アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

安倍派と持ちつ持たれつの旧統一教会

 安倍元首相襲撃事件の後、安倍派(自民党清和会)政治家と旧統一教会の関係が、徐々に明らかになってきた。安倍派国会議員99名のうち、少なくとも35名は旧統一教会を支援し、選挙などでは支援されている。これだけ霊感商法の被害が出ているにもかかわらず、名ばかりの政教分離を利用して「平和」「反共」の政治団体から献金を受け、選挙協力をしてもらっているとの説明だ。

 

 1980~1990年代、統一教会はあまりにも霊感商法の被害がひどすぎて、反社会的事件が相次いだため、統一教会側は団体名の変更で社会をごまかそうとして、25年前、宗教法人を管轄する文化庁(文部省の外局)宗務課に、名称変更(名目上は、規則変更)を申請していた。1997年、当時の宗務課・前川喜平課長(その後、文科省事務次官)は、組織の実態が変わっていなければ、名称変更は認められないと、申請を受理しなかったという。その時から既に「世界基督教統一神霊協会」から「世界平和統一家庭連合」に名称変更を企んでいたのだ。

 

 役所に頑固な官僚がいると、なかなか変更は認められない。その後、統一教会は傘下の平和団体名で、清和会政治家に積極的に働きかけ、代々、岸信介安倍晋太郎安倍晋三に応援してもらっているお返しに、政治献金、政治資金パーティ券購入から選挙協力(ポスター貼り、電話かけ、ウグイス嬢等の勤労奉仕、応援演説参加)まで、ずぶずぶの関係を築き、ついに政権トップに名称変更を認めてもらったというのだ。立派な官僚が「認められない」というのに、2015年8月、当時の安倍首相、下村文科大臣の時に、文化庁は、統一教会から「世界平和統一家庭連合」への名称変更(規則変更)を「政権トップ案件」として認めたという。

 

 下村博文は安倍派の重鎮、彼が勝手に動くはずはなく、政権トップの安倍首相(当時)の意向が反映されているのは間違いない。共産党はこの点を突き、下村博文の説明を求め、名称変更に関する情報公開を要求するも、重要な点は全て黒塗りになっていて経緯は不明。結果的に名称変更が親分の狙撃事件につながったのに、下村は知らぬ存ぜぬで通している。安倍晋三は、この名称変更事件でも自分の名前は表に出さず、「政権トップ案件」とぼやかした表現の文書だけを残している。加計学園獣医学部疑惑でも政権トップ案件として当時の文科省に圧力をかけ、ごり押ししている。

 

 オウム真理教とは違い、世界平和統一家庭連合は、合法的宗教法人としてキリスト教の神をたたえ、創設者の文鮮明をたたえ、彼亡き後はその妻をたたえつつ、今も毎週、悪霊を払うために献金せよと信者に呼び掛けている。その陰で、山上容疑者のような被害者が次々に発生し、世界平和ではなく世界不幸をもたらしている。日本もフランスの政教分離(laïcité、ライシテ)を見習って、実質的宗教団体に所属する人間による政治団体を禁止すべき時が来ているのではないか。天宙平和連合などの名前で、世界平和統一家庭連合の信者が政治活動をするのを禁止するとなると、創価学会の信者が、公明党の名のもとに、政治活動をするのも禁止される。与党である公明党は反対するだろうが、元首相狙撃事件のような次の事件を起こさせないためには、政治家とカルト集団の持ちつ持たれつの関係は、政治家自らがぶち切る必要がある。