アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

第二次冷戦

第二次冷戦の始まりだろうか、第三次世界大戦の始まりだろうか。本来の「冷戦」は1945年2月のヤルタ会談旧ソ連クリミア半島)から1989年12月のマルタ会談(地中海・マルタ共和国)まで約45年間続いた、資本主義対共産主義のいわばイデオロギー上の「戦争」だった。第二次冷戦は、強引な領土拡大路線をとるプーチン・ロシア対欧米日を中心とする非ロシア勢力の「戦争」となる。

力に任せてクリミア半島(Crimea自治共和国ウクライナに所属)に軍隊を派遣し、クリミア全体を自国に編入(併合)しようとするロシアは、狂気の沙汰としか言いようがない。住民投票や、クリミア自治共和国議会決議により、クリミアはウクライナから独立した国家になることを自ら選択した形にして、ロシアと合併させようというものだ。沖縄県議会が日本からの独立を住民投票と議会決議で決めて、第三国と合併するに等しい。

もともと、ロシアはロシア国内のチェチェン共和国の独立を認めていない。チェチェン共和国はロシアにあって異質なイスラム圏であり、1991年に旧ソ連から独立して建国宣言をしたが、旧ソ連もその後のロシアもチェチェンの独立を承認せず、独立派活動家を弾圧し続けている。一方でクリミアのウクライナからの独立をロシア軍の力で後押しするのは、まさしくプーチンの二枚舌戦略であり、このような独立が住民投票と共和国議会決議で決まるものなら、チェチェン共和国の独立も認めなければならない。

ウクライナは国家として一部の自治共和国が自由に独立することを認めていない。ロシアがクリミア共和国の独立を承認するのは内政干渉であり、余計な御世話だ。ならば、欧米日に限らずイスラム圏各国もいち早くチェチェンの独立を承認するだろう。カタルニアもスペインから独立できることになる。香港・マカオも中国から独立したらいい。

プーチン・ロシアは孤独な冷戦に突入しつつある。中国などごく一部の国を除いて味方はいない。全世界から経済制裁を受けてロシアは第二次冷戦をどれほど戦うことができるだろうか。最長でプーチンの現在大統領任期満了(2018年)まで、最悪は権力にものを言わせて再度インチキ選挙で再選され、次の任期満了の2024年まで続くのかもしれないが、その間にロシアの経済は相当疲弊することが予想され、反プーチン勢力による暗殺も可能性として残る。プーチン冷戦による被害者はウクライナのみならず一般のロシア人であることを、一国の責任者は自覚すべきだ。