的余裕がなければ病院にかかれない。日々2,800人前後亡くなっている犠牲者達の多くは貧困層に属している人達だ。しかも、Obamacareができてもまだ一切の医療保険に加入していない人達は4,900万人いるというから、薄着で雪道を歩くようなものだ。

 

 新型コロナで失業者は3%からピークは14.7%に跳ね上がった後、回復して10月には6.9%に戻ったというも、失業者は収入を失う(何らかの理由で失業手当を受けられない人が、夏の段階で最大1,390万人にのぼる)だけではなく、会社がかけている医療保険もなくなるから、失業者増に比例して無保険者の数も増える。年末まで、時限で家賃支払いは猶予されているものの、新年からはその猶予(moratorium)も終了、裁判所の強制退去命令が出される対象者は1,000万人を超えると予測されている。退去命令を拒絶するには、3月くらいから滞納している家賃を完済する必要があり、米国の賃借人の地位は日本ほど保護されていないから、冷酷に強制執行される。親族、知人、友人のところに移るか、shelter、福祉施設などに入れる人はまだしも、最悪の場合はホームレス(路上生活)になり、新型コロナにかかって死亡という人が増加するだろう。

 

 変化を求めてTrumpのような詐欺師を自分たちの大統領に選んだアメリカ人の身から出た錆ともいえるが、Biden政権がまともなアメリカに戻してくれることを期待したい。

習近平は台湾・尖閣を併合するか?

 一国二制度のはずの香港に国家安全維持法を適用し、実質的に香港を中国共産党支配下に置いた習近平だが、巷で噂されている台湾併合はありうるのか。中国は、欲しいものを「核心的利益」と呼び自国のものにするのが得意な国だ。チベットウイグル南シナ海、香港は習近平の核心的利益であるから中国の支配下に置いた。他に台湾と尖閣沖縄県石垣市)も核心的利益として狙っている。尖閣諸島には年初からほぼ毎日やってきて日本の漁船を脅し、中国の領土だと主張している。中国の軍事力からすれば、台湾も尖閣も攻撃して中国の領土にするのは朝飯前と言わんばかりだ。

 

 しかし、台湾と尖閣については香港と事情が異なる。台湾の国内法に優先する中国の法律などない。唯一の道は軍事侵攻だ。その場合、米国と対峙しなければならなくなる。台湾はTrump米政権になってから、国防予算1年分以上のハイテク兵器を米国から購入している。(台湾の年間国防予算は約1.3兆円≒NT$3,500億、Trump政権になってから米国から買い付けた最新型兵器は約1.8兆円≒US$174億)武装無人偵察機、自走多連装ロケット砲、水中機雷、巡航ミサイル、ハープーン対艦ミサイル、空対地ミサイル、地対空ミサイルからF16新型戦闘機など、明らかに中国大陸を意識した最新鋭の武器を米国は売っており、中国としてはうかつに台湾に手を出すわけにはいかない。

 

 台湾沿岸から250kmで対岸の中国・福建省がミサイル射程圏に入る。もちろん台湾は先制攻撃はしないというが、中国としては、自分の分身と思っていた台湾が自国に向けてミサイルを向けている現実は受け入れるわけにいかないが、かといって、中国が台湾に先制攻撃を仕掛けた場合、台湾から反撃されるのみならず、背後にいる米国が黙っていないから台湾併合は現実味がない。香港のようにはいかないということは、習近平が一番よく知っている。

 

 その点、尖閣はどうかというと、尖閣に日本の軍事基地はなく、中国艦船はほぼ自由に接続海域を航行できる。休漁期間に中国の漁船が大挙して尖閣周辺にやってきて、これを中国公船が追い払うという行動を定期的に続けていると、中国は、尖閣周辺で中国の漁船を退去させる公権力を行使したことになり、この一帯には中国の施政権があると主張するだろう。日本の海上保安庁の大型巡視船(Large Patrol Vessel, 3,000トン級以上)は4隻しかなく、とても一度に200隻以上の中国漁船を追い払うことなどできない。中国は熱心に尖閣水域に侵入し「実効支配」の実績を稼いでいるのだ。

 

 その先に見えるのが、日本が沖縄県と称する琉球王国の奪還計画。琉球は過去の歴史で中国、朝鮮、日本などと等距離外交を続けてきたが、120年前に明治政府に組み入れられた。習近平は、日本にまんまとやられたと地団太踏んでいるが、力をつけてきた今、力づくで取り戻すことも夢ではないと、まずは琉球の一部である尖閣諸島の実効支配を狙っている。我が国は、当面、米国の軍事力に頼らなければならないが、ゆくゆくは自力で尖閣を守る必要が出てくるだろう。

4年後の米大統領選挙

 Joe Bidenに決まった米大統領、今週末78才になるから、4年後82才で2期目の大統領選挙に出るとは考えにくい。そこで、Kamala Harris副大統領(56才)が初の女性大統領になる可能性大と報じられている。現職のJoe Biden大統領が任期途中に健康を害するなどで職を退くと、副大統領が大統領になる。もしかしたら4年後の大統領選挙前に女性大統領が誕生するかもしれない。男女合わせても民主党の大統領候補者No. 1はKamala Harrisとなっている。元California州司法長官、現上院議員である彼女の両親はアフリカ系とアジア系だから、米史上初のアフリカ系、アジア系、女性の副大統領となる。

 

