アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

甲子園高校野球にタイブレーク

政治の一寸先が闇のように、甲子園の高校野球もどんでん返しの連続だ。特にこの第100高校野球選手権2回戦、済美高校(愛媛県)と青陵高校(石川県)の対戦では、延長13回、済美が満塁サヨナラホームランで一挙4点を獲得、粘った末の勝利を獲得した。この春の選抜高校野球を含め。今年から、延長戦が早く決着つくようにタイブレークTie Break)制度を導入した結果だった。
 
済美:青陵の最初のどんでん返しは8回裏に訪れた。7回終了時点で済美:青陵=17、実力の差がこの点数の差なのだろうと思いきや、8回裏で済美8点も一挙に得点、97に逆転したのだ。しかし、9回表に青陵が2点を追加得点、同点に持ち込んで延長戦に突入。延長戦を3回繰り返しても両者共に得点なく、決着がつかない。延長13回は、早期に決着付けさそうと、新たに導入されたTie Break方式が適用された。過去には決勝戦で延長18回、まだ決着つかず、翌日再試合でようやく決着がついたという例もある。(1969年優勝決定戦、松山商業高校:三沢高校)この猛暑の中、高校生(中にはまだ15才の子もいるだろう)にそこまで強いるのは酷だとの判断から、早期決着を目指してこの制度が取り入れられたようだ。
 
高校野球に導入されたTie Break制度は、延長12回の最後の打者二人を一二塁に出して、ノーアウトから始める。3人の打者のうち一人でも二塁打を打てば点数が入る。二人がスクイズで一塁に出ることができても点数が入る。延長戦にもつれ込むくらいの実力の相手だから、守備もしっかりしていて普通には得点させてもらえないところ、初めから一二塁に走者がいると試合運びが早い。
 
済美:青陵の延長13回、まずTie Breakで青陵が2点を得点、やはりこの試合は青陵の勝ちかと思いきや、13回裏、済美が一塁打で走者一二三塁と満塁にして、次の打者がホームランときた。逆転の満塁ホームランで一挙に4点得点、またまたひっくり返して済美の勝ちとなった。
 
Tie Breakを適用しなかった場合、済美側はどうなっていたか、はなはだ疑わしい。強力な投手は一人しかおらず、山口投手が13回すべて一人で投げていたのだ。この試合、結局2時間55分だったそうだが、山口投手は一人で184球投げたという。一人の投手が一試合投げられるのは、一概に100-150球が上限というから、ここまで来たら限界を超えている。一方の星稜側は6人の投手で交代しているから、投手に限っては、いくら延長戦が長引いても個人的に体力の限界ということにはならない。延長戦が伸びれば伸びるほどはるかに有利だ。
 
Tie Breakには、試合の初めから走者を一二三塁に配置して、ワンアウトで始めるというのもあるらしい。1回戦の旭川大学高校(北北海道)対佐久長聖高校(長野県)は延長12回でも44の同点、13回からTie Break制度で始めたが13回は両者得点なく、延長14回でようやく佐久長聖1点入れて決着がついた。地方選挙で同点の場合、くじで決着をつけるが、甲子園でくじはあまりにもひどいから、せめてTie Breakで無理やり決着をつけさせる方がましなのかもしれない。