アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

人工知能と未来の社会

人工知能(AI)が日々進化している。昨日、吹田市で発生した警察官襲撃、拳銃強奪事件で、犯人の男(33才)は今朝早く山の中で見つかり逮捕されたが、事件付近にある無数の防犯カメラの映像を迅速に調べて犯人の足取りを正確に予知するのは、AIの助けなしには実現不可能だっただろう。今は、新宿駅のような大勢の人混みの中から特定の一人を探し出すAIもあるので、人間の勘に頼って捜査をしていた時代とは雲泥の差がある。
 
監視や顔認証などにAIを使う技術が世界で最も進んでいると言われるのは中国だ。ここは人口が日本の10倍ほど多く、犯人捜査に人間の勘を使っていては進まない。必要からこの分野(監視・顔認証などを使ったAIによる実世界のディジタル化による把握)のAI技術を発展させ、今や米国よりも進んでいると言われる。共産党による独裁国家なので、反体制分子が増殖すると体制そのものが崩壊するので、中国が最も力を入れている分野だ。
 
AIを活用した利用者のインターネット上の活動の追跡の分野では、米中の技術は現在五分五分と言われているが、5年後には中国が米国をしのぐほど進んでいるだろうと専門家は見ているそうだ。自動運転や産業ロボット、ドローンなど自ら判断して既存の仕事を置き換えているAIの分野では、現在米国が中国を引き離して世界No. 1だが、この分野は5年後には中国と米国は同程度になるだろうと専門家は見ている。唯一、AIを使った企業によるデータ利用の分野で、米国は圧倒的に中国を引き離しており、5年後も米国が優位に立つだろうとみられている。
 
AIの技術の進歩は、日進月歩どころか時進日歩の速度で進んでいる。AI関連の特許出願件数は世界一位:中国、二位:米国、三位:日本の順だが、統計に表れない事実も存在する。米国の大学・大学院からIBM, Microsoft, GoogleなどAI関連特許出願大手企業に流れている中国人の数は一番多く、これらの中国人が特許の中身をコピーして退社し、中国に戻って、高額の報酬で働いているという。道理で中国の進む速度が速いのだそうだ。知的所有権などは盗ったものが勝ちというのが本音なので、米中の問題は根が深い。Hua Wei排除を主張する米国の論理も、知的所有権を尊重しない共産党独裁国家を世界市場から抹殺すべきとの哲学から来ているのだろう。
 
米中のAI特許競争から経済戦争に進展するとして、次は本当の戦争になる。両国はその戦争に備えてAIによる無人攻撃機Predator)、殺人無人機(Lethal Drone)、鳥型無人機(MAV = Micro Air Vehicle)などの性能向上に余念がない。人間の能力を超えた存在がAIなので、このAIが操縦して人間を大量に殺すことも特定の個人を暗殺することもできる時代が間もなくやってくる。現在のドローン業界では中国のDJIが世界市場の70%を独占している。このドローン・メーカーと中国のAIがタッグを組むと恐ろしい殺人無人機ができてしまう。
 
AIの進化は、基本的には人々に様々な恩恵をもたらすものだが、一歩使い方を間違えるか、使う主体が間違えば世界を大混乱におとしいれることもできる。