アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

新型コロナ死者-国により1,000倍の差

 全世界の新型コロナの感染者は1億1,200万、死者は250万、そのうち一番多い米国では、感染者2,880万、死者51万と、発生から1年ほどで強烈な数字になっている。一年前、米国の感染者わずか35人だったから、科学を理解しない無能な大統領が君臨すると、こんな恐ろしいことになる、と証明したようなものだ。幸い、Biden大統領になってから、一日の感染者・死者数共に1/3~1/4に減少してきており、今後ワクチンも出回れば、かなり状況は改善されると思われる。

 

 中国で始まった新型コロナは、今では世界中に広まっているが、その犠牲者の数は国によって極端に違いがある。死者の数だけを比較しても国ごとに人口が異なるため比較しにくいので、この業界では人口100万人当たりの死者数で比較している(米Johns Hopkins University)。

 

 第一のグループは100万人当たりの死者数が1,500人以上の最悪の5か国:ベルギー(1,886人)、英国(1,773人)、Italy(1,589人)、Portugal(1,574人)、米国(1,543人)。人口1,000人のうち1.7人ほど死ぬとは、かなりの高確率だ(1,000人当たりの感染者数は平均68人、致死率2.5%)。第二のグループは100万人当たりの死者数が1,100人~1,450人の劣悪7か国:Spain(1,446人)、Mexico(1, 391人)、Peru(1,361人)、Sweden(1,247人)、Brazil(1,158人)、スイス(1,139人)、アルゼンチン(1,130人)。この7か国の1,000人当たりの感染者数は平均49人、致死率2.3%)。

 

 これに対して、100万人当たりの死者数が平均1.7人という第三の超優良グループがある。台湾(0.4人)、ベトナム(0.4人)、タイ(1人)、New Zealand(5人)。この4か国の平均感染者数も人口100万人当り225人(1,000人当たり0.2人)とほぼゼロに近い。これに次ぐ第四の優良グループ6か国の100万人当たりの死者数は、Singapore(5人)、韓国(31人)、Malaysia(33人)、豪州(35人)、Pakistan(57人)、日本(59人)。この6か国の平均死者数は、人口100万人当たり37人(平均感染者数は1,000人当たり4.6人)。

 

100万人当たりの死者数で第一グループ1,700人に対し、第三グループ1.7人では1,000倍の違いがあるが、なぜ国によりこのような大きな死亡率の違いが出てくるのか、米国の著名な女性文化心理学者Michele Gelfandが研究したところ、国民がどのくらい進んでルールに従うかという文化的な差から来るものだと結論付けた。日本・タイ・ベトナム・豪州・NZなど、社会規範を遵守する厳しい文化のある国々に対して、米英西伊Portugalなどは緩い文化の国であるため、例えば政府がマスク着用を推奨しても、大多数が従う文化、そうでない文化の国の違いが、今回の新型コロナによる死亡率の差になるとの説明だ。

 

 もっとも、台湾・NZなどは多分に政府の指導者の影響力が強くていい結果になっており、米国・Brazilなど科学をバカにする指導者の元では悪い結果が出るという事実もあるだろう。なお、この学者は、中国・ロシアの数字は信用できないので調査の対象外とするとしており、この2か国の政府公表の死者数は、各種の資料に照らして大幅に圧縮されているため考慮しなかったという。もっともなご意見というべきだ。

共和党におけるTrumpの影響力

 米下院の弾劾決議で、共和党から造反してTrump弾劾に賛成した議員は10人(10/211)、上院の共和党造反議員は7人(7/50)だけだった。良識ある国会議員が、なぜイカサマ大統領を罷免することを躊躇するのか、それは2年後に控える自分の選挙を心配するからだ。アメリカ人は、自己中心主義(selfishness)を悪いこととは思っていないようで、かえって、皆が自分のためだけに努力すれば、結果的に社会全体が良くなると考えているのではあるまいか。下院議員は任期2年なので、2年後には選挙がある。上院議員は任期6年だが、1/3が2年ごとに選ばれるので、人によって2年後、4年後、6年後の選挙となる。

