アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

Trumpか米民主主義のどちらかが死ぬ日

 米下院でTrumpの弾劾が可決され、上院でも弾劾され退陣するか、弾劾が否決されTrumpが続投するか来月には決まるようだ。下院での弾劾が可決されたところで、米国有権者の1/4を占めるキリスト教Evangelist(福音派)の雑誌Christianity Todayが、下院で弾劾された大統領は退陣すべきだという主張を始めたのが注目される。このEvangelistというグループは、教会に行かずともテレビでも説教がきけるというので人気のようで、テレビの人気説教師Billy Grahamという人物が創設した雑誌だから影響は甚大なはずだ。

 

 Christianity Todayの主張は、下院で証明されたTrumpの悪行(ウクライナ疑惑で大統領の権力濫用、下院の弾劾手続きを妨害)は合衆国憲法に違反しており、更には大統領個人の非道徳性に及んでは到底擁護するわけにはいかないというものだ。ロシア疑惑で特別検察官がクロと断定しなかった部分を、今回の下院弾劾で明らかに大統領就任時の宣誓に違反し、個人の利益のために大統領の権力を濫用したと証明されたわけで、こうなった以上はTrumpを擁護することはできないという。Trumpを大統領職にとどめておくことは、大統領職を汚し、米国の評判に傷つけ、米国民の精神と未来世代の国民に悪影響を与えると主張するのだ。(神の代弁者の発言)

 

 下院は民主党過半数を占めるので、問題なかったが、上院(定員100人)で弾劾を採決するには、(下院の場合の)過半数ではなく、2/3の票が必要だ。現在上院の構成は民主47:共和53となっており、2/3で弾劾を可決するには共和党上院議員の20人が寝返ってもらう必要がある。(これで弾劾可決、Trump追放に必要な67人になる)

 

 見通しとして、20人もの寝返りは想像しにくい。心情的にはTrumpは大統領にふさわしくないと思っている共和党上院議員は20人以上いるはずだが、万が一上院弾劾が否決された場合、Trumpに嫌味をされて上院議員としての活動がしにくくなる、もちろんいろんな役職も失うなどを考慮すると、弾劾に賛成しにくいという者が結構いるのだ。しかも、仮に上院の弾劾が可決されたとして、次に誰が大統領になるのか、共和党議員にとって大変心配な事態になる。

 

 憲法の規定では、現職大統領が欠けた場合、①副大統領(Mike Pence副大統領)②下院議長(民主党Nancy Pelosi)となっており、理論上Pence副大統領が大統領になるはずだが、下院の弾劾で、Trump, Pence, Pompeo(国務長官)などすべてウクライナ疑惑で情報を共有しており一味とみなされたから、Trumpの代わりにPenceとはならない(失格)。となると、共和党にとっては最悪の民主党の大統領が登場することになる。

 

 福音派雑誌は、これほどまでに非道徳的大統領を擁護することは、合衆国憲法を無視し、政治的利益を追求するだけで、一番大事な民主主義を否定することになると述べ、民主党大統領登場となっても、上院の弾劾は可決すべきと主張する。民主主義が生き残るか非道徳的Trumpが生き残るか、間もなくどちらが死ぬ運命にあるか判明するだろう。