アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

英国王室は必要か

 Elizabeth女王が亡くなって長男のCharles 3世が即位、その戴冠式が6日Londonで行われた。そのそばで、王室反対、「彼は私の王ではない」という王制に反対する勢力の運動が報道された。中世には、君主とか国王などは当たり前の存在だったに違いないが、民主主義の現在、本当に王室は必要な存在であるか、考えるのもいい機会だと思う。

 

 伝統的に、王室は広大な土地の地主であり、莫大な不動産を所有する。江戸時代の将軍、中世のVatican教皇など当然のように不動産も動産も人民までも所有する。過去がそうだったからといって、今でも形を変えて、このような人間が存在し続けていいものだろうか。英国の王室が英国内で所有する不動産(Crown Estate)の事業収入は、年間£143億(2.4兆円)、このうち15%は王室助成金として王室維持費に充てられる。国王は住む城とか別荘など、生活に必要なすべてのモノを既に所有しており、この世では何不自由のない生活が保障されている。海外にもたくさん利益を生む不動産を所有しており、英国政府が把握していない(又は公表していない)国外の収益物件も数多ある。Elizabethが亡くなったといっても、その財産を相続する長男Charles Ⅲに相続税は課税されない。

 

 今時、このような破格の待遇を維持する人間の存在を、一般の英国民が納得しない、というのもわからないではない。公表されていたElizabeth女王の個人資産は$5~6億(700~800億円)と言われていたが、女王のスカートの中には、その数倍もの資産が隠されていたとも言われていたから、実態は、王室の外部の者にはわからないようになっているようだ。英国王の個人資産が公表の通りであるならば、CharlesⅢは世界の王室の中で12番目の金持ちとなるのだそうだ。スペイン国王Felipeは個人資産$280万(3.7億円)で世界第18位の金持ち国王。

 

 ヨーロッパには王室のある国が結構ある。北欧のSweden、Denmark、Norwayの他、Benelux(ベルギー、オランダ、Luxemburg = 世界7位)、小国だが超富裕な王室があるLiechtenstein(世界5位)とMonaco(世界10位)もだ。王室の世界一大金持ちはタイ国王、個人資産$440億(5.9兆円)、それに次ぐ第2位から第4位までは石油資源を独占しているBrunei国王($200億=2.7兆円)、Saudi Arabia国王($180億=2.4兆円)、UAEアラブ首長国連邦国王($150億=2兆円)と続く。この公表の個人資産は実際の資産の数分の一しか計算しておらず、本当のところは藪の中だ。

 

 これらの国の国王はほぼ独裁者であり、いつまでもこのような統治形態が続くとは考えられない。Putinのような独裁者にでもなれば個人資産$2,000億(27兆円)といわれているから、この男もロシアの国王並みと言えるだろう。Putinも英国の“Royal Family”もいつまで続くかは、「神のみぞ知る」の世界だ。