アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

格差社会の貧困世帯率

先進20カ国の貧困率を調べた2016年統計によると、日本は米国(17.80%)に次ぎ第2(15.70%)貧困率が高い国となっている。貧困率3位はSpain(15.50)、第4位はItaly(13.70%)となっている。米国は僕が高校生の時1年間留学した国、SpainItalyは駐在で合計14年間過ごした国だ。貧困率上位4カ国がなぜこの4カ国なのか考えてみた。もちろん、貧困率とは一人一日US$1.90210円)以下で生活している「絶対的貧困率」ではなく、国民平均の半分以下の世帯所得しかない「相対的貧困率」の意味だ。
 
イタリアについては、地下経済の規模が大きく、富裕層は対外的には大した所得がないことにするから、表向きの「貧富」の差が小さくなるので、実態は米国並みの17.80%に近いと想像できる。要するにこの4カ国の貧困率は平均16-17%と推測される。
 
一方、貧困率の低い国はScandinavia諸国、Denmark (5.50%)Finland (5.80%)Norway (8.20%)Sweden (9.10%)、これら4カ国の平均は7.15%となるから、米日西伊4カ国平均の半分以下だ。さすが高福祉国だけあって貧困層の救済を国を挙げてやっているからと思われる。街はごみがなくきれいだし、大人の国という印象だ。その代わり税金は高く、タバコは一箱1,000円以上していた。富裕層は高額の所得税を納めるので国は経済弱者に富を分配する。恐らく犯罪も少ない、相対的に安全な社会ができるのだろう。
 
それに比べて米国の汚さは人間の民度の違いかと思えるほどらしい。先月、外国人高校留学生による日本語体験発表会があって、New York生まれ、New York育ちの米国籍の留学生がspeechで発表していたが、彼は、大阪に来て一番驚いたのはごみの少なさ、街中の清潔さと発表していた。50年前の米国はきれいという印象だったけれど、どうやら最近は本当に汚いようだ。これは貧困層が極端に増えたことにより生まれる現象なのかもしれない。米国は昔は厚い中間層がいたが、今や少数の富裕層と多くの貧困層に分かれ、中流の層が少なくなったといわれる。
 
SpainItalyも汚いという点では共通している。底辺の家庭の子どもが社会でまともな経済活動につけないのは、教育費が高いから高等教育が受けられず、親と同じ職業に就くしかない。政府も貧困層対策に力を入れてこなかったからこの現実がある。(現在のItalyCinque Stelle=五つ星政党はMinimum Income制度を部分的に導入するとしているが、財政赤字が増えすぎるのでまだ一部にとどまるようだ。)
 
日本の一人親世帯(主に離婚した女性)の貧困率55%という数字は、これらの世帯の子どもたちも恐らく貧困から抜け出すことがかなわない社会だということだ。これでは日本の将来も非常に危うい。富裕層から税金をたくさん徴収して、はやく大学を含む高等教育まで無償化して、貧困層の親の世帯から、子供が抜け出せる社会にしなければ、やがて日本も街中にゴミがあふれる国になり下がるだろう。