 

 今回、上院で同じ共和党のTrump弾劾に賛成した勇敢な上院議員7名は、次回選挙には出馬しないと公言している2名(Richard Burr & Pat Toomey)、6年後に選挙を迎える3名(Bill Cassidy, Susan Collins, Ben Sasse)、4年後に選挙を迎えるMitt Romney(元共和党大統領候補)、2年後に選挙を迎えるLisa Murkowskiだ。上院共和党院内総務Mitch McConell(6年後選挙組)は日和見主義で、Trumpを非難するも、既に大統領の任期は終わっているとの理屈で弾劾に賛成しなかった(それでもTrumpからは恨まれている)。それだけ共和党内のTrumpの影響を恐れている国会議員が多いということだ。下院議員でTrumpに反旗を翻したのは5%に留まる。但し、その5%の中に勇敢なLiz Cheney(54才)という女性下院共和党議長がいる。彼女は4年後の大統領選挙を狙っている共和党の大統領候補だ。Trumpも出馬するというなら、この男と対決することになる。早かれ遅かれTrumpと対決するなら早めに始めようということだろう。

 

 Trump時代に国連大使を一時期務めたNikki Haley(49才)という女性がいる(元下院議員、元州知事)。彼女も早々とTrumpを見限って国連大使を辞任し(2018年末)、Trumpから距離を置き始めた。そして1月6日の議事堂乱入事件を引き起こしたTrumpを痛烈に非難した。この女性も4年後の共和党の最有力大統領候補の一人だ。もはやTrumpの影響を考えていては自分の将来はない、と悟っているようで頼もしい限りだ。

 

 しかし、共和党各議員が心配するほどTrumpの影響が今後も強いかと考えるに、どうもそうではなさそうな雰囲気だ。議会の弾劾裁判は乗り切った形だが、これからは現職大統領ではなくなるので、一般の民間人として刑事訴追、民事訴訟が押すな押すなと待ち構えている。ウクライナ疑惑に始まり今回の議事堂乱入事件のほか、脱税事件など数えきれないほどの訴訟が続く予定だ。民主党が選挙で不正をしたせいで自分が負けたと大ウソをつき、弁護士に片っ端から訴訟を起こさせたが、見事にすべて根拠なしと却下された。これだけ多額の報酬を払って雇った弁護士(Rudy Giuliani)のくせに、すべての訴訟(大統領選で自分の票が盗まれたという主張)に負けたのは弁護士が悪いからと判断し、恩赦を与えなかった。今後、Trumpと同時に弁護士Giulianiも被告席に立つことになるが、Giulianiは自分が有罪になって服役するぐらいなら、ボスを貶めるため検察に協力して服役を免れようとするだろう(自己中心主義)。刑事訴訟と民事訴訟と損害賠償で忙しすぎて、Trumpには、もはや共和党内で影響力を行使することはできなくなるのではないか。

「日本は男尊女卑」を世界に発信するJOC

 JOC会長森喜朗(83才)の男尊女卑発言が、世界のスポーツ界からマスコミまで広く拡散されてしまった。元総理大臣ともあろう者が、我が国のnegative campaignをするのだから迷惑千万だ。確か総理大臣をやめた経緯も会議をさぼってゴルフをしていたのがばれたのが原因ではなかったか。その時の言い訳は、「好きなゴルフをして何が悪い」と居直っていたが、国が大事な時に趣味のゴルフをしなければならないなら、首相を辞めてから好きなだけやればいいでしょう.......だったと思う。

 

