アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

やっぱり犯人は金正日だった

日本政府が昭和天皇実録を作成して、天皇87年間の記録を歴史に残しているように、北朝鮮も故金正日(総書記)の記録を総書記実録として作成していた。米紙Washington Timesは、その機密文書が西側情報機関の手に入り、翻訳文書の一部を入手したとその内容を発表した。その実録によると、金正日が、自ら、北朝鮮の工作機関、朝鮮労働党対外情報調査部(当時)の幹部に、外国人の拉致計画を指示した最高責任者であることが判明した。1977年のことだ。そしてこの年、横田めぐみさんが拉致され、翌1978年、蓮池薫さん夫妻などが拉致されている。先週土曜日(6日)、蓮池薫さん(現在、新潟産業大学准教授)が、岸和田に来てくれて、人権集会で講演してくれたばかりだが、今回暴露された総書記実録と整合性がある。
 
金正日の外国人誘拐計画の目的は、外国人をスパイに教育して利用することと、北朝鮮工作員が外国人に成りすましてスパイになれるよう教育させることにあった。また、1978年、韓国人映画監督とその妻である女優を誘拐させたのは、彼らに北朝鮮の体制を宣伝する魅力的な映画を作らせるためだったということが今回暴露された総書記実録で明らかになった。(彼らは8年後、ウィーン出張の機会を利用して、韓国に逃亡することに成功した)
 
金正日は、韓国、日本のみならず、中国、MalaysiaLebanonFranceItalyからも役に立ちそうな人を誘拐して北朝鮮に連れてくるよう指示していた。金正日の希望で、特に魅力的な女性を狙えとなっていた。スパイに利用するには、これらの国で孤児や家族とのつながりのない者が好ましいと「指導」したが、実行部隊は手当たり次第に見つかりにくい場所で拉致を実行していたようだ。蓮池さんも、デートの相手以外他に誰もいない海岸で、夕刻、突然北朝鮮工作員に顔面を殴られ、目が見えない状態で袋詰めにされ、船に乗せられて北朝鮮に連れていかれたと証言している。
 
蓮池さんは、ペットではあるまいし、袋に詰めて北朝鮮に連れていかれた自分の境遇を、「命以外のすべてを失った。夢も絆もすべて奪われた。」と表現していたから、24年間の実質的監獄(名前は「招待所」)暮らしがいかにひどいものであったかよくわかった。子どもが小学校に入ると、親から離されて全寮制の寄宿舎に連れていかれた。自分の子どもに自分たちは日本人と言えないから、自分たちの親は在日朝鮮人と説明していた、提出すべき家系図にも家族は全員死亡と記載していたのだそうだ。
 
他人の人生をこれだけ弄んだ張本人の金正日は、2002年、拉致被害者の一部を「一時帰国」させるにあたり、引き取りに来た当時の小泉首相に、日本人の拉致を初めて認め、謝罪したものの、「特殊機関の一部が妄動主義や英雄主義に走って拉致を行ったものだ」と語り、自分は関与していないと言いのけた。今は地獄で暮らしているのだろうが、どれだけ自分の生前のウソがばれても、これ以上悪影響はないのかもしれないけれど、その息子が拉致被害者の「実態調査」を日本側に約束しても、何の役にも立たないということは、初めからわかっていることだ。