アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

緊急事態宣言

 遂に我が国も昨日「緊急事態宣言」を出した。非常事態宣言を真っ先に出したのは感染者がヨーロッパで一番多かったイタリア、1月30日WHOの緊急事態宣言を受けて、翌31日に北部(Lombardia, Venezia)を対象に非常事態宣言を出したが、2月9日には全土を対象とし、移動制限を設けた。それでも感染者は確実に増加、現在14万人(死者1.7万人はEU最多)。

 

 アメリカは3月13日、国家非常事態宣言を発表、2月末の感染者68人だったのが、3月13日感染者数2,183人となり、それまで「我が国は新型コロナを完全に制御下においている」と豪語していたTrumpがようやく事の深刻さに気が付いた。「大したことはない。そのうち魔法のように消えてなくなるだろう」と強気の発言をしていたのは、非常事態宣言を出す数日前だ。感染者数はもう43.5万人になり、最終的にはアメリカだけで100万人を超えるのだろう。死者1.3万人の中に含まれない肺炎による死亡者もたくさんいたとの情報もあり、既にインフルエンザが流行っていて1.5万人ほど亡くなっていたので、新型コロナでも、インフルエンザで死亡と分類されている在宅で亡くなった人の数は、New York市だけでも1日100~200人いると発表されているから、死者の統計は当てにならない。感染者数からも想像できるが、実際は2万人は下らないだろう。

 

 スペインは3月14日、国家非常事態を宣言した時点ではイタリアより感染者が少なかったが、今はヨーロッパNo. 1になってしまった。現在、感染者14.8万人、死者14,800人。薬局又は食料品店以外の外出で認められているのは短時間の犬の散歩ぐらい。フランスは3月15日、国家非常事態を宣言、生活必需品以外の買い物が許される他は外出禁止だ。違反者には最大€135(約1.6万円)の罰金、30日以内に4度違反を重ねると、€3,750(約44万円)の罰金及び禁錮刑を科すと強烈な罰則がある。それでも感染者11.3万人、死者1.1万人と着実に増えている。

 

 ドイツは国家非常事態にはせず、感染症保護法に基づく接触制限(飲食店・理髪店などの閉鎖)を3月22日から始めた。外出制限は一部の地域のみ。このような緩い人権制限にとどめるのは過去のHitler独裁の記憶がまだ残っているかららしい。現在の感染者11.3万人、死者2,350人、EU主要国の中で死者が少ないのは医療体制が万全だからであろう。

 

 我が国の緊急事態宣言が欧米に比べて遅すぎる、と欧米のマスコミで言われている。感染者まだ5,000人弱と言っても、昨日の増加率実績(前日比12%)で推移すると、1週間後1.1万人、2週間後2.4万人と恐ろしいことになる。EU主要国に追いつくのは時間の問題だ。何の罰則もない日本の緊急事態宣言は効果がない、というのが海外メディアの論法だが、唯一、希望が持てるのは、日本人は罰則がなくても、割と政府・行政機関の言いつけを守る国民だという点。混んだ電車で静かに順番を待つ光景は他の国では見られない。何の抵抗もなく、ほぼ全国民がマスクをつける国は欧米にはない。アメリカのように、この場に来てもマスクの効用を疑っていては、あまり見込みがなさそう。国民の多くが今回の緊急事態を受けて極力外出自粛に協力すれば、欧米の辿った同じ過ちを繰り返さずに、この難局を乗り切ることができるかもしれない。