アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

前法相夫婦の巨額買収劇

 国会が閉会された翌18日、前法務大臣河井克行・案里夫婦がそろって逮捕された。昨年7月21日の参議院議員選挙で初当選した自民党二階派河井案里は、広島選挙区で6期目を目指す自民党岸田派の溝手議員に対する刺客として安倍・菅政権から異例の手厚い応援を受けた。二人区で無所属森本議員がいるため、自民党が二人当選する可能性は最初からゼロ。自民党はベテランか新人どちらか一人しか当選の見込みはない。安倍・菅・二階は岸田派の溝手議員がベテランすぎて思うように使えないので、若手の新人を当選させようと同じ自民党でありながら、森本候補には1,500万円の選挙活動資金を渡して、一方で、河井案里には1億5千万円を自民党から振り込んでいる。

 

 安倍・菅・二階の自民党政権幹部は安倍首相を冷ややかに見ている溝手候補を干して、言いなりになる新人を当選させようと、大勢の応援団を送った(選挙期間中、安倍事務所のスタッフ数人が広島に常駐)結果、当選は、一位無所属・森本(33万票)、二位自民党河井案里(29.6万票)、三位自民党・溝手(27万票)となり、ベテラン溝手を落として河井妻の当選となった。当選祝いには、安倍晋三と河井妻が大喜びで手を取り合って有頂天になっている写真が残っている。ところが、自民党から渡った1億5千万円の中から少なくとも94人の地方議員などに2,570万円ほど現金がばらまかれていることが判明した。

 

 選挙の後、最初にばれたのは、河井陣営が車上運動員に、法定日当上限の2倍にあたる一日3万円を払っていた公職選挙法違反。自民党岸田派議員を落選させ、安倍・菅お勧めの二階派・河井妻を当選させた論功行賞として、河井夫は9月の安倍改造内閣法務大臣に就任するが、週刊文春の車上運動員日当違反事件が報じられると、翌10月には辞任に追い込まれた。それでも、安倍・菅・二階の極悪3人組は、公職選挙法違反事件は大した問題ではない(河井は小物であり、大物でないから大した問題ではない)と人ごとで済まそうとしていた。あれだけ応援しておきながら、もう夫婦とも自民党を離党しているので責任はないと言わんばかり。

 

 黒川が東京高検検事長検事総長の次の地位)に残っていたら安倍政権の援護射撃をしてくれたところだが、あいにく違法賭博麻雀で失脚したため、稲田検事総長は危うく官邸に乗っ取られそうになった検察組織を挙げて徹底的に河井夫婦を立件する構えに出ている。夫婦が選挙前に配った現金2,570万円は領収書のない汚い金だ。夫婦の議員会館から押収されたパソコンから金の配布先はプロに消されていたが、その上をいくプロはその消されたデータを復元し、誰にいつどこで誰がいくら配るか記載された予定表を入手していた。その上、追加で押収した夫婦のスマートフォンと受け取った地方議員のスマートフォンの位置情報から、具体的日時場所を確認している。否定しようのない事実を94人分積み上げたということだ。

 黒川のかけマージャン事件がばれなければ、8月には稲田検事総長勇退、黒川検事総長が誕生し、森・加計・桜のようにうやむやに処理する予定だった河井夫婦-自民党の巨額買収事件は、運悪く検察の逆鱗に触れ河井夫婦の裏で糸を引いている安倍晋三の責任にたどり着く。安倍晋三バイバイ。