アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

金正恩は水爆実験で墓穴を掘ったか

 829日北海道上空を通過して太平洋に飛んだICBMに続き、北朝鮮は、93日、大型の地下水爆実験を強行した。広島の原爆は16キロトン、長崎の原爆は21キロトン、これに比べて、今回の水爆実験の規模は70キロトンと推定されている(その後「160キロトン」に訂正)。原爆は、とことん使えば人類を全滅させる能力があるため、単なる抑止力として保有だけしようと、主要保有国の間で合意ができている。国連安保理常任理事国でもある米英仏露中の5か国のみが、核の寡占状態を維持するため、NPTNon Proliferation Treaty of Nuclear Weapons核兵器不拡散条約)によって、核保有国を自分たち以外認めないという合意だ。
 
ところが、現実には、その後インド、パキスタンが核実験を行い核兵器保有している。でも、使えば自滅に追いやられるから、彼らは使わないだろうと米英仏露5か国は考えている。他にイスラエル核兵器保有していると疑う充分な証拠があるらしいが、ここは小国であり、その核兵器を一度使うと自国が瞬く間に消滅すると自覚しており、使うことはなかろうと思われている。
 
しかし、金正恩北朝鮮は国際情勢の常識的判断ができる状況にあらず、憎い敵を全滅させるために自国の全滅もやむを得ないと考えている節がある。今回の実験ですぐに核弾頭を積んだICBMができるわけではなく、専門家の予想では、核弾頭の小型化には少なくとも2-3か月は必要だろうという。敵国とされている米国は、たまたま何をしでかすかわからないTrumpがまだ大統領だ。この男は、北朝鮮の若造を2-3か月の間に抹殺することがかなわないなら、先制攻撃を実施するだろう。北朝鮮の対空ミサイル基地などすべて米国に把握されているので、Tomahawk巡航ミサイル10分で全滅させる。同時に核施設も全滅させる。移動式ミサイルなどは、ステルス戦闘機で電磁パルス弾やblackout爆弾を投下することにより、電子機器を破壊することができるし、停電も起こして発電所の無能化もできるので、横綱と小学生の相撲のような戦争になると予想される。
 
北朝鮮が米国を敵とみなすには理由がある。1950年の朝鮮戦争勃発から休戦協定成立の1953年以降、朝鮮半島2国間には平和条約が締結されていない。金日成北朝鮮は、韓国は米国の傀儡政権とみなしており、朝鮮半島が分断されている原因は米国にあると信じている。米国が韓国を見捨てれば、北朝鮮朝鮮半島を統一できるという論理だ。
 
この北朝鮮を擁護する中露にも合理的な理由がある。朝鮮半島が親米の韓国に統一されてしまうと、朝鮮半島と国境を接する両国にとって、国境沿いに米軍の展開が可能となり、末恐ろしいことになる。朝鮮半島金正恩が頑張っていてくれれば、中露の国境沿いに米国の軍事施設が建設されることはない。現在、北朝鮮の貿易のほとんどは中国及びロシアとの取引だ。中国は北朝鮮に石油をパイプラインで輸送している。ロシアも年間20-30万トンもの石油製品(ガソリン、ジーゼル燃料)を中国に輸出している。中露も北朝鮮に売れなければ他の市場に売らざるを得ず、持ちつ持たれずだ。結局、Trumpの結論は、2-3か月以内に出すであろう軍事的optionになると思われる。