73年以上前の戦時中の韓国人元徴用工による損害賠償請求訴訟で、韓国大法院は三菱重工や新日鐵住金などに賠償責任を認め、早速地方裁判所は韓国内の資産差し押さえの申請を認める決定を下した。1965年の日韓基本条約及び日韓請求権協定で解決済みの問題を蒸し返して二重取りする国際法上あり得ない判決だ。
日韓請求権協定では、元徴用工などに対する補償は韓国が国として行うので、日本は韓国に賠償金を払えばよい(名目上は「経済援助」)との合意文書があり、国際司法裁判所に提訴しても必ず日本側が勝つ。韓国は国際司法裁判所に持っていくべきではないと逃げ腰だが、今のところ元徴用工に対しても、日本に対しても何らの対応ができていない。
歴代の韓国行政府が約束した元徴用工などに対する補償を充分していないため、元徴用工が使用者側の元日本企業を直接訴えているという背景があるものの、歴代韓国大統領は「韓日間で徴用工問題は解決済み」との立場をとってきたため、韓国大法院も、現文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任するまで、原告勝訴の判決を出すことはなかった。しかし、文大統領が誕生して、彼の息のかかった大法院裁判長が就任して、このような国際法無視の判決が出るようになったようだ。
日韓請求権協定第2条1項:「両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、(中略)完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。」
日本・韓国は子の奪取に関するハーグ条約に加盟しているから、たとえ日本の最高裁や韓国の大法院で「子は(日本人/韓国人)母親のもとに残せ」と判決が出ても、条約で定められた常居所地(父親の国)に戻さなければならない。韓国(韓国人)は国際法を守らない、約束を守らないと公に宣言するようなもので、大法院判決に基づき韓国内に存在する日本企業の資産を差し押さえることがあれば、同額の日本国内に存在する韓国(又は韓国企業)の資産を日本政府が差し押さえることになるだろう。外交は互恵だから、一国だけが勝手なことをして許されるものではないからだ。