 彼は、JOCの会合で、女性理事が増えることについて「女性を増やしていく場合は発言の時間もある程度、規制か何かしておかないとなかなか終わらないので困る」と発言し、それが世界中にニュースとして広まったのだ。現在、JOC理事24人のうち女性は5人だけ。JOCは2019年に、女性理事を40%に増やすと公表していたが、現状は20%だ。格好いいスポーツ選手の代表は男だと信じている彼は、女性理事を増やしたくない理由として「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」から具合が悪いというのだ。この女性蔑視発言に対して、19人いる男性理事からその場で異議が申し立てられなかったというから、JOCは森発言を黙認したも同然だ。

 

 口を滑らして本音を言ってしまった彼は、その後、発言を撤回し、うわべだけの謝罪をしてみたものの、会見で逆切れしてしまい、真に反省していないという態度を見せてしまったから、国の内外から総スカンを食らっている。こんな男がJOCのトップに君臨している限り、開催国の印象は悪く、この7月のオリンピック開催は益々難しくなるだろう。海外の報道では、80%の日本人が今年のオリンピック開催に反対していると言われている。外国人ジャーナリストが発信している記事だろうが、男女同権の欧米メディアは、こんな問題を起こす男をトップに据える日本にはオリンピック開催国の権利がないと言わんばかりだ。

 

 うっかり言い間違えた発言ならまだしも、信念として思っていることがポロリと出ただけなので、いくらうわべだけで謝罪しても信念までは変えておらず、反省などしていないのは明白だ。元総理大臣に対して誰も「辞めろ」と言えないようで、本人が自発的に辞任するのでない限り更迭させることはできない名誉職のようだ。現職の総理大臣ならば彼を辞めさせることができるように思うが、スガ総理大臣にその権限はないという。ならば、本人の辞任を辛抱強く待つしかない。

 

 そして、このような男をJOCのトップに祭り続ける限り、スガ総理大臣の人気も限りなく下降する。私企業でも女性管理職を増やしているところは一概に業績がいい。日本の半分は女性だから、管理職も理事も国会議員も、半数を女性にするくらいの目標を立てるべきだろう。男の発想にない、違うものの見方が出てくるから、世界中で女性が活躍している。米国の副大統領もついに女性になった。古い日本男児の意識を変えなければ、日本は世界から見放されてしまう。世界の半分も女性だから、森会長が辞任しないなら、東京オリンピックは幻の大会で終わること間違いない。

WHO中国調査団の茶番

 中国発の新型コロナウイルス起源を調査する多国籍専門家集団(米豪独日露の科学者10名)が、発生から1年以上経過してようやく中国に受け入れられた。もっと早くに調査団を受け入れるよう要求しても中国が頑なに拒否していたため、すっかりほとぼりが冷めてからの「調査」にどんな意味があるのか、調査団の訪中は単なる芝居で終わるだろう。中国に足跡を完璧に消す時間の余裕を与えてしまったから、調査団が武漢市の海鮮卸売市場を隅々まで調べてもウイルスの痕跡は一切出てこなかったという。

 

 新型コロナウイルス(当初はSARSの変形と思われていた)は武漢で2019年12月12日(又は8日)に最初の感染者が報告された。米国の疾病管理の専門家チームは2020年1月上旬、新型コロナの初期の感染状況を評価するために、武漢入りを中国に要請したが、中国はこれを拒否した経緯がある。今回の多国籍調査団に対する中国側の対応について、Anthony Blinken米新国務長官は非協力的、深刻な透明性の欠如などと批判しているが、それもそのはず、中国側は関係者をすべて金で買収し中国共産党側の主張だけを話すように周到に準備してあるのだ。

 

 調査団が一番関心を持っている場所は、中国人民解放軍傘下の武漢病毒研究所(Wuhan Institute of Virology)であることは間違いない。しかし、そこにウイルスの痕跡は一切ない。真実を知っている関係者は既にそこにはおらず、現在も残っている研究者は、どのような質問が来ても、党の方針に沿った説明ができるように準備ができているというのだ。この研究所のNo. 1 上級研究員石正麗(Shi Zhengli、56才、通称bat woman、コウモリの研究者)も最初は「武漢病毒研究所は2019年1月2日の段階で遺伝子配列と関連の実験を終えていた。」と発言していたが、当局から口止めされてからは何もしゃべらなくなり、今回の調査団には、武漢病毒研究所は一切関係ないと説明するはずだ。

