アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

中国がスイス人科学者をでっちあげ

 新型Coronavirus発祥が武漢のウイルス研究所であることは、万人の知るところだが、中国だけは、しつこく武漢ではないと主張する。今年7月頃、このウイルスの起源を突き止めようとする米国の動きに対して、断固反発するスイス人科学者がFacebook上に現れた。自称スイス人生物学者Wilson Edwardsは、米国が新型Coronavirusの中国起源説をWHOに認めさせようと圧力をかけていると主張した。

 

 中国に都合のいい主張をしていたWilson Edwardsの発言は、中国国営メディアである中国国際電視台(CGTN)や環球時報(Global Times)などによって引用され、西洋の生物学者の見解であると中国国内では大々的に宣伝され、武漢起源説は完全に否定されたと多くの中国人を信じさせた。

 

 しかし、「スイス人科学者」と中国が正々堂々と発表するスイス人について、翌8月、在中国スイス大使館は、スイス人Wilson Edwardsなる人物は存在しないと発表、そのような科学者の登録情報は確認できず、そもそも、そのような名前の人物は人口800万のスイスに存在しないと発表した。もし、万が一そのような科学者がいたならば、科学誌に何本かの論文が発表されているはずだが、そのような論文は一つもない。

 

 FacebookのWilson Edwardsなる人物のaccountの正当性も疑われてた。そのFacebook accountの登録日は、一連の投稿の2週間前に、にわかに作成されたものであることをFacebookが確認した。しかも登録には仮想専用線が使用されていて、account元を隠すために仮想専用線が使われていたというのだ。そして、この人物の写真として載っているものをFacebookが分析したところ、実在する人物の画像ではなく、自動生成された不自然な合成画像であることも判明した。

 

 架空の人物Wilson Edwardsによる投稿は、更に数百の偽accountがその内容を拡散する形で信頼性を高める構図になっていて、そのうえ、中国国営企業の数百もの従業員のaccountによってshareされており、多数の「いいね」が付けられていた。偽のFacebook accountは拡散行為を始めた当日に作成されたばかりのものもあり、Facebookは問題に気付き、とりあえずFaceboo上から約600件ほどの偽accountを削除したという。もちろんWilson Edwardsというもともと存在しない架空の人物のaccountも削除したとのこと。

 

 偽Facebook accountを利用して、国家に都合のいい情報を流し、中国共産党の主張を「世論」として拡散・利用するのは、中国のお家芸だ。Wilson Edwards関連の偽accountが、中国国営企業の従業員や中国公安当局IT支援部隊の公務員集団によって作られており、業務の一環として上層部の指示の元動いていたことが暴露された。所詮、ばれるような嘘でもつかなければならないほど、中国はウイルスの発生源をこれ以上調査してほしくないと世界に訴えているようだが、今回のスイス人科学者捏造事件は、結果的におぞましい失敗に終わってしまった。