アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

この秋バルセローナにユニクロ店

ユニクロ19番目の海外進出先にスペインを選んだことが、スペインの新聞で大きく報道されている。ヨーロッパでは英・仏・独・Belgiumに次いで5カ国目だ。スペインにおけるユニクロ一号店はバルセローナの中心部、Paseo de Gracia 18、大阪で言えば御堂筋のような通りだ。地下1階、地上3階の4層で、売り場面積1,730㎡という。僕も昔、低価格衣料品を商っていたので、ユニクロの品質の高さには脱帽だが、一方のスペイン最大の衣料製造小売業Zara(社名はInditex)よりはまともな品質だったと自負している。昔のZaraは粗雑すぎてまともな消費者が買える品質ではなかった。
 
しかし、品質よりも値段が重要という市場はあるもので、そのZaraは世界中に7,000店の小売店を持ち、今や売り上げ2.5兆円の世界最大規模の衣料製造小売業になってしまった。ユニクロ3,300店、売上1.8兆円である。ファッション品目を扱うからか低品質からか、Zaraの利益はユニクロ6.4倍(Zara 28.7億≒3,450億円、ユニクロ 540億円)だが、これから面白いのは、スペイン人がユニクロの高品質に慣れて来たら、ユニクロに移るのではないかと思われることだ。
 
Zaraはファッション性と値段だけで客を引き付けてきたと思うが、ユニクロは品質と値段でZaraの客を奪うことになるのではないか。スペインでは、品質の高い商品は、高級ブティークやデパートで売っているものとの常識があり、高品質の衣料品は高価で売れていた。だから、値段が安いものは品質が悪くて当然という消費者の感覚があったのだと思う。
 
世界の衣料製造小売業界のNo. 1ZaraNo. 2SwedenH&MHennes & Mauritz、売上2.3兆円)、No. 3ユニクロだ。ユニクロは今やNo. 4になった米Gapを抜いたことになる。ビジネスの世界でNo. 1を目指さない者は脱落するから、ユニクロも当然Zaraを追い抜くことを最終目標にしているだろう。利益は後でついてくるので、とりあえずスペインでZaraとどこまで戦えるか大いに見ものだ。
 
Zaraの創業者Amancio Ortega80才)の資産は$670億(≒7.5兆円)で、資産$750億の世界一の億万長者Bill Gatesに次ぎ世界第二位だ。H&MStefan Persson69才)は資産$208億で世界第32位、ユニクロ柳井正氏(68才)は資産$146億で世界第57位。それにしても、昔は衣料品を商って世界の大富豪になるなんて考えられなかったものだ。