アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

孤独死・無縁仏

65才超高齢者の一人暮らしは、厚労省推計で600万人を超えた(2015年統計)。身寄りがなく孤独死した人や、親族があっても遺体を引き取ってもらえない人は年間32,000人になり、この数は増加中だ。なぜか大阪に孤独死の老人は多く、仕事や生活保護を求めて一人暮らしの高齢者が集まりやすいのかもしれない。あいりん地区住民の出身を見ると、大阪府外出身者は55%にもなる。全国の生活保護率は1.7%だが、大阪市生活保護率は5.4%だ。東京の山谷地区(台東区荒川区)にも、同じような社会的孤立組が集まってきており、一人暮らしの高齢者が多い。統計的には、生活保護受給者に孤独死する人が多い。
 
 一人暮らしで亡くなり、引き取り手のない無縁仏となる人は圧倒的に男性に多い。正確な統計がないようだが、70%-80%が男性と言われている。孤独死(又は孤立死)による無縁仏になる人は、基本的に子供がいない、又は付き合いのある親族、兄弟姉妹がいない人に多い。女性は男性に比べて人づきあいが上手らしく、子供、親族、兄弟姉妹などがいなくとも近所のお友達との付き合いが割と多く、死後1週間以上経ってから発見されるケースが少ないようだ。
 
それに比べて、男性の場合は、親族はおろか兄弟姉妹とすら付き合わない者もおり、近所でお友達を見つけて tea time という人づきあいが下手だからと言われる。男性の方が無縁社会の住人になりやすい。公民館の社交ダンスクラブも女性が圧倒的に多いのは、男性にわざわざ公民館に出かけて仲間と楽しくひと時を過ごそうという発想があまりないからかもしれない。
 
 ホームレスで身寄りがなく、一人で生き、一人で亡くなっていく人が不憫で、何とかあの世で仲間と一緒に暮らせるよう共同のお墓だけは建てようという運動をNPO法人山友会(山谷地区の友という意味)がやっている。人間の人生は運命に翻弄されるものだが、最悪の場合でも、来世では一人暮らしになりませぬようという、崇高な理想を実現しようとするものだ。
 
無縁死する人は、家族や身寄りのいない人だけではなく、身元が判明している家族がいるのに引取拒否される場合もある。縁が切れているとか関わりたくないという理由のほか、せっかく探し当てた遠方の親族が高齢で引き取りに行くこともままならず、自治体に適当に処分してくれというのもある。身元の判明しない人については、市区町村は「行旅病人及行旅死亡人取扱法」に基づき、行旅死亡人として、身元が判明したが引き取り手がない人については、墓地埋葬法に基づき、いずれも市区町村の費用で火葬・埋葬をしなければならない。
 
大阪市無縁仏年間3,000柱(2015年)は65才以上の全死亡者数24,000人の12.5%にあたる。8人に1人が孤独死という比率は日本一高い。歳をとって付き合う仲間がいないから酒浸りという男がこの中にたくさん含まれていると思うが、できるだけ人と付き合い、地縁社会を広げて無縁社会をなくすよう年寄りが努力すべきだと思う。今孤独な人も元は家族がいたのだから。