アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

米中戦争の可能性

好戦的な男がアメリカ大統領になった今、核戦争の危機が訪れるとして、終末時計(Doomsday Clock)はObama大統領就任の頃の6分が、230秒になった。米国大統領の権限は絶大で、Trump一人の判断により核攻撃を始めることができる。米議会の多数を占める共和党内部でもTrumpを信頼しない議員は多く、民主党議員が、先制核攻撃をするには議会の承認を要するという議案(Restricting the First Use of Nuclear Weapons Act、法案下院669号)を提出する動きが始まっており、提出されれば間違いなく可決されるであろう。この法案によれば、Trumpが独自の判断で核攻撃をすることができるのは、自国が先に核攻撃を受けた場合に限られる。
 
Trumpにとって、米国は一番でならなければならない。現在GDP世界第二位の中国(2016$11.4兆)は10-15年以内に世界第一位の米国($18.5兆)を抜く。戦争にはカネがかかるから、中国をたたくのは今しかない。中国空母を軸とする艦隊は、昨年末、黄海東シナ海尖閣諸島南シナ海を内側に含む第一列島線上にある宮古海峡を超えて、初めて、西太平洋に進出、米軍を挑発した。仏のオバマさんは大目に見たが、今のTrumpはそうはいかないだろう。
 
米中衝突の発火点は、台湾、尖閣諸島北朝鮮、それに米中の通商問題である。中国の貿易黒字額は$7,000億ほど、半分は対米貿易で稼いでいる。Trumpにとって、対中貿易赤字$3,674億(42兆円)が、米国が貢献している中国の軍事費というもの。中国の公表軍事費は実態を反映していないが、昨年は29兆円に上ると推測される。軍事費世界一位の米国(65兆円)は、中国に追いつかれる前に叩かねばならない。まずは中国軍の資金源を断つため、対中貿易赤字を是正する方針だ。米国第一主義を唱えるTrumpにとって、貿易と軍事は一体のものらしい。
 
中国が唯一恐れる軍事大国はアメリカだ。国境を接している韓国に、米国の最新鋭地上配備型迎撃システムTHAADTerminal High Altitude Area Defense Missile終末高高度防衛ミサイル)が配備されると、中国の軍事力の脅威が脅威でなくなる。米国は、THAAD北朝鮮の核攻撃に備えるものだと説明するが、中国はハナから受けつけない。THAADも配備できないようなら、韓国における米軍基地の価値もないから引き上げると脅されると、韓国は米国に従わざるを得ない。しかし、中国にとって、韓国に配備されるTHAADは米国の中国包囲網の一環だ。米・日・韓、オーストラリア、インド、ベトナムを束ねて、アジア版NATOを作ろうとしていると、中国は米国に対する敵対心をむき出しにしている。
 
Trump新政権で、国家通商会議(National Trade Council)委員長に就任したPeter Navarroという経済学者は、大の反中国派で、米中戦争必須論者だ。その上、国防長官に就任したJames MatisObama政権で中央軍司令官を務めていたが、イラン核合意に反対して、Obamaさんに解任された)は、自国の軍事力に立ち向かう国には、軍事力で対抗するという信念の持ち主。Peter NavarroJames Matisも、米国に歯向かうヤツとは戦おうじゃないかという強硬派だ。その親分がCrazy Trumpとくるから、年内の米中戦争は益々現実味を帯びてくる。