アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

猛威をふるうEbolaウイルス

致死率90%にもなるエボラウイルスが、西アフリカで猛威をふるっている。38年前コンゴスーダンで発生した時は、感染者602人、その内死亡431人(致死率72%)に達した。今回は、ギニアで発生したが、そこはリベリアシエラレオネとの国境沿いの村なので、主にこの3ヵ国で合計2,127人の感染者、その内死亡は1, 145人(813日現在)。但し、潜伏期間3週間であるから、致死率はもっと上がるだろうし、感染者の数もこれから更に増えるとみられている。Liberia8月6日、非常事態を宣言、WHO88日、緊急事態を宣言した。
 
今回のEbola virus感染の1例目の患者は、昨年126日に死亡したギニア2才の男児といわれる。122日に熱や嘔吐などの症状が出て苦しみ出し、5日後に「謎の病気」で死亡した。その後、13日に母親が同様の症状に出血を伴い死亡、続いて29日に3才の姉も熱・嘔吐・下痢などで苦しみ死亡、翌年11日には祖母まで死亡するにいたった。そして、この家族と関わった病院の医療従事者1人も死亡し、この医療従事者の手当てに当たった医師も感染して死亡した。それどころではなく、祖母の葬儀に他の村から集まった複数の親族会葬者が、葬儀で遺体に直接触れて感染し、帰った村でウイルスが親族から病院関係者に移り、Guinea, Liberia, Sierra Leone三ヵ国に広まったと指摘されている(米医学誌The New England Journal of Medicine 4月号)。
 
もともとEbola virusはアフリカ中西部の熱帯雨林に近い僻村で見つかっていた。Ebola virusは、この地域に生息するオオコウモリを宿主としており、この動物に触れるとかこの獲物を捕まえて食べたりすると人に感染する。何らかの方法で、コウモリから人に感染したウイルスであると推測されている。
 
Guineaでは、3月中旬の段階でも、この正体不明の発熱性病気が何か特定されず、症状が、ラッサ熱、黄熱、エボラ出血熱に似ていて、感染力は非常に強いとだけ言われていた。その間に医療関係者や病院の院長まで死亡するに至り、ようやく正体はEbola virusであることが判明した。720日、Liberiaの病気の妹の見舞いに来ていた米国籍の男性(Liberiaから帰化した40才)が、妹から感染、Ghana経由、Togoで飛行機を乗り換えて、Lagos(Nigeria)空港に着いたところで隔離され、5日後に死亡している。Liberia18年に渡り布教していたスペイン人神父(75才)も感染し、緊急にスペインに戻ったが、812日、無慈悲にも命を落とした。(神はいないのか?)
 
猛威を止めるには感染経路を断つしか方法はない。そのためには、Ebola virusによる死者の遺族など、疑わしき人を完全隔離する政策がとられているが、隔離されたくない者が死者を路上に放置して、隔離を免れているという。地道に啓発活動を続ける他はない。時間はかかっても教育を行きわたらせるのが感染防止の最短距離ではないか。富山化学工業開発のインフルエンザ治療薬が、FDAの認証を待たずに、実践で使用される日が近々訪れることを祈るのみだ。