 Kamala Harrisの両親は彼女が7才の時に離婚、生物学教授のインド人母親に育てられた(父親はJamaica人)。父親はアフリカ系黒人で中米出身、母親はインド人移民、両親離婚と多様性の国アメリカを代表する典型的なアメリカ人だ。純粋な白人家庭の人間よりカリスマ性がある。民主党の女性有力大統領候補だったElizabeth Warren(71才)も、自分が当選したら副大統領にKamala Harrisを選ぶと公言していた(選挙資金が続かず途中退場)。4年後Warrenさんはお歳だから立候補しないと思うので、やはり民主党の大統領候補はKamala Harrisになると思われる。

 

 一方、共和党にも女性大統領候補がいる。元South Carolina州知事、前国連大使のNikki Haley(48才)だ。インド系アメリカ人で、Trumpから国連大使に任命され、2年ほど勤めたが、恐らく自分が将来米大統領に立候補する場合、あまりTrumpと長く付き合っていると印象が悪くなると心配したのか、2年で国連大使を辞任した。Trumpに愛想をつかして辞任したと思われるが、4年後の大統領選に登場する共和党女性補者No. 1だ。もう一人、共和党女性大統領候補としてSouth Dakota州の現職知事Christi Noemの名もあがっている。

 

 今回の選挙で、306:232の大差で敗れたTrumpは未だに敗戦を認めていないが、彼が抱えるあまりにも多い訴訟のため、敗戦を認めるわけにいかないという事情もある。一説には、4年後の大統領選を狙っているともいうから、4年後にまたこの男が出てくると迷惑と思う共和党大統領候補がNikki Haley、Christi Noem以外にもいる。まず第一に現副大統領Mike Pence(61才)。政治家素人のTrumpを盛り立ててきてはいるものの、彼の人気にあやかり高齢のTrump亡き後自分が大統領にと狙っている男だ。今回は親分Trumpが出るので自分は自重するが、Trumpが出ない場合、自分が立候補するべきだと考えて、4年間、くだらない親分に従ってきた。その親分がまた出るとなると自分の番が回ってこない。迷惑な奴だと考えているに違いない。

 

 共和党には、そのほか、Mike Pompeo国務長官、Ted Cruz及びTom Cotton両上院議員、Ron DeSantis・Florida州知事など4年後の大統領を狙っている実力者がいるので、Trumpが出るとしても、すんなり統一候補になれるとも限らない。1月20日の直前に大統領職を副大統領のMike Penceに譲って恩赦を乞う裏技もあるそうだが、それは犯罪を犯したことを認めることになるので、4年後の出番はなくなる。Trumpの現実的な行先は刑務所ではなかろうか。

追放されたトランプの運命は?

 米大統領選、11月3日の投票日から5日ほど経過してようやく勝者が民主党Joe Biden候補に確定した。各種メディアはそろってBiden新大統領の当選確実を報じており、元大統領George W. Bush共和党)もBiden氏に祝福の電話をしている。しかし、負けたDonald Trumpだけが悪あがきしていて敗北宣言をしていない。不正投票があるとして法廷闘争で戦うとうそぶいており、支持者を集めて選挙結果に抗議する集会を開くと一人頑張っている。

 

 事前の世論調査では圧倒的にBiden優勢となっていたところ、4年前のようにTrumpが土壇場でひっくり返す可能性が大と予測する報道もたくさんあり、みている者はかなりマスコミに振り回されたが、結果的にTrump敗退で一安心だ。Bidenに投票した者は7,550万人で史上最多、しかし、負けたとはいえTrump支持が7,100万人もいたのには驚く。過去4年にわたって君臨した嘘と不正にまみれた詐欺師大統領に、更に今後4年間も米国の命運を託そうと考えているアメリカ人がそれほど多いとは恐ろしい現実だ。

 

 裁判を重ねてごねている間に時間切れとなり、下院の投票(1州1票)でひっくり返すのも夢ではないと考えているのかもしれないが、裁判所も世論がそうはさせないだろう。でもTrumpには、そこまでしてでもこの選挙に負けるわけにいかない個人的事情がある。今は現職大統領の免責特権で各種訴訟を免れているが、推定4,000件ほどの訴訟が待っている。すべて起訴された場合、少なくとも1回は出廷しなければならず、平日毎日1回出廷してもこれだけで16年かかる。ゴルフなどしている場合ではない。

 

 脱税に関する各種訴訟、Robert Mueller特別検察官が提起した司法妨害疑惑、選挙資金法違反事件(ポルノ女優に払った口止め料)、Donald Trumpの父親の遺産訴訟(代襲相続人であるMary TrumpはDonaldより遺産総額約$3,000万だと言われていたが、後になって実は$10億近くあったことを知ったというもの)、女性記者Jean Carrollによる名誉棄損訴訟(Donald TrumpがNew Yorkのデパートの試着室で女性記者をrapeしたとして訴えられている)など大統領に対する訴訟は実に広範囲にわたる。

 

 これらの訴訟から逃れるには、Trumpは来年1月20日にWhite Houseを去った後、国外に逃亡するのではないかと観測されている。彼は海外に自分の不動産を所有しているので、住むところには困らないが、検察が追いかけてくるので、できれば米国との間に犯罪人引渡し条約がない国に逃亡するか亡命することになるだろう。今回の選挙活動に大金をつぎ込んだ(対抗馬のBiden氏はその4倍ほど使っている)こともあり、Trumpの財政状況はかなり厳しい。今後4年間で個人的に保障しているローン約$3億(約300億円)の支払に加えて、今後4年間だけで約$9億(900億円)の不動産負債を返済しなければならない。推定約$25億と言われていた詐欺師の資産は数年以内に消えてしまい、過去6回破産した男に、7回目の破産が待っているとも言われている。こんな男が大統領を続けるのは米国の恥だ、Biden氏当選は米国に自信をもたらす。