アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

日本ではデルタ株自滅?

 世界を見渡すとほとんどの国でコロナウイルスが猛威を振るっている。11月に入ってから昨日までの一日の平均感染者数は、米国の8.6万、英独各4万、オランダ・ベルギー各1.7万、フランス1.5万、オーストリア1.1万、韓国2,300人に対して、我が国は400人弱。日本の一日の感染者数は100万人当たり3人と、ほぼ皆無に近い。米国以外のこれらの国は皆日本より人口が少なく、100万人当たりの感染者数で比較しないとわかりずらい。人口100万人当たり、ベルギーは1,450人、オーストリアは1,200人、オランダは1,000人、英国は570人、ドイツは500人、米国は250人、フランスは230人、韓国は45人と、我が国の100万人当たり3人がいかに少ないかがわかる。

 

 日本も、最盛期、今年の8月20日は、一日の感染者数が2万5,868人と、100万人当たり200人を記録した瞬間もあったが、その3カ月後には100万人当たり1~2人になっている。ワクチン接種率の高さが原因と思われるが、他の国だってそこそこやっており、ワクチンだけが感染減少の理由とは思われない。一番大きいのは、日本人はマスク着用にもともと抵抗がなく、風邪をひいても花粉症の人もマスクをする。ここまで感染が減ってもほとんどの人がマスクをしているのが日本の特徴だ。ほとんど人のいない公園でjoggingしている人までマスクをしている。欧米では、ワクチンがいきわたると、早々とマスクをしない生活に戻っているようだ。他に考えられるのは、欧米の土足の文化と、日本の家の中は素足の文化の違いだろうか。

 

 10月になって日本の新規感染者数が激減した状況を、米英の新聞社が「摩訶不思議な日本」として取り上げている。自分たちと同じように、遅ればせながらワクチンをした日本だけが感染者が減るのはなぜだろうというものだ。7月頃から始まった第5波がいつの間にやら収束している。これは、日本人の努力だけではなく、幸運なことにウイルスの自滅によるものだという説がある。

 

1967年ノーベル化学賞を受賞したドイツの生物物理学者Manfred Eigen博士(1927~2019)の提唱した理論だそうだが、Limit of Error Catastrophe(間違いによる破局の限界)により、ウイルスは変異しすぎると自滅するという。米Connecticut大学医学部(virus学)のSandra K. Weller教授の解説によると、ウイルスが増殖する際に複製のミスが起きると変異株(デルタ株)が生まれる、高い複製能力を持つ変異株が生まれてしまうと、急速に感染が拡大し、増殖が速ければ、それだけ複製のミスも起こる、その結果、ある一定の数値を超えると、今度はそのウイルスの生存に必要な遺伝子までも壊してしまい、その結果ウイルスが自壊するということらしい。

 

 日本に入ってきたデルタ株が、Limit of Error Catastrophe理論により自滅してくれたおかげで、新規感染者数が激減したのなら、新たな変異株が国外から入らないように水際対策を万全にすれば、我が国は当分安全ということになり、第6波の心配無用となるはずだが、果たして理論通りに行きますやら。