アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

オウム死刑囚一掃処分

726日、残り6人のオウム死刑囚の死刑が執行された。先月は、オウム事件で死刑判決を受けた13人全員が刑場の露に消えたことになる。それにしても、折角,超高等教育を受けた優秀な若者が、まんまと浅原のようなイカサマに騙されて反社会的行動に出た事件には、大いに反省させられる。
 
豊田亨死刑囚(享年50才)は東大大学院理学研究科修士課程卒業のスーパーエリート、素粒子理論で必ずノーベル賞を取ると研究に励んでいた若者が途中で道を誤り、地下鉄サリン事件の実行犯の一人になった。東大入学時からの友人に、来生では人類の役に立つ研究をしたいと言い、教祖の指示に抵抗できず、浅原に騙されたことを大いに後悔していたという。元アレフの代表をしていた野田成人は豊田の高校・大学の先輩で、彼に勧められてオウム真理教に出家した。
 
広瀬健一死刑囚(享年54才)は早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了、教祖の指示で教団武装化のため、武器製造の中心メンバーとなり、自動小銃を密造していた責任者でもある。ロシアで射撃訓練も受けていたという救済につながると信じて地下鉄サリン事件の実行犯になったが、公判では、浅原のマインドコントロール下にあって善悪の区別がつかなかったと、非人道的な事件を起こしたことを後悔していた。
 
端本悟死刑囚(享年51才)は早稲田大学法学部在学中の3年で退学、オウムに入信した。弁護士を目指した大学で空手サークル部長も務め、オウムでは、武道の実力を買われて教祖浅原の警護を担当するbody guardに抜擢された。坂本弁護士一家三人殺害事件、松本サリン事件の実行犯となる。当時、空中浮揚などをする浅原のDNA培養物を高額で売りつける「DNAイニシエーション」はインチキで、京都大学は認めていないとオウムを攻撃していた坂本弁護士の自宅に、端本などオウム幹部6人で真夜中に押し寄せ、腕力のある端本が坂本弁護士に馬乗りになって殴打、仲間が塩化カリウムの注射をしたり首を絞めるなどして殺害した。一味が浅原に附属物(妻と子)はどうしましょうと電話で相談すると「ポアするしかないだろう」との指示だったので、ついでにこの二人も殺害した。早稲田大学で法学を勉強したにもかかわらず、浅原の呪縛で物事の善悪、違法・合法の違いも判断できなくなった若者の末路が死刑執行だった。公判では「浅原を信じたのが間違いだった」と後悔した。
 
坂本弁護士一家殺害事件実行犯の一人に村井秀夫という男がいた。大阪大学理学部物理学科トップ合格、阪大大学院理学研究科修士の秀才だが、浅原の教義に惚れてオウム幹部になり、その専門知識でサリンなどの化学兵器を開発、地下鉄サリン事件発生後、教団No. 2として記者会見に現れたところを暴漢に刺殺された(享年36才)。あの時生きていればオウム死刑囚は14名になっていたはずだ。超高等教育を受けた有能な若者が、社会で活躍する前に道を誤ってこのような死に方をするのは、実に嘆かわしい現象だ。原因の一端は、オウム真理教という団体を宗教法人と認可した文科省にあるとも言える。創価学会の宗教法人も見直した方がいいのではないか。