8月10日、正義は金で買うものだと豪語していた米国の億万長者Jeffrey Epstein(66才、独身、資産額500~1000億円)が、New York市内の勾留施設において、首つり自殺のような状態で死亡したと報道された。男はDonald Trumpのポン友で女遊びの仲間だった。共に自家用機を所有していて、Epsteinのボーイング727にTrumpを乗せて自分の別荘に招待したり、次はTrumpの飛行機でTrumpの別荘に招待される中だった。男の獄中死亡のニュースにTrumpは「彼はいい奴だが、ここ十数年会っていない」と、今は親密な関係にないと強調する。
この男は、ねずみ講などで巨万の財を成した仲間(Steven Hoffenberg、1995年から18年間投獄された)の指南役をしたり、怪しいビジネスで自ら財を成したという意味でもDonald Trumpとよく似た人物だ。New YorkやFlorida、New Mexicoの他パリにも豪邸を所有し、Virgin Islandとかカリブ海の島にも巨大な豪邸を持ち、自家用機で行き来していた。裁判でわかっているだけでも10代の少女を中心に数千人をマッサージ師として自宅に連れてきて性的サービスをさせ、性的搾取目的の未成年者人身取引(日本では児童買春)の罪で起訴、逮捕されていた。
14才から18才までの中学・高校生を中心に、マッサージ代$200~$300(2-3万円)のアルバイトしないかとリクルートして、自宅邸宅で性的サービスを強要していた。女子中高生をリクルートする若い女性も雇っていて、マッサージの仕方も教えるから大丈夫と安心させ、2-3時間で2-3万円のアルバイトに納得する者もいれば、騙されたと訴える者もいた。訴えられた場合は高額の示談金で解決する専門の弁護士を雇っていた。なにせ1000億円規模の資産がある男なので、一人に$10-$20万(1,000-2,000万円)払って静かになるなら安いものらしい。
それどころか社会奉仕もやっているように見せかけ、2002年にはHarvard大学に研究資金として$3,000万(30億円)ほど寄付したりしている。2001~2005年にかけて多数の10代少女を性的に搾取した罪で危うく重罪になりかけた時は、Harvard大学教授の実力者弁護士Alan Dershowitzを使ってFloridaで検事をしていたAlex Acosta(先月までTrump政権の労働長官)も金で買収し、2008年6月から禁錮13カ月という司法取引を成立させた。しかも連邦警察署に「診療所」を寄付して、刑務所ではなく自分が寄付した診療所の快適な寝室に収容させたばかりか、週6日間は一日12時間外出許可付きの禁錮刑だ。弁護士も元検事も一生生活に困らない贈物をもらったに違いない。Alex Acostaは、この件がばれて先月労働長官を辞任したばかりだ。男の豪邸でHarvardの弁護士Dershowitzの性的おもてなしに使われたという女性も今回訴えている。