アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

人種差別か過剰防衛か

一週間前の土曜日、米国OhioClevelandで、12才の黒人の男の子が、警察に撃たれて死亡した事件が発生した。公園で銃を通行人に向けて撃とうとしている男がいる、と警察に911番通報があり、警官二人組が駆けつけた。警官は男にHold up!  Show your hands!と三度命じたが、男が従わず、腰に手をやり銃を取ろうとしたので、警官はやられる前に先に二発撃った。弾は男の体に命中して翌日死亡。調べてみるとこの男はTamir Riceという12才の子供で、持っていた銃は、おもちゃのエアガンだった。通常、おもちゃのエアガンにはオレンジ色のキャップがついているが、この子が持っていたエアガンからは、そのキャップが外されていたので、本物と間違われ、このような悲劇が起こった。「犯人」は警官に銃を向けていないにもかかわらず、警官が先に銃を撃つのは過剰防衛ではないかと議論になっているが、被害者の両親は、自分の子供に非があるとみているのか、割と冷静だ。
 
しかし、8月に起こった、同じ白人警官が黒人の容疑者を撃った事件では、全米で人種差別だとして大規模なデモ、暴動が起こっている。抗議行動で、既に全米で400人以上が逮捕されている。89日、MissouriFergusonconvenience storeに黒人二人組が入ってきて、店員を殴り、たばこ一ケース($485,500円)を盗むという事件が起こった。通報を受けパトカーで駆けつけた白人警官(Darren Wilson, 28才)が、現場近くの路上で、箱に入ったタバコを持って車道の真ん中を歩いている黒人二人組を見つけ、「歩道に寄れ」と命じたところ、相棒(Dorian Johnson)は逃げたが、もう一人の男(Michael Brown, 18才)はパトカーの警官に襲い掛かったという。
 
警官も容疑者も共に身長193cmだが、体重は、警官95kg、容疑者の少年132kgと、圧倒的に容疑者優勢だ。巨大な少年は警官を殴り、更に拳銃を奪おうとしたので、警官は拳銃を撃った。弾が当たって右腕が出血してもなお反撃してくるので、警官は合計12発撃ち、その内6発が少年に命中した。額も頭も撃った。格闘した証拠に、弾は一発も背後から撃たれていない。武器を持っていない少年が、文字通り死にかけても、なおも強気に反撃してきた背景には、事件の2-3時間前にマリフアナのような麻薬を吸っていたことが後になってわかった。(血液・尿からTHCが検出されている)
 
元々悪事を犯した少年であり、国家権力に逆らったのだから結果はしょうがないと思われるが、米国の黒人たちはそうは思わない。特に、月曜日(1124日)、Missouri陪審(白人9人、黒人3人)が、この警官を不起訴と決定したことで、人種差別だと全米170都市で大規模な抗議デモ・暴動が起こっている。この警官は、警官になって8年になるが、現場で拳銃を撃ったのは初めてだった。少年は警官に向かって「お前なんかに俺を撃てるか(You’re too much of a fucking pussy to shoot me.)」とバカにしていたという。人種差別が、間もなく大学に進学する予定だった息子の将来を奪った、と両親は言うが、黒人の側にも非があるように思う。目撃証言と客観的状況から、銃を使われてもしょうがなかったのではないか。警官は、警官としての任務を果たしただけで、過剰防衛ではない、と主張している。