 

 しかし、香港大学の著名ウイルス研究者であったDr. Li-Meng Yan(女性博士、2019年4月米国に亡命)は、武漢病毒研究所の研究員仲間と緊密に連絡を取っていて、ウイルスが、武漢病毒研究所で生物兵器として開発されたという科学的な証拠を持っているという。短期間で変異する、潜伏期間にも感染するなど、人為的に作られたウイルスでなければありえないというのだ。(但し、感染症の米国の権威Dr. Fauciは自然発生ウイルス説をとる)

 

 はっきりしているのは、2018年12月の時点で、武漢で感染者が多発し、報告を受けた中国共産党が関係者にかん口令を敷いて、外部に一切情報を漏らすなと指示したことだ。単なる自然発生した季節性ウイルスとか肺炎であれば、党が情報統制をする必要はなかったはずだ。やましい事情があったからこそ、新しいタイプのコロナウイルスなどとSNSに載せる医者はことごとく処罰する必要があったのだ。中国政府がWHOも巻き込んで事実を隠蔽していた間に、中国では公表された数の数倍ものの感染者が発生して、それが文字通り全世界に広まった。今更WHOが中国に調査団を派遣しても、ウイルスの発生源など絶対にわかるはずはない。

悪夢のTrumpからBiden新政権へ

 新型コロナウイルスをバカにしていた大統領が、そのウイルスに感染し、そして任期の1月20日までに米国人の2,500万人が感染し42万人が死亡したウイルスのおかげで、この男はWhite Houseを去ることになった。選挙に負けても潔く負けを認めず、どうせ投票なんてインチキなものだから、開票結果を改ざんせよと責任者に指示したり、司法長官以下を直前で交代させて選挙結果をひっくり返そうと画策する最低の男の時代がようやく終わった。しかし、もっと前にこの男をやめさせることができなかったところに米国の民主主義の問題がある。

 

 一番の問題は共和党だ。政治家経験のない男が共和党から出馬するにあたって、当初はほとんどの共和党議員がカジノ破産王をバカにしていたが、割と人気があるとなってからは、このサイコパス男に大半の共和党議員が乗っ取られてしまった。ウクライナ疑惑により下院で弾劾された時も、上院で共和党議員がTrumpの犯罪に目をつむったため、大統領罷免にならなかった(弾劾に賛成した共和党上院議員はただ一人だけ)。共和党議員はTrumpの人気のおかげで自分の存在があるとこの男を擁護をするだけで、事実を判断する勇気を持たなかった。

 

 今回のクーデター未遂事件について、下院は弾劾決議を通したが、上院が2/3の絶対多数で弾劾に賛成できるか、結果はあと2週間待たなければわからない。共和党議員50人のうち6~7人くらいは賛成しそうだが、17人必要だ。どうせもう大統領ではないのだから弾劾が成立しようと不成立であろうと構わないのだが、二度と政治の世界に出てこれないよう弾劾で縛っておこうというものだ。そもそも、クーデター未遂事件の首謀者に対して弾劾反対と主張する上院議員が30~40人ほどいるということ自体、米国の民主主義の程度がかなり腐敗している証拠だろう。

 

 クーデター未遂事件後、合衆国憲法修正第25条に基づき、副大統領Pence以下閣僚の過半数がTrump罷免に同意すれば即排除できたのに、Penceにその勇気がなかった。4年後の共和党大統領候補を狙っているというがこの時点でもう失格だろう。

 

