Trump米国の堪忍袋の緒が切れた。というより、共和党の対北朝鮮政策がやっと政権をとって動き出したというべきだろう。Obama民主党政権は北朝鮮に対して「戦略的忍耐」政策をとってきて、そこまでやらないだろうと高をくくっていたのだ。米国は、北朝鮮が核・ミサイル開発を断念する見返りに、1995年以降、13億ドルを提供したが、北朝鮮は、もらうものだけをもらって核・ミサイル開発を続けてきた。金正恩の時代になってからはミサイル発射、大陸間弾道弾発射実験など好き放題のことをやっており、今日は新型エンジン燃焼実験が成功したと大々的に報道している。
国連で禁止されている化学兵器は、先月の金正男暗殺に使われたVXガスを含め北朝鮮には5,000トン以上あると言われている。このようなヤクザ国家は、200ほどある地上の国家の中で唯一北朝鮮だけだ。Rex Tillerson国務長官は、日韓中3カ国訪問で、北朝鮮に対する軍事行動の事前通告をしに来たのだと思われる。標的は金正恩ただ一人だ。アルカイダのBin Ladenを急襲したように北朝鮮の独裁者を殺害する計画が数か月以内に始まるだろう。年末に金正恩が生存している可能性は限りなく小さいと思われる。
金正男暗殺を指図した金正恩について、Nikki Haley米国連大使は「理性のある人物ではない。驚くほど無責任で傲慢だ。」と批判している。多くの国民が飢え苦しんでいる中、巨額の資金を核兵器やミサイル開発などに投資する独裁者は、誰がどう見ても理性的とはいえない。無責任で傲慢な性格は、偏執病(paranoia)の症状に合致する。金正恩の実母が在日出身の高英姫だったという事実が、異母兄、金正男への負い目となり、強いライバル意識を持っていたため、いつか金正男が自分を政権から追放するのではないかという妄想を持っていたのだろう。金正恩には「出自」への負い目が予想以上に強いので、徹底的に自分の敵になりそうな人物は先に抹殺しなければならないのだ。
金正男暗殺指図に次いで、最近英米国籍のビジネスマン2人の暗殺指令を出した。昨年7月、太永浩(テ・ヨンホ)元北朝鮮公使が、英国の北朝鮮大使館から韓国に亡命したが、この手助けをした人物として金正恩側が特定し、3月初頭、約8分間の平壌放送の中で暗号を伝達する手法で金正恩が直接発したという。この暗号は脱北者が解読したとのこと。金正恩偏執病説を裏付ける事実として大変興味深い。