アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

Malaysiaで92才長老の再登場

首相・大統領などの地位につくと、独裁者になりがちで、ロシアのPutinなどはその典型例だ。安倍晋三も長期政権となると、森友・加計学園に関しては自分の指示だとばれているのに、「徹底的に調査する」と発言して、他人事のように繕っている。日本国憲法はこのような独裁者を想定していないから、天皇の権限だけを制限した。アメリカのTrumpも、あんな人間が大統領になることを想定していないから、家族のための大統領になってみたり、自由と権限を謳歌している。
 

Malaysiaをアジアの最貧国から一流の工業国家に引き上げたのは1981-2003年の間22年にわたって4代目首相を務めたマハティール氏(Mahathir bin Mohamad)だ。ところが2009年6代目首相に就任したナジブ(NajibRazak)は、もともとMahathir氏の部下だったが、権力の座に着くと不正蓄財・スキャンダルにうつつを抜かし、元親分と言えどもMahathir氏としては見るに堪えない状況に発展した。

 
一度政界を引退したMahathir氏は、92才ながら、このままでは国が亡ぶと新たな政党を作って立ち上がり、他の野党と共闘で先週(59日投票)の選挙に打って出た。事前の予想では、いくらMahathir氏でも選挙で多数をとるのは無理となっていたが、Najib首相にとっては悪夢が現実になった。Mahathir氏率いる野党連合は222議席のうち単独過半数135議席を獲得し、92才の世界最高齢首相が誕生したのだ。(政権与党だったNajib派は、改選前の133から79議席に後退)
 

独裁者Najibは、自身の巨額の資金流用疑惑($7億≒770億円)の真相解明を恐れ、選挙には露骨に介入した。選挙区割り改正、賄賂攻勢、野党有力者の登録差し止めなど、ありとあらゆる汚い選挙戦術を展開した。選挙の立候補登録は一日だけ、時間は午前9時から10時までの1時間。前日にMahathir氏は飛行機で登録に行こうとしたが、「機体の不備」との理由で飛行機はキャンセル、危うく不出馬になる処だった。もちろんNajib首相の工作である。Mahathir氏の写真入りポスターも各地で組織的にはがされていた。立候補登録については、Mahathir氏は友人の所有するprivatejetplaneを貸与してもらい事なきを得たのだった。

 
Mahathir氏は、Malaysiaの政権から悪を除去したら、12年で自分は引退すると公言している。後任は元部下のAnwar氏(70才)、現在Najib政権に投獄されており、彼が釈放されてから首相の座をAnwar氏に禅譲するとのこと。
 
我が国に例えれば、小泉純一郎が新党を結成して安倍晋三自民党政権を倒し、野党勢力の代表者になって内閣総理大臣になるようなものだろう。Mahathir氏や小泉氏にしてみれば、現首相にはとても政治を任せることができないので自分が再登場するしかないということだろう。小泉氏にも完全引退前に長老再登場を期待しているところだ。