アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

伝説のPlayboyアランドロン

 Alain Delonが8月18日悪性リンパ腫で死亡した。享年88才。4才の時に両親が離婚して、それぞれが再婚したから、自分の居場所がなくなり、母親の愛情に飢えていたと言われる。そのためか女性を支配したいという欲求が誰よりも強く、その欲求にこたえられる女性がいなかったということかもしれない。里親に育てられるも、手におえず、小学校からCatholicの寄宿舎に入れられ、悪さばかりしていて6回も退学処分になった。バイク窃盗事件も起こしたことがある。14才から食品店で働き始め、17才でフランス海軍に入隊、インドシナ(現Vietnam)に派遣されたが、そこでもジープを盗んで20才の誕生日は刑務所で迎えたという。

 

 1955年、20才の時、インドシナ停戦協定発効により無事除隊、フランスに戻ったAlain Delonは、caféのwaiterなどをしてぶらぶらしていたところ、1956年、女優Brigitte Auberと知り合い、同棲する仲になったことから映画界に登場するようになった。翌年には女優Michele Cordoueに乗り換え、更にその翌年、映画「Christine」で共演したAustria人女優Romy Schneiderの虜になり、1959年婚約、娘Anouchkaが生まれるも、Romyとは結婚せず、1963年に別れた。1962年には、ドイツ人女優Nicoとの間に息子Christian Aaron Boulogneが生まれたが、Alain Delonが認知しないまま、この息子は昨年薬物中毒で死亡している。

 

 1962年、Alain Delonは、フランス人女優Nathalie Barthelemyと付き合い始め、二人は1964年正式に結婚、同年、Nathalie Delonとの間に息子Anthony Delonが生まれる。しかし、その間にも別の女性、Marisa Mellも現れて、Alain Delonは1967年にNathalieとの離婚協議を始めている。(最終離婚成立は1969年)Alain Delonはmafiaとも付き合いがあったようで、Alain DelonのbodyguardをしていたStefan Markovicが、1968年10月1日射殺体で発見された事件が発生。重要参考人としてAlain Delonと彼の友人mafia Francois Marcantoniが警察の事情聴取を受けた。Stefanは「FrancoisとAlainに命を狙われている」と書き残しており、元妻NathalieとFrancois・Alainは三角関係だったという。結果、事件は証拠不充分によりAlain Delonは無罪になった。

 

 1968年からは、映画で共演した女優Mireille Darcとの付き合いが13年ほど続くが、1981年からは30才年下のAnne Parillaudと5年ほど同居。この時期、同時並行して、イタリア人歌手Dalidaや、Lana Wood, Catherine Bleynie, Maddly Bamy, Ann-Margretとも付き合っていた。1987年、31才年下のオランダ人モデルRosalie van Breemenに乗り移り、1994年には息子Alain-Fabien Delonも生まれたが、彼女とは2001年に別れた。

 

 Alain Delonが、晩年、心を許したのは、22才年下の日本人女性Hiromi Rollin、高齢の自分の面倒も見てもらうには、日本人が一番と考えていたようだが、伝説のPlayboyが死亡してからは、3人の子どもたち(法定相続人)とHiromi(66才)との間で、300~400億円とも言われる遺産を巡って、法廷で争われることになる。自分の寿命を悟ったPlayboyは、亡くなる1年ほど前のテレビ番組で、死んだら、あの世で両親に会いたい言っていた。よほど優しい母親が恋しかったに違いない。

打者大谷MLB史上初43-43達成

 8月30日(日本時間31日)大谷選手が同一試合で43本目の本塁打、43個目の盗塁を決め、Major League史上初の43-43を達成した。23日に40-40を達成したばかりで、その時点で40-40クラブ(傑出した打者)は6人だけというから、この数字を達成するのがいかに難しいかが分かる。

 

1988年 Jose Canseco         42-40

1996年 Barry Bonds           42-40

1998年 Alex Rodriguez       42-46

2006年 Alfonso Soriano     46-41

2023年 Ronald Acuña Jr.    41-73

2024年 大谷翔平                 43-43

 

 本塁打を1 season 40本も打つにはpowerがいる、そして盗塁を1 season 40個も決めるのはspeedが必要だ。本塁打だけなら40本達成した選手は沢山いるし、盗塁だけなら40個決めた選手もそこそこいるが、同一人物が40-40を達成したのは、大谷選手が出てくるまで、5人しかいなかった。最高は1998年に42本塁打・46盗塁を決めたAlex Rodriguezただ一人。大谷選手が42-42を達成した時点で、42-42 ClubはAlex Rodriguezと二人だけだったが、今回の本塁打と盗塁で、43-43を達成した選手は、大谷唯一人だ。今シーズンまだ27試合残っており、この調子だと、大谷の記録は50-50に到達するとみられる。まさに前人未到の世界だ。

