アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

初の日系女性大統領誕生か?

5年に一度のペルー大統領選挙、先月行われた第一回選挙でトップはケイコ・フジモリ40才)Albertoフジモリ元大統領の長女だ。19902000年の二期、父親は大統領を務めたが、ケイコは19才から父大統領のFirst Ladyとして、離婚した母親の代役をこなし、2006年の総選挙で、ペルー史上最高得票で国会議員に当選した。ケイコは2011年の大統領選挙にもに出たが、惜しくも決選投票で現職のOllanta Humala(現在54才)に48.5%51.5%で敗れてしまった。
 

先月の第一回選挙で一位はケイコ40%、二位Pedro Kuczynski 21%、三位VerónikaMendoza 19%。第一回で過半数に至る候補者がいないので、上位二人の決選投票となる。Kuczynskiは高名な経済学者で首相経験者、ただ、現在77才と高齢であり、大統領任期5年が終わる頃には82才になっているので、年齢的に無理があるように思われる。にもかかわらず、調査会社が519/20日に行った模擬投票では、ケイコ52.6%に対してKuczynski47.4%獲得しており、65日の決選投票は僅差になると予想されている。

 
運よく、ケイコがペルー大統領になれば、日系人女性初の大統領であり、日本人の血を引く女性が人口2,900万の国の最高権力者になるわけだから、史上初の偉業だろう。親子で大統領というのは、元米国大統領のGeorge Bush父(1989-1993年)とGeorge Bush息子(2001-2009年)のような父子の例は過去にあるが、父娘の例はないのではないか。もし田中真紀子が首相になった場合は、初の父娘の例になるところだったが、我が国には首相になる人材が豊富にいるようで、真紀子に登場してもらわなくてよかった。
 
ケイコ・フジモリは、田中真紀子よりかなり出来がいいようだ。1993-1997年に米国留学、Boston大学を卒業、2004-2006年、Columbia Business School修士課程、この間に米人男性と結婚し、2005年に彼と共にペルーに戻った。娘二人の母親でもある。父Albertoフジモリは、汚職と人権侵害の罪で懲役25年の刑を受け服役中であるが、彼の功績はSendero Luminosoという極左武装組織をほぼ壊滅に追いやったことだ。1980-2000年の間にSendero Luminosoによって殺害されたか行方不明になった犠牲者は少なくとも69,000人いるが、今やこの組織も上層部はほぼ全員獄中にあり、現勢力は100人程度と言われている。ペルーにはこの功績で「fujimorista(フジモリ派)」という多くの国民がいて、父親が服役中でも、ケイコを支持するのだ。親の七光りでもある。
 
しかし、同時に「反フジモリ派」という集団もあって、Albertoフジモリ元大統領の強硬策(左翼ゲリラ制圧のみならず、議会解散改憲、軍事行動など)に反感を持つ者もおり、このフジモリ派と反フジモリ派がほぼ拮抗しているとも言われる。混血も含む日系人の人口比わずか1%少数民族出身者が大統領になることに抵抗感を持つ者もいるようだ。何はともあれ、親の七光りとケイコ自身の独自の魅力を足して、史上初の日系女性大統領が誕生するか、65日の決選投票が待ち遠しい。