未成年者による殺人、その後首を切断という想像しただけで恐ろしい事件が、一週間前、長崎県佐世保市でまた繰り返された。犯人は高校一年の一人暮らしの女子(16才)、被害者は同じ中学・高校の仲のいい同級の女子生徒(15才)。一人暮らしのマンションに誘って、機を見計らい、後頭部を金づち(長さ30cmの石頭ハンマー)で執拗に殴り、手で首を絞めたがまだ息をしていたので、犬をつなぐ紐で首を絞めたところ死んだという。
その後、用意した刃渡り25cmののこぎりで首と左手首を切断し、包丁で胴体を解剖、インターネット掲示板に画像と共に投稿したという。中学の頃、猫を虐待死させる問題行動を何度か起こしたことは知られており、猫の解剖もしたが飽き足らず、「人を殺して遺体をバラバラにしてみたかった」と警察に供述している。この16才は、今年3月には、父親を金属バットで殴り、入院するほどのけがをさせたり、小学6年の頃は、同級生の給食に洗剤を混入させる問題を起こしたりしているが、運動も達者で、ピアノコンクールで入賞するなど文武両道の才能の持ち主。
事件の1ヵ月半前、この16才を診察した精神科医が、児童相談所に「自宅でネコを殺害したりしている高校1年の女子生徒がいる。放置すれば人を殺しかねない」という相談をし、学校側も、女子生徒の父親に一人暮らしをやめさせるよう忠告していたという。検察は精神鑑定をする方針だが、少女の異常な行動の原因に発達障害があることに疑いはない。
1997年発生の酒鬼薔薇聖斗事件(神戸連続児童殺傷事件)は、発達障害の中学生(東慎一郎、当時14才)の犯行だった。2月、小学女児二人にハンマーで重傷を負わせ、3月、別の小学女児をハンマーで殴り殺し、更に別の小学女児をナイフで刺した。そして5月、小学男児(11才)の首を靴ひもで絞めて殺し、首を切断して、これを自分の通う中学校の正門前に放置した。警察に対する挑戦状のつもりで、生首には、「酒鬼薔薇」という名前の犯人からの手紙が添えられていた。犯人が見つからず警察が焦っているところに、「酒鬼薔薇聖斗」から第二の挑戦状が新聞社に届いた。事件から約1カ月後に犯人を捕まえてみると、それは14才の中学生だった。小学生の頃からよく猫を殺していたという。