アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

野田市子ども虐待死事件

15年ほど前、岸和田で中学三年の男子生徒(長男、当時15才、現在30才)が自宅に監禁されて、餓死直前の状態で保護された事件があった。保護された身長155cmの長男の体重はわずか24kg。長期間食事を与えられず、実父、その内縁の妻から暴行を受け自宅を出ることもできず、動かなくなったので死んだと思い、救急車を呼んで病院に連れて行ったところで事件が発覚した。実父=烏野康信(当時40才)及び継母=川口奈津代(当時38才)は、共に殺人未遂罪で懲役14年の実刑判決となり、昨年あたり、刑期満了となって出所しているはず。餓死寸前で助かった男の子はかろうじて命は助かったものの脳萎縮により著しく知能が低下していて、身体にも一生障害を背負って生きることになる。
事件が明るみになる1年数か月前から実父・継母による長男・次男(1才下)への虐待は続き、200210月頃から兄弟は不登校になる。担任が頻繁に兄弟の自宅を訪問しても継母は「寝ている」と説明して会わせない。地獄の苦しみに耐えきれず、次男はやっとのことで家を抜け出し実の母親のもとに逃げたが、長男は既に一人では歩けない状態に衰弱しいて脱出すらできなかった。次男が逃げたことで、虐待発覚を恐れ、鬼夫婦は長男を衰弱死させようと共謀し、昏睡を死亡したと誤解して救急車を呼んで事件がばれたのだった。
子に教育を受けさせるのは国民の義務である(憲法26条)。この憲法上の義務を履行しない親には、担任がいくら言ってもきかないなら、警察権力を使うべきだという議論が当時あった。15才の男の子でも親の虐待から逃れることはできない。担任の先生が単に「不登校」と分類して報告しても何の解決にもならない。高知県大分県にように教育委員会から警察の動員を要請すべきなのだ。教育委員会児童相談所の職員は、暴力的に親権を振りかざす親に対応できない。
ましてや、今回発覚した千葉県野田市10才の女の子(小学4年生)の虐待死事件では、学校のアンケートに「お父さんにぼう力を受けています、先生、何とかなりませんか」と書いた用紙のコピーを、他ならぬこの鬼父(栗原勇一郎、41)に渡した教育委員会の指導課長の責任が問われている。課長は校長経験者らしいが、あまりにも非常識で、アンケートを見せろと迫った父親が、娘が書いたという「あれはうそです」という同意書を持ってきて、本人に確かめもせずに同意書を信じたという。その時点で警察と連携し、実態を調査できたはずだ。
教育委員会児童相談所は警察と連携をとり、問題含みの家庭には強制的に訪問すべきだ。野田市2001年から児童虐待防止対策連絡協議会を作って、児童相談所、警察、弁護士などを含め虐待防止のための連絡を密にとる体制を作っていたにもかかわらず、この課長は誰にも相談しなかったという。冷たい水に顔をつけて水を吸い込ませ、そのうえ冷水のシャワーをかけて殺した栗原夫婦は、今までの判例から14年前後の懲役刑になるのだろうが、刑務所で冷水のシャワーをかけてもらって虐待死させられた我が子の冥福を祈ってもらわなければならない。助けを必要とする子どもを見殺しにした教育委員会は、もっと国家権力を利用する知恵を身に着けてほしい。