アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

ハワイの公立小学校の奇跡

 海水浴で有名なハワイ・ワイキキの浜辺、ここにある公立のWaikiki小学校が、全米の公立学校にとって最大の栄誉であるBlue Ribbon賞を、2007年、2013年、2020年の合計3回受賞している。もともと、この小学校の生徒構成は、低所得者22%、少数民族84%、英語を母国語としない者22%などと、誰でも入ることができる公立小学校によくありがちな、成績不振校だった。2003年の学力調査では、習熟目標に到達している生徒の割合が英語41%、算数28%と、学力的にとても厳しい学校だったという。

 

 ところが、California州立大学名誉教授Arthur Costa博士が提唱する「習慣教育」(Habits of Mind)を取り入れてから、生徒の成績がぐんぐん上がったという。優秀な子どもには「共通する習慣」があるという分析から、学校教育の基本方針として、一定の習慣をつける教育を取り入れたところ、成績優秀校に変身したというのだ。この博士が提唱する16の良い習慣とは次の通り。

 

  1 .やり抜く習慣(あきらめない、やり続ける)

  1. 衝動を抑える習慣(行動する前に考える、落ち着く)
  2. 共感して聞く習慣(注意深く聞く、気使う)
  3. 柔軟に考える習慣(違う見方をする、別の可能性を考える)
  4. 思考を思考する習慣(自分の思考の偏りに気づく)
  5. 正確を追求する習慣(見直す、念には念を入れる)
  6. 疑問を持つ習慣(鵜呑みにしない、なぜ?どうして?と問う)
  7. 知識や経験を活かす習慣(過去の経験を思い出す)
  8. 明晰に伝える習慣(はっきり話す、言葉を選ぶ)
  9. 五感を使う習慣(感じてみる、触れてみる)
  10. 想像、創造、革新する習慣(ユニークであれ、独創的であれ)
  11. 不思議と発見を楽しむ習慣(よく観察する、夢中になる)
  12. チャレンジする習慣(勇敢であれ、リスクを冒せ)
  13. ユーモアを持つ習慣(楽観的であれ、肩の力を抜く)
  14. 共に考える習慣(協学せよ、共に学ぶ)
  15. 学び続ける習慣(興味を持ち続けよ、変わり続けよ)

 

 この教育方針を実践してから、Waikiki小学校の学力は飛躍的に向上し、2014年には習熟度、英語94%、算数93%という水準まで上がったという。もちろん、生徒の家庭とも連携して、あいさつの習慣をつけさすなどの苦労もしているようだが、子どもは教育次第でどうにでもなるという証明をしてくれたようで、日本でも、ぜひ、この習慣教育を取り入れてほしいものだ。