アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

踊る小人に乗っ取られたパク大統領

 まるで村上春樹の短編小説「踊る小人」の韓国版だ。男の働く工場に絶世の美女がいて、彼女に近づくためには彼女が得意とする踊りが上手でなければならない。踊りを習ってる暇もないので、踊りの達人の小人が男の体の中に入って踊るのを許したところ、確かに一瞬美人を口説き落とすことができたが、生涯、男は小人に乗っ取られたという内容だ。
 
 韓国の女性初大統領朴槿恵(パク・クネ、64才)は、踊る小人・崔順実(チェ・スンシル、60才)という自分の親友の女性を実質的「官房長官」に起用して、自分はチェの操り人形をやっていた証拠が出てしまい、国民にお詫びする結果になった。女占い師「チェ」は単なるゴーストライターではない。パクの演説原稿を訂正し、内政・外交から人事に至るすべての面で、実質的に大統領を操ってきた。大統領の最側近三人組は全員チェが推薦したチェの子分で、チェは、パク政権を支えるための諮問委員会の性格を持つ秘密会合を定期的に開催して、パク政権の要衝を掌握していた。単なる陰の実力者にとどまらず、パクを経由して韓国大統領府(青瓦台)を乗っ取った女というべきだ。
 
パクは国家機密に属する情報もすべてチェと共有して彼女のご意見をおききし、政策を立てていたというから、パクはダミーの大統領ということになる。国民が選挙で選んだパクがダミーであり、実質的大統領が別にいたのだから、これは村上春樹の小説の世界だ。ダミーは元韓国大統領朴正熙の娘とあって、知名度はあり選挙で勝ちやすい。踊る小人が狙った絶世の美女は「韓国大統領職」だったのだ。
 
一度大統領職を手に入れさせた後は、自由に「大統領」を操ることができる。「大統領」は恩があるので、踊る小人の命令に従わざるをえない。チェは、パクが大統領になってからは、政府の予算編成にまで介入し、国家予算まで思うがままに使っていた。あたかも、国民の税金は自分の金だと言わんばかりに。欲の皮は無限に厚く、昨年から今年1月にかけて、チェは、文化・スポーツ振興を目的とする財団を設立させ、そこに大企業62社からまんまと70億円(774億ウォン)もの出資をさせた。二つの財団はわずか1日で設立許可されたといい、巨額の出資は大統領府(パク)の口添え・支援がなければ実現しない。チェは、自分が設立した会社を通じて、事業を口実にこれらの財団の資金を自由に引き出していたところ、これは横領に当たると韓国検察はチェの自宅・事務所など9か所の家宅捜索をしたばかりだ。
 
 韓国国会は、「チェ」が不当に国政に介入したとして特別検察制度を適用して、独自に捜査を開始した。国家の機密情報を政権外部の個人的なお友達に提供する行為は明らかに違法であり、パクの行為は謝って済むものではなく失職に値する。前ブラジル大統領ルセフ(Dilma Rousseff、女性初大統領)は、多額の汚職により今年8月末に弾劾・罷免され失職したが、女性初の韓国大統領も20182月の任期前に弾劾・失職の道を歩むのではないか。日に日に落ちていく大統領支持率は、直近で14%というからあまり先は長くないかもしれない。