 Biden新大統領の元上司であるObama元大統領は、この4年間、サイコパス大統領を非常に危険な人物と憂慮していた。自分の前任者Obama前大統領の実績をことごとく否定するし、とにかく小学生みたいな駄々っ子が背広を着て大勢の前で演説する、その内容も嘘ばかりで、大統領に就任後もその嘘は続き、Trumpが4年間で証明したことは、自分の発言は愚痴と嘘ばかりで絶対に責任を取らないということだけ。政治の素人が過去に大阪府知事になったことがあるが、横山ノックの場合、Trumpのように次々に出てくる嘘で人々を騙したり、自らの理解力不足から専門家の助言・忠告を排除しなかったから、大阪はこれまでの米国ほど苦しむことはなかった。

 

 Biden新大統領はウイルス対策、仕事をなくして経済的に困窮している人に$2,000(20万円)支給などの生活支援のほか、上院でTrump弾劾を勝ち取るなど次から次に仕事がある。これだけ忙しければ、Trumpが望んでいた「ぼけ老人」になる暇もないから、Trumpよ、心配するな。

史上最も危険な男の嘘2.6万回

 この世に正直な政治家はいない。仕事柄、事実と異なることを話さなければならないこともあるからだ。良い意味では、国の安全を確保するため事実に反することを言う、一般的には保身のため(安倍晋三の如く)事実を隠して嘘を言う。ところが、20日に4年の任期が切れる米大統領Donald Trumpの嘘というのは、そこいらの政治家の嘘とは桁外れ、Washington Post紙の計算では4年弱で26,000回ほどの嘘・虚偽の発言をしたという。単に売春婦に口封じの金は払っていないという個人的なものから、誰でも調べればわかる統計上の数字まで嘘で固めている。コメディアンがテレビで間違った発言をしてもさほど危害はないが、大国の大統領は話が別だ。

 

 Donald Trumpが大統領になって間もなく、米国の精神学者・心理学者は、この男はサイコパス(psychopath、精神病者、性格異常者)だとか、ソシオパス(sociopath、社会病質人格障害者)だとか、ナルシシスト(narcissist、自己愛性人格障害者)などと診断し、大統領職に就くには非常に危険だと警告してきた。運悪く、得票数では勝っていたのに、Hillary Clintonが選挙人の数で負け、この男が2017年1月20日大統領になってしまった。その結果が先週のクーデター未遂事件まで続いているのだ。

 

 サイコパスの特徴は①平気で嘘がつける、②根拠のない自信を持ち、自画自賛をする、③自分に利をもたらさない人は人として扱わず、罵詈雑言を浴びせる、④人間関係は全て利害関係に矮小化するなど。ソシオパスもほぼ同じで、この男の姪(Mary Trump、55才、臨床心理学者)が昨年発売した"Too Much and Never Enough"(邦題「世界で最も危険な男」)という本の中で「彼が大統領を2期務めれば、米国の民主主義は終わる」と警鐘を鳴らした著者も、近くで見ていた「叔父」を社会病質人格障害者と分析している。(邦題を「世界で最も危険な男」としたのは、先見の明があったと言うべきだ)ソシオパスは①共感性を持たず、②息をつくようにすらすらと嘘をつく、③善悪の区別に無関心で、④他者の人権を意に介さず平気で踏みにじる。両方ともDonald Trumpにぴったり当てはまる。

 

 自己愛性人格障害者(narcissistic personality disorder)の特徴は①自分はかけがえのない存在だという思いが強すぎる、②批判されることを極度に嫌う、③うまくいかない責任は他者に転嫁する、④幼児性・子供っぽさなどと言われる。不安や失意の反動として嘘を平気で言う(fake newsを流す、事実を指摘されるとfake newsと反論する)のは、Trumpの言動とばっちり一致する。要するに、この男はサイコパス、社会病質人格障害者、自己愛性人格障害者の複合体なのだ。

 

