アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

シリアに共同平和維持軍

残虐な殺戮が続くシリアについて、安保理によるAssad政権非難決議案が露中の拒否権で否決されたばかりだが、Assadによる反体制派国民の虐殺は目に余ると22ヵ国から成るアラブ連盟は平和維持軍をシリアに派遣することを決定した。同時に国連にも平和維持軍を出すことを要請し、アラブ連盟と国連有志国による共同平和維持軍が今月中にも派遣される見通しだ。「国連平和維持軍(PKF)」を派遣するには安保理決議が必要だが「国連」がつかなければ露中の拒否権は無関係だ。アラブ連盟はこれにより反体制派武装組織「自由シリア軍」などへの装備や資金面での支援を実現することができ、反体制派の最有力組織「シリア国民評議会」をAssad体制後の政権と認め、あらゆる政治的支援を提供すると正式に表明した。シリアにおける民間人に対する暴力・虐殺は国際法違反にあたると認定し、アラブ連盟加盟国はAssad政権との外交関係も凍結することになる。平和維持軍の要員がどの程度武装するのか不明だが、今回のアラブ連盟の決定によりAssad退陣は時間の問題となろう。ロシアのシリア投資は2009年時点で194億ドル(1.5兆円)、アサド政権が革命で倒されると契約済み武器輸出50億ドルも含めてすべて水泡に帰すのでロシアは何万人のシリア人が殺されても自国の経済利益を優先するのだろう。ロシアの武器輸出はイラン制裁で130億ドルが消え去り、カダフィ失脚でリビア向け武器輸出45億ドルの契約が履行されないままになった。武器生産大国として「顧客」をどんどん逃がすのは忍びがたいことに違いない。一方の中国はロシアより少し現実的で、水面下ではアサド失脚を見据えてシリア国民評議会と接触し始めたとのこと。今の経済活動も将来の見通しも大事だが、人類のためになるか、大義はあるかという視点が欠落しているのは残念だ。