アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

マララに与えられた人生

パキスタン17才の少女が今年のノーベル平和賞に輝いた。女性の教育を邪悪なものと信じるタリバン勢力が彼女の地域(Swat県)を支配し始めた2007年、10才のMalala Yousafzaiさんは大好きな学校に行けなくなった。ということは、将来医者になるという夢も捨てることを意味する。タリバンは女子の教育を禁止、女子校をすべて破壊し、恐怖政治を開始した。女は家の外に出ることが許されず、従わない者は殺されていく。Malalaに与えられた二つの選択肢は、声を上げずに殺されるか、声を上げて殺されるかだった。彼女は将来の夢をかなえるため声をあげた。翼を切り落とされて家に閉じこもり、13-14才になって結婚させられ奴隷になる、そんな人生を変える必要があった。幸い、父親は学校の校長先生、応援してくれた。

Swat県子供会議議長として、Malalaさんは、恐怖におびえながら生きる人々の惨状を、BBC放送に投稿して、タリバンによる女子校の破壊活動を批判、女性への教育の必要性や平和を訴える活動を続けた。やがて、パキスタン軍の大規模な軍事作戦により、タリバンSwatから追放されたが、タリバンはこの勇気ある少女の命を狙っていた。201210、通っていた中学校から帰宅するため、スクールバスに乗っていたところを、複数の男が銃撃。頭部と首に計2発の銃弾を受け、一緒にいた2人の女子生徒と共に重傷を負った。銃弾は頭部から入り、あごと首の間あたりで止まっていて、外科手術により摘出された。容疑者5人は4日後に逮捕された。安全のため、治療は英国Birminghamの病院で行われ、現在、彼女は英国の高校に通っている。ノーベル平和賞受賞の報は、授業中に先生が教えてくれた。
 
 Malalaさんは、女性の教育の権利を確保するには、政治家になるしかないと自覚し、パキスタン史上初の女性首相ブット氏(Benazir Bhutto1953-2007)を目指している。ブット首相は国際婦人の日に演説し、「パキスタンの平均的な女性はこの世で三度しか風呂に入る機会がない、一度目は生れた時、二度目は結婚の前日、そして三度目はこの世を去る時」この女性の地位を向上させるのが自分の使命だと言って凶弾に倒れた。
 
 ラトビアの歌で「マーラが与えた人生」というのがある。女神マーラは娘に生を与えたけれど幸せはあげ忘れたという歌詞だ。パキスタンのマララは銃弾に一度倒れたけれど、奇跡的に回復して史上最年少のノーベル平和賞に輝いた。ぜひともたくさん勉強して将来はパキスタンの指導者になってほしい。女子に教育をいきわたらせなければ児童労働、人身売買などインド・パキスタン等が直面している深刻な社会問題を解決することはできない。共同受賞者Kailash氏(インド人男性)は児童労働撲滅を目指して活躍してしているインド版Malalaさんだ。