昨日第三回最終の大統領候補討論会が開催された。CNNの発表ではHillary Clinton 52%:Donald Trump 39%となっており、大方の予想通り、女性初の大統領が誕生することになるのだと思う。しかし、これだけ人格のない下品な男しか共和党大統領候補になれなかった事実は大国アメリカの恥をさらしたようなものだ。Trumpはカジノ経営のイカサマ師であり、中身は何もない。顔・表情で判断するのも失礼かもしれないが、明らかにできの悪いガキの顔をしている。女性を侮辱する発言の映像を流された時だけ「それは自分でない」と否定できないので、やむを得ず認めたが、セクハラ事件の被害者が何人登場しようとも「知らぬ、存ぜぬ」で押し通す。
大国の大統領にもなろうとする者が過去4回破産申告している。1991/1992/2004/2009年だ。Atlantic City のカジノ Taj Mahal 倒産時の損失は3.4兆円($340億)。過去の損失を利用することで直近の20年にわたり一切の納税をしていないこともHillary Clintonに暴露された。税金も納める気のない者が大統領になるなら、一般の国民は納税をするだろうか。合法か非合法かの問題ではない。リーダーにはそれなりの人格が求められるのだ。
TrumpはNew Yorkに慈善団体「Trump Foundation(財団)」を所有しているが、慈善事業名目で集めた資金を個人で勝手に使っていることがばれて、New York州司法長官より募金活動を禁じられたばかりだ。事業としてやっている特殊詐欺「Trump 大学」では全米で5,000人以上の元トランプ大学学生による集団訴訟を起こされ訴額$4,000万(40億円)。California, New York, Florida三州の元学生がTrumpを訴えた消費者詐欺に対する判決は年内に出る見通しだ。間違ってTrumpが大統領に選ばれてしまったら、アメリカ史上初の有罪詐欺師大統領が誕生する。
このようなObama大統領も言う「大統領の資質がない男」を支持しているアメリカ人は、経済的には中流以下の白人が多いという。超富裕層のTrumpは憧れであり、一人ぐらい女癖悪い奴がいても、一人ぐらいうまいこと納税義務を免れる奴がいても、国に変革をもたらして自分の生活がいくらか改善されるならその男に大統領になってもらおうと思う人間だ。大国の国民であるプライドも何も関係ない。自分のこと、自分の家族のことにしか関心がない国民にTrumpは受けているようだ。昔、中流のアメリカ人が多かった時代にはあり得ない現象だが、それだけ現代のアメリカは、経済的余裕がなくなってきているということだ。だから、Trumpが、在独米軍、在日米軍、在韓米軍の費用をこれらの国に負担させると声高々に言うと一斉に歓声が上がる。Trumpの発想が短絡すぎるということを理解する余裕のないアメリカ人が多いからだ。