新型コロナウイルスをバカにしていた大統領が、そのウイルスに感染し、そして任期の1月20日までに米国人の2,500万人が感染し42万人が死亡したウイルスのおかげで、この男はWhite Houseを去ることになった。選挙に負けても潔く負けを認めず、どうせ投票なんてインチキなものだから、開票結果を改ざんせよと責任者に指示したり、司法長官以下を直前で交代させて選挙結果をひっくり返そうと画策する最低の男の時代がようやく終わった。しかし、もっと前にこの男をやめさせることができなかったところに米国の民主主義の問題がある。
一番の問題は共和党だ。政治家経験のない男が共和党から出馬するにあたって、当初はほとんどの共和党議員がカジノ破産王をバカにしていたが、割と人気があるとなってからは、このサイコパス男に大半の共和党議員が乗っ取られてしまった。ウクライナ疑惑により下院で弾劾された時も、上院で共和党議員がTrumpの犯罪に目をつむったため、大統領罷免にならなかった(弾劾に賛成した共和党上院議員はただ一人だけ)。共和党議員はTrumpの人気のおかげで自分の存在があるとこの男を擁護をするだけで、事実を判断する勇気を持たなかった。
今回のクーデター未遂事件について、下院は弾劾決議を通したが、上院が2/3の絶対多数で弾劾に賛成できるか、結果はあと2週間待たなければわからない。共和党議員50人のうち6~7人くらいは賛成しそうだが、17人必要だ。どうせもう大統領ではないのだから弾劾が成立しようと不成立であろうと構わないのだが、二度と政治の世界に出てこれないよう弾劾で縛っておこうというものだ。そもそも、クーデター未遂事件の首謀者に対して弾劾反対と主張する上院議員が30~40人ほどいるということ自体、米国の民主主義の程度がかなり腐敗している証拠だろう。
クーデター未遂事件後、合衆国憲法修正第25条に基づき、副大統領Pence以下閣僚の過半数がTrump罷免に同意すれば即排除できたのに、Penceにその勇気がなかった。4年後の共和党大統領候補を狙っているというがこの時点でもう失格だろう。
Biden新大統領の元上司であるObama元大統領は、この4年間、サイコパス大統領を非常に危険な人物と憂慮していた。自分の前任者Obama前大統領の実績をことごとく否定するし、とにかく小学生みたいな駄々っ子が背広を着て大勢の前で演説する、その内容も嘘ばかりで、大統領に就任後もその嘘は続き、Trumpが4年間で証明したことは、自分の発言は愚痴と嘘ばかりで絶対に責任を取らないということだけ。政治の素人が過去に大阪府知事になったことがあるが、横山ノックの場合、Trumpのように次々に出てくる嘘で人々を騙したり、自らの理解力不足から専門家の助言・忠告を排除しなかったから、大阪はこれまでの米国ほど苦しむことはなかった。
Biden新大統領はウイルス対策、仕事をなくして経済的に困窮している人に$2,000(20万円)支給などの生活支援のほか、上院でTrump弾劾を勝ち取るなど次から次に仕事がある。これだけ忙しければ、Trumpが望んでいた「ぼけ老人」になる暇もないから、Trumpよ、心配するな。