アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

米中の間で揺れる韓国

韓国の政治が、米中の間で実に不安定だ。韓国は、米韓相互防衛条約という軍事同盟を結んでいながら、中国とはその属国になり下がるような振る舞いをしている。韓国のTHAAD(高高度防衛ミサイル)システム配備に対抗して、中国は韓国経済を締め出す制裁を課したため、韓国は経済報復による莫大な損失を被っている。THAADシステムは、建前は北朝鮮に向けられたものだが、北朝鮮のみならず中国も脅威と感じているからだ。しかし、配備されたものは仕方がないとして、これ以上絶対に追加配備してはならないと韓国に命じ、文政権はこの中国の要求を受け入れた。
 
先月、中韓で合意した文書では、中国は「現有のTHAADシステムの使用に関して、中国の戦略的安全性の利益を損なわないよう制限を設ける」ことで合意したので、今後、韓国は、THAADの機能に関する技術的な保証書の提出を要求する可能性がある。しかし、THAADは米国の戦略兵器であり、敵国中国にその技術が渡ってしまったのでは、米国の国益に反するどころか、韓国の信用問題に発展し、ひいては米韓軍事同盟の根幹にかかわる問題になる。
 
北には気違いの北朝鮮があり、38度線沿いに配備された北朝鮮の重火砲が火を噴けば、ソウルは瞬く間に火の海となるから、北朝鮮の生殺与奪権を握る中国の意に反する行動はとりにくい。かといって、中韓軍事同盟などないから、小国韓国は、どこかの傘下に入って防衛してもらわなければならない。それが米韓軍事同盟だ。米中の間でどこまで中国に寄り、どこまで米国に寄るべきか常に悩んできたのが韓国の外交だ。
 
先月韓国を訪問したトランプとの首脳会談で合意した文政権の日米韓安保協力について、中国はこの安保協力が三加国の軍事同盟に発展しては困ると韓国に突き付け、韓国はこれを受け入れたという。米韓軍事同盟は既にあるのでどうしようもないが、そこに日本の自衛隊が入ってはならないというのだ。米国との間では三国軍事同盟と言いながら、中国に対しては二国間軍事同盟に解釈を変更する。これが外交の実態だが、これでは米国の信頼をなくし、中国も元々韓国など信用していないから、どこからも信用されなくなるだろう。
 
中国と北朝鮮には中朝軍事同盟がある。中国は北朝鮮の石油の90%を供給しており、貿易も最大の取引国だ。石油の供給を断ち国境を閉ざして中朝軍事同盟を破棄する事態になれば、北朝鮮核兵器でも何でも使い自爆するだろう。その場合、韓国も巻き添えをくい、朝鮮半島は取り返しのつかない損害を被ることになる。これだけは絶対避けたいので、韓国は中国に歩み寄らなければならず、最悪、北朝鮮の攻撃を受けることがあれば米国の軍事力に頼らざるを得ない。しかし、米国は、韓国が考えるほどお人よしではない。日米安保条約もあるのだから日本にも応分の負担を要求するつもりだろうが、日韓に軍事同盟はないのだから、日本は韓国に加勢する必要もない。本当の危機の際に頼れる国はどこもないというのが韓国の現状だろう。