アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

アメリカで大活躍DNA鑑定

近頃アメリカで46年前の殺人犯をDNA検査で特定、男を逮捕したとのニュースが流れてきたと思えば、39年もの間無実を主張してきた元「終身刑」の男性がDNA鑑定で別人と判明、警察は謝罪し、市などが$2,100万(約23億円)の賠償を支払うとの和解が成立したという。新に捕まった男(72才)は、1973年の少女(当時11才)殺人事件の犯人、冤罪を晴らした男性(71才)は、1978年の母子殺人事件の犯人とされ、39年間刑務所で間違って服役させられた人だ。
 
1973年のCaliforniaNewport Beach市少女殺人事件で新たに捕まったJames Alan Nealは、事件後James Allen George Laytonという名前から現在の名前に改名し、住居もCalifornia州→Florida州→Colorado州と6か所以上変えていた。アメリカにおける殺人のような凶悪な未解決事件は、たとえ時効が過ぎてしまっても証拠が固まったら時効そのものを解除して立件できるので、cold case(冷蔵事件?)と呼ばれ、死ぬまで真犯人は安心していられない。
 
アメリカの警察も縦割りだから警察のDNAデータベースにNewport Beach市少女殺人事件犯人のDNAデータを入れていたが、ずっとヒットせず、お蔵入りかと思っていたところ、偶然、男本人か家族が先祖をたどる家系を調査していて、そこにこの男のDNAがあり、警察の担当者が家系調査DNAデータベースで見つけたのだそうだ。まさしく人間業ではなく、人工知能AI)があっての犯人特定だ。
 
驚いたのは男の隣に住んでいた家族。昨年のクリスマスに夫婦で家に招待したりして、家族ぐるみで付き合っていた温厚な人があの殺人事件の犯人ときいてびっくり。恐らく死刑か終身刑になるのだろうが、25-26才で少女の首を絞めて殺してから46年半もの間、仮の姿でほぼ自由に生活できたのだから、この先すべての自由がなくなっても命を奪われても思い残すこともあるまい。
 
一方、同じCaliforniaSimi Valley市で1978年、当時同棲していた女性(当時24才)とその男の子(当時4才)を殺したとして捕まっCraig Coleyさんは、間違った証拠を基に仮釈放なしの終身刑となり、同州として史上最長の39年間無実のまま刑務所で過ごすはめになった。検察や警察が捜査のやり直しを行った結果、有罪の決め手とされた証拠に含まれていたのは別人のDNAであることが判明、当時の目撃者からの話をきくなどして捜査を進めた結果、彼は無実と判断された。Simi Valley市は間違って服役させた13,991日に対して、一日当たり$14015,000円)、合計約$196万(2.1億円)を払ったが、彼は、人生の大半を誤った判断で奪っておいて、この金額では納得できないと裁判に訴えた。
 
確かに、アメリカ人男性の平均寿命が76才のところ、人生の半分以上を刑務所にぶち込まれて再審の訴えも無視され気の毒すぎると和解が成立し、一転、市は$2,100万(23億円)払うことになった。71才のColeyさんは、この資金で自宅を買い余生を娑婆で暮らすことになる。願わくば全額使いきるまでせいぜい長生きしてほしいものだ。