アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

インドでイスラム式即時離婚違法

イスラム式離婚には、両者の合意に基づく協議離婚(khul)、裁判離婚のほかに、夫による婚姻の否認(talaq)とか、夫による婚姻取消の宣言などがあるようだが、宗派によって異なるようで、スンニ派では、夫が三回「タラーク(Talaq)」(離婚)と唱えると、一定期間後(通常は3カ月後)には離婚が正式に成立する。夫が「タラーク、タラーク、タラーク」と三回叫ぶ(Triple Talaq)だけで、妻が離婚されるのは、女性の権利侵害であり、インドの憲法に違反すると最高裁判所の判決が出て、それに基づき、先月末、Triple Talaq(即時離婚)禁止法案が下院を通過、この後上院を通過して、Narendra Modi首相(68才)が署名すると施行される。在インドのイスラム教徒1.8億人(人口の約14%)に影響を及ぼす重要法案だが、特に9,000万人のイスラム女性にとっては、ようやく女性の人権を回復できると朗報だ。
 
男にしか一方的即時離婚宣言が認められないというのも、いくらイスラム教徒とはいえ、正しくないとは、今の時代、考えられるもので、Egypt, Tunisia, Pakistan, Indonesiaなどでは既に禁止されている。インドはイスラム人口が多いから反対も多かったようだ。イスラム系国会議員もいて断固反対と主張していたが、多数決では通らなかった。宗教上の慣習であり、政治が宗教に介入すべきでないなどの主張をしていたようだが、この法律が施行されると、これは男の権利だとやってしまえば、最高懲役3年の刑に服することになる。現実には、妻の結納金目当ての結婚もあるらしく、金さえもらえばTriple Talaqなんて事件が頻発しているらしい。
 
インドネシアBanda Aceh市(Aceh州の州都)では、男女が人前で愛情表現することはイスラム法に反する犯罪としてむち打ちの刑になる。公の場でキスをする、抱擁する、手をつなぐなどはイスラム法Sharia)で禁止されている行為であり、当然処罰されなければならない(という)。81日もモスク近くの広場で男女11人に対して公開むち打ちの刑が行われた。男6人、女5人、20才くらいの若者ばかりで、一人はイスラム教徒ではなく仏教徒であったというから、イスラム法の適用は間違っているだろう。罪の重さに応じて8回から32回までむち打ちの回数が異なるそうだ。なかには気絶して途中で引き下ろされる者もいるが、医者が介護して気が戻ったらまた公開処刑上に連れていかれ残りの回数むち打ちが続くというから、宗教による人権侵害であり、インドのTriple Talaq以上かもしれない。
 
日本人から見て、どちらも人権侵害の一種だと思うし、Triple Talaqなんて女性蔑視の典型のように感じるが、我が国で天皇は男に限ると国会で議論するのも、欧米人から見て、日本はそんな野蛮な国かと思われるだけだろう。神話の時代から男系できた天皇が、今になって女性天皇にするなんてご先祖さま(皇祖皇宗)に申し訳できないなんてことを真顔で議論する大人がいるのは、インドのイスラムスンニ派程度の人間だろう。時代によって変わる必要があり、それが人類の進歩につながるのではないか。インドのTriple Talaqも、妻の前で直接Talaq”と叫ぶだけではなく、最近はスマートフォンshort messageTalaq”3回発信するのもあるんだそうだ。天皇は男に限ると言う者は、恐らく孤立することになるだろうと思う。