アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

英国はEU離脱できるのか

EUはもともと6か国で始まり英国は入っていなかった。途中から(1973年)入れてくれというので仲間に入れたら、今度は自由がないとの理由で出ていくという。6か国で始まって現在28か国のEUだが、自分の意思で加盟させてもらってから途中で離脱したいと言った国は英国だけだ。しかも国民の意思を尊重するという国民投票(2016.6.23)は、現首相Johnsonなどの嘘の情報を信じたり、EUと英国を分断させようとたくらんでいたロシアのネット工作専門業者によるインターネット操作で惑わされたりした国民の意思を反映したものだ。

 

離脱条件で一番もめているのは、アイルランド島に存在する北アイルランド(英国)とアイルランド国の物理的国境がないのに、英国離脱後、関税同盟をどうするのか答えがないからだ。先週JohnsonがEUと交渉して引き出した合意点は、英国は2020年末まで関税に関してはEUの規則に従うというもの。その後はどうなるかというと、同じ島内でEUであるアイルランド(人口460万)とEUでなくなる北アイルランド(人口180万)が隣接して存在し続け、関税制度の異なる2か国間の物流については、両者で委員会を作り、そこが最終仕向け地がEUであるかないかを判断する。そして最終決定権はEUにあるとする。たとえばドイツの自動車が非課税でアイルランドに入ってきて、その後北アイルランドに渡るのか、渡ったのか、最終判断を下す権限はEUにあるというものだ。

 

昔の東西ベルリンの壁のような障壁がないアイルランド島内で、EUから入ってきたモノが北アイルランドを経由してロンドンまで運ばれるかどうか管理するのは現実的ではない。みなしで適当に決めるしかないと思うが、英国のEU離脱派は、主権を取り戻すと主張するので、EUと交渉で合意できるとは考えられない。

 

離脱反対の労働党などは、Johnsonがまとめた協定案では到底受け入れられないと同意せず、国民の多くも再度の国民投票を望んでいるようなので、ここらで第二回国民投票を実施するのが唯一現実的な方法ではなかろうか。英国の決定権にこだわり、もっと大きなEUに歯向かったところで、時代の流れに反しているばかりか、経済的にもより大きな負担を強いられることになるだろう。

 

今までEUの一部として自由にモノ・カネ・ヒトが動いていたのに、それに歯止めをかけようとするのだから、社会の進展に逆行する動きだ。韓国の文在寅北朝鮮と合併しましょうと言うようなもので、経済的にも文化的にも何も良いものはなく、単にすべてを混乱に陥ることになるだけだ。過去の大英帝国は、EU離脱を契機にスコットランドも独立して、小さなイギリスになってしまうだろう。

 

そうなっても構わない、自分だけが存在感を示すことができればそれでいいという政治家がJohnsonでありBREXIT党のNigel Farageらだ。もう第二回国民投票しか道はない。