アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

違法パチンコ屋摘発事件

先週65日、群馬県のパチンコ店「スーパーDステーション大間々店」(運営会社名は「ネクサス」)が、群馬県公安委員会により、風俗営業法違反(無承認変更)として6か月以内の営業停止処分にされたと発表された。店長が公安委員会の承認なしにパチンコ遊技機の釘を曲げ、性能に影響を与えたことが法律違反だという。
 
パチンコ釘は、風俗営業法の関連規則において、盤面に対して「おおむね垂直」に打ち込まれていることが義務付けられている。「おおむね垂直」とは、盤面に対して約10度の傾きまでが、釘の調整で認められる限界と考えられるそうだ。パチンコは博打ではなく遊戯なので、確率として、一般入賞口に入る玉数が10分間に数十個、1時間に数百個入る性能が検査基準となる。
 
メーカーは遊技機(パチンコ台)出荷前に、財団法人保安通信協会(警察庁所管、警察の天下り団体)の検査を取得しなければならない。もちろん、検査取得後の改造(釘の調整)は違法であり、発覚した場合は、罰金刑などの刑事罰、営業停止、営業許可の取消しなどの処分が待っている。今回のスーパーDステーション大間々店については、営業停止6か月以内の処分が下された。パチンコ店の店長が、違法にパチンコ遊技機の釘を曲げ、性能を変更したからだ。
 
誰が考えても博打であるパチンコを、違法賭博ではなく「遊戯」であると言い張るためには、小当たりが出やすく、大当たりが出にくくなっていなければならないという理屈がある。しかし、パチンコ人口が減少する中、客を確保するためには、博打性がなければ魅力がない。また、経営者は店の採算を重視しなければならず、あまり玉が出るのも困る(かといって、全くでなければ客は翌日から来なくなる)ので、小当たりは出でにくく、大当たりが出やすいように釘を調整するのだ。割と玉がよく出る遊技機と大当たり狙いの遊技機を適度に混ぜて店に並べるのが各店の営業ノウハウだ。
 
4年前、警察が全国161店舗、258台のパチンコ機を一斉調査したところ、法令の定める基準に則ったパチンコ機が一台もないという結果が出たという。恐らく全国12,000か所にあるパチンコホールすべてを調査しても、合法基準内の台は一つもないだろう。基本的にメーカーは検査を受けてから出荷する前に既に釘の調整をしており、パチンコ業者もそれぞれの都合があり、店舗内でハンマーなどを使って、狙う目的を達成するため、釘を曲げるくらいの加工はしている。はっきり言ってすべて不正改造行為であり、違法行為だ。だからこそ、取り締まる警察に対応できるよう、パチンコ会社は警察OBが必要なのだ。
 
2018年のパチンコ業界の売上(貸玉料)約19兆円(2005年は約35兆円)と推測されるが、還元率80%、客の損失20% = 3.8兆円程度だろう。業者間では熾烈な競争が繰り広げられており、一部の大手以外はかなり採算が悪化して、脱落する者もいる。この業界で生き残るためには、違法でも釘を曲げてギャンブル性を上げ、魅力を上げないことには明日がないというのが現実のようだ。