アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

連続強姦犯に懲役47年

先日、連続強盗強姦犯の判決が確定した。有期懲役の法定上限30年(刑法第14条)のところ、この強姦魔の場合は事情があって、懲役47年となった。現在44才の男は、刑務所で長生きすれば91才で出獄するだろう。その間大阪府内や東京都内の女性はちょっぴり安心して暮らせるというものだ。2013年大阪の強姦事件209件、強制わいせつ事件1,334件は全国最多)
最判決平26.8.21によれば、男は無職木下年豊、2007年に強盗強姦事件などを3件起こして懲役22年の判決、2011年にも同様の事件を12件起こしていて、これは懲役25年となったから、併せて懲役47年となり、検察側求刑通り1審大阪地判平25.6.21裁判員裁判)の判決が確定する。
2007年の事件と2011年の事件を「一連の事件」とみなせば、死刑、無期懲役を除くと併合罪最高刑は懲役30年となるところだが、この男は2008年、別の強制わいせつ致傷事件で懲役3年の有罪判決を受けて服役している。刑法50条で、併合罪のうちに既に確定裁判を経た罪とまだ確定裁判を経ていない罪とがあるときは、確定裁判を経ていない罪について更に処断する。」となっているので、確定判決を経ていない2007年の犯罪(2008年の強制わいせつ致傷罪と同時に断罪されるべきだった)は、2011年の犯罪と別個に扱うと定めてある。
 
2008年に懲役3年の判決を得て服役したのだから、充分反省したと思いきや、出所半年以内に少なくとも12件の事件を起こしている。口止めのため携帯電話で女性の顔を撮影するなど悪質極まりないことをやっており、実際は12件どころではないかもしれない。被害者は小学生を含む1237才のおとなしそうな女性ばかり。熊の世界では許されるのかもしれないが、人間の社会では許されないことだ。このような者は、確定判決の前後で別個に処罰するのが正義と言うものだろう。2008年の懲役3年の判決なかりせば、懲役30年で済むところだったから、強姦魔は「刑が重すぎる」と上告していたが、最高裁量刑が重すぎて不当とはいえない」と棄却され、1審の裁判員裁判通り懲役47年が確定した。
 
過去にも、一連の強姦致傷罪などが、途中の有罪判決を挟んで別個の犯罪とみなされ、懲役50年の刑を受けた男がいた。静岡地判平23.12.5東京高判平24.6.27は、20012010年にかけて、強姦致傷事件を少なくとも9件起こした無職小沢貴司(判決確定時35才)に対し、20012008年の5件について懲役24年、20092010年の4件について懲役26年、合計で懲役50年の判決を言い渡した。
この強姦魔は、2009年に窃盗事件で有罪判決を受け確定したので、前後の事件は分離裁判となる。それぞれ最高刑は各30年だから、検察の求刑は合計60年、裁判官が情けをかけて50年にしてくれたと観念したのか、最高裁への上告を途中で断念したため、東京高裁判決が確定した。犯行の手口は残忍だ。女性の首を絞めて顔面を殴打、「お前、殺されたいの」などと脅迫して強姦、金員を強奪する。この男は刑務所で長生きすれば、85才で出獄する。