 一度もゴルフトーナメントで優勝したこともないのに、16回優勝したと吹聴するのはほぼ無害だろうが、「マスク着用者の85%が感染する」などとCDC(疾病対策センター)発表の正反対のことを米国大統領として発言するのは非常に危険だ。しかも、まだ大統領の任期が4日ほど残っているがその間に、核のボタンを押す権限を持った男が何をしでかすか予測できない。史上最も危険な男が残り4日間何を企んでいるのか、良識ある米国民は神のご加護を祈って過ごすしかない。

内乱扇動罪のトランプを即罷免せよ

 6日の米連邦議会議事堂を一時的に占拠したトランプ支持軍団は、民主国家米国で過去200年にわたって起こったことのないクーデター未遂事件だ。今のところ少なくとも5名の死亡者が出ている(うち一人は警察官)。1月6日の連邦議会で、最終的に選挙人の数が確定することになっていたので、それを阻止して、トランプが今回の選挙の勝者は自分だと主張するため、自分の支持軍団に議会に押しかけろと暴力行為を扇動したのだ。

 

 11月初めの時点で既にBiden:Trumpの獲得選挙人の数は306:232と確定していたが、1月6日の議会では形式的にこれを連邦議会で認め、20日就任の新大統領をJoe Bidenとするという儀式だ。この儀式がなければ手続き上、新大統領は決まらない。Trumpは、この儀式を粉砕すれば、自分がもう一期大統領を務めることができるかもしれないと淡い期待を持っていたが、余りにも幼稚な発想だ。算数の基本を理解する子供でも、選挙で誰が勝ったか簡単に分かる。

 

 4時間にわたって議事を妨害した議事堂乱入者達は、その間、一時的に議事堂を乗っ取り、議員事務所などから国家安全保障に関わる書類・電子データなどを盗み出し、器物を損壊し、警護の警察官までを死に至らしめた。Trumpは、前日の集会でTrump支持軍団の議事堂乱入を煽っていたので、警察を呼ぶこともせず、最終的に議事堂に連邦警察を入れる決定を下したのは副大統領のMike Penceだったというから、Trumpはこのクーデター事件の首謀者以外の何者でもない。

 

 クーデターを成功させるには、国会議員の大半を殺害するなどもっと極端な暴力に訴える必要があったのだろうが、たとえそのような企てが成功してもTrumpがもう一期大統領を務めることはできなかったであろう。自分の票がBidenに盗まれたと根拠のない嘘で7,400万人ほどのアメリカ人を騙してきた男といえど、ヒットラーのような独裁者にはなれなかったはずだ。独裁者になるには、そこそこ賢くなければならず、Trumpにはその頭脳がない。アメリカの友人はTrumpが大嫌いで、Donald Trumpのことを最初はDTと言っていたが、大統領になって数カ月経ってからは、iDioT(馬鹿者)と呼んでいた。単なる詐欺師、脱税師、嘘つき、女たらしに留まらず、人格の欠落した動物なのだそうだ。

 

 今回のクーデター未遂事件により民主党からは、合衆国憲法修正第25条に基づく、大統領の即時罷免の要求が出ており、共和党にも副大統領Penceを始め、閣僚で賛同する者が出ているとの報道だ。即この男を首にするには、Pence副大統領と閣僚の過半数がTrumpにその旨を通知すればよい。Trumpはそれに対して異議申し立てをする権利があるが、上下両院で2/3以上の絶対多数で罷免に賛成すれば、罷免は確定する。いずれにせよ20日にはBiden次期大統領が就任するので、Trumpはあと12日で大統領ではなくなるが、12日間もこのキチガイに大統領を続けさせるのは、米国にとってあまりにも危険だとの認識が民主・共和両党の議員に共有されているからのようだ。議事堂乱入事件の実行犯を全員、大統領Trumpが恩赦するなんてことも有り得る。正義も民主主義も絵に描いた餅と化す。時間はないが、良識ある国会議員はすぐに行動を起こすべきだ。