アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

全米で銃規制求める街頭デモ

214日、銃乱射事件で17人(教師3人、学生14人)が死亡した米国Florida州の人口3万人の町Parklandの高校(MarjoryStoneman Douglas High School)の学生らの呼びかけで、銃規制の強化を求めるデモがこの週末全米各地で行われた。土曜日は首都(Washington D.C.)だけで約80万人が参加、その他全米各地約800か所でも大規模な一斉デモが行われた。従来のデモと違う点は、銃規制を求めている主体が高校生などの若者であること、その若者の親兄弟も、もはや政治家に任せておいては銃の問題はいつまでも解決しないと立ち上がった点だ。

 
Marjory Stoneman Douglas High Schoolで銃乱射事件を起こした人物はNikolas Cruzという19才の男で、事件を起こしたこの高校の中退者なので、校舎の内部事情はよく知っていた。素行不良により高校から退校処分を受けた男は、学生を教室から外におびき寄せるため、わざわざ火災警報を鳴らし、廊下に出てくる教師、学生など構わず半自動ライフル銃AR-15を使って、わずか620秒の間に17人を射殺し、同数の負傷者を出した。AR-15$500$1,000くらいの銃で、10万円くらい出せばで誰でも買うことができるものだ。短時間で何発も撃つことができるから、気違いがこの銃を手にするとこのような悲劇が起こる。
 
米国で銃で撃たれて死亡する者は年間15千人に及ぶ。一日当たり平均42人。日本は基本的に銃の所持が認められないので、銃で射殺される人の数は年間10人未満だ。米国は銃を製造する産業が確立しているのでNRA全米ライフル協会)が多額の政治献金をしていて共和党員を中心とする政治家を牛耳っている。Trump共和党の支持を得て銃規制は不要との基本的立場だ。
 
銃の所有・所持を自由にすべしとする立場の人間は人間性悪説に立つから、悪者に立ち向かうには善良な者が銃で自己防衛しなければならないと主張する。Trumpも今回の高校の事件を受けて、各学校に射撃訓練を受けた教師を配置し、このような事件の再発を防止すると発言するなど、銃を使う悪者には銃で武装した教師が対応すべきと、銃規制の発想は全くない。しかし、今回の高校で銃乱射事件を起こした男のような精神面の問題を抱えた人間でも簡単に銃を買えるのは間違っている。少なくとも犯罪歴・薬物歴をチェックすること、年齢を制限すること、殺傷力の高い自動小銃の販売を禁止することなどを求めており、銃の販売事態を全面的に禁止せよとは言っていない。
 
学生たちは、銃規制の法律を作ることのできない政治家に愛想をつかし、実力行使でこの国を変えようと訴えている。銃規制を進めようとしたObama前大統領もできなかったことをTrumpに期待できるはずもなく、米国の若者は今こそ銃規制のために立ち上がれと訴えている。