アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

人類滅亡の可能性はあるのか

米雑誌TIMEの記者Bryan Walsh(Princeton大学卒)が書いた本「世界の終わり= End Times: A Brief Guide to the End of the World」が、今アメリカでよく売れているそうだ。記者は2006年から2007年にかけてTIME東京事務所特派員も経験した人で、世界中の自然災害・人災などを取材してきて、予言者ではないが自分なりに未来を予測した本だ。

 

いつの日か人類滅亡があるとすれば、その原因は何かを記者の目で観察したところ、AI(人工知能)又は超巨大火山噴火が一番ありそうな可能性ではないかとの結論に達したそうだ。他には、宇宙人による侵略、地球温暖化、安全でない食事(食物による感染症など)、世界規模の病原菌、小惑星の衝突(その後恐竜が絶滅した)などもあるが、全人類が滅びるほどの原因にはならないだろうとみている。これらは、確かに人類に対する脅威ではあるが、一部の人類はその環境の中でも生き延びることができるはずと考える。しかし、AIと超巨大火山噴火については、全人類を滅亡させるかもしれず、よほど準備をしておかないと一部の人間すら生き延びることができない状況もありうるという。

 

自然が引き起こす最大の危険は巨大火山の噴火だ。2.5億年前のペルム紀、シベリアで超大規模火山の爆発があり、地球史上最大規模の大量絶滅を引起した。地上、海中のすべての生物の90%以上が絶滅に追いやられた。大噴火により発生した大量の灰とすすを含む雨が降り、大気を汚染して急速に地球を冷やす。長期間にわたって太陽光を遮断し、その結果、地上の植物も絶滅、動物も食物がなくなり絶滅するしかなかった。これは6,600万年前の小惑星衝突による恐竜絶滅の比ではなく、しかも、小惑星の衝突は地球外部からの侵入を原因とするが、巨大火山の噴火は地球の内部にその原因があり、現在その可能性を秘める火山は少なくとも20個はあるというのだ。

 

  太平洋の海底、日本の東1,600kmに位置するタム山塊(Tamu Massif)は海底から3,500mの高さだが、30kmもの深さの根を地殻内に張っていて、マントル最上部にまで届く。面積は31万km2(⇔日本の面積37万km2)と、地球最大規模の火山だ。1億4,400万年前に大噴火したこのモンスター火山が次に噴火する時はペルム紀の大量絶滅の再来(又は、それ以上、ペルム紀に人間は存在していなかった)となり、人類は絶滅する。活火山の定義は過去1万年に一度でも噴火したかが基準となっており、億年単位の危険予測を要する人類絶滅の参考にはならない。

 

人間が原因で人類滅亡を引き起こす最大の可能性はAIだと彼は主張する。AIは人間による人類滅亡の潜在的脅威なのだ。人間よりもはるかに賢く、思考速度が極端に速い超高度な人工知能が実現されたら、人間ではもう制御できなくなる。自動運転のTesla社、宇宙船打ち上げ事業のSpaceX社などのCEOであるMr. Elon Muskによれば、究極の高度な人工知能と人間の知能の比較は、今の人間と猫の知能の比較のようなもので、今、人間が地球上の猫を全滅させようと思えば可能なように、将来、超高度人工知能が人類を滅ぼそうと考えたら、超高速で実行に移され、人間には対抗する術を考える時間すら与えられないだろうという。可能性だけで済んでほしいものだが。