 

 今年の大谷選手は、指名打者(Designated Hitter)だけなので投手としての実績はないが、昨年までは、投手兼打者の二刀流(two-way player)だったので、彼は二刀流の記録を更新していた。本場米国の二刀流の元祖はBabe Ruth。彼は1918年、投手として13勝、打者として11本の本塁打を記録し、二刀流10-10(10勝10本)というあり得ない記録を打ち立てている。Babe Ruth以外に二刀流で10-10の記録を残した者はいなかった。しかし1世紀後、大谷が登場してこの記録は破られた。Bath Ruthは、生涯ただ1回だけしか10-10を達成していない。

 

 大谷は、2021年9勝46本、2022年15勝34本、2023年10勝44本と10-10を2回達成している。2022年の記録は15-15でもあるから、Babe Ruthの11-11の上を行く。今や二刀流の神様はBabe Ruthから大谷選手に交代した。その大谷選手は、今年は打者として前人未到の43-43に到達し、今シーズンは恐らく50-50に届くのだろう。この若者はMajor Leagueの記録を次々に書き換えている。日本のプロ野球をバカにしていたアメリカ人は、大谷の活躍を見て、日本のプロ野球を見直したに違いない。

 

 もし、アメリカ人が日本のプロ野球を見直して、大谷の日本での記録も認めるなら、彼は二刀流で2014年11-10、2016年10-22とやっているので、日米で10-10は4回達成していることになる。しかもまだ30才で現役だ。これからどんな記録が出てくるのか大いに楽しみだ。

スケートボード大国・若者の日本

 8月11日、Paris Olympicsが終わり、日本は金メダル20個、銀12個、銅13個と大活躍だった。とくにSkateboardについては、金メダル2個、銀メダル2個と、世界中の金銀メダルの半分を独占する目覚ましい結果を出したから驚きだ。もともと我が国固有のsportsでもないのに、こんな立派な成績を残すとは、ただただ称賛するしかない。しかも皆若者ばかり。

 

 女子Streetで金メダルの吉沢恋(ココ)選手(14才)、銀メダルの赤間凛音(リズ)選手(15才)は、日本人選手が世界1位と2位の実力と認めさせたのだから、まさに快挙だ。東京五輪では金メダル・西矢椛(モミジ)選手(14才)、銅メダル・中山楓奈(フウナ)選手(16才)と、日本人選手が世界1位と3位だった。他にも西村碧莉(アオリ)選手(東京五輪8位、当時20才)、織田夢海(ユメカ)選手(17才)、伊藤美優(ミユ)選手(16才)など日本人選手の幅はかなり広い。それぞれが非常に特殊な技を持っていて、しかも危険なsportsなので、皆それなりに大けがを乗り越えてきているようだ。中山選手(19才)も東京に続く2大会連続メダルを目指していたが、昨年の鎖骨骨折などの影響もあったのか、Parisでは決勝には進出できなかった。

 

 女子Parkでは、開心那(ヒラキ ココナ)選手(15才)が銀メダル。彼女は東京五輪でも銀メダルをとっていて、2大会連続の銀、しかも当時はまだ12才と史上最年少medalist。草木ひなの選手(16才)は8位入賞。他に長谷川瑞穂(ミズホ)選手(14才)などもいる。この種目、東京五輪では金メダル・四十住(ヨソズミ)さくら選手(当時19才)、銀メダル・開心那選手(当時12才)、4位入賞・岡本碧優(ミスグ)選手(当時15才)と日本人選手が大活躍。岡本選手は、直前の世界rankingが1位であり、自他ともにOlympics金メダル候補と認められていた選手だが、本番で運悪く失敗して実力が出し切れず、メダルに届かなかった。順調にいけば、東京五輪で日本人が金・銀・銅と表彰台を独占するところだった。

 

 男子Streetで金メダルを獲得した堀米雄斗選手(25才)は、東京五輪でも金メダルをとっており、2大会連続金メダルだ。運悪く、熱中症により予選で実力が出せず、決勝に進めなかった小野寺吟雲(ギンウ)選手(14才)は、直前の世界rankingが1位だっただけに、彼が調子よければ、日本は金銀メダルを独占していただろうと悔やまれる。日本には、世界ranking 5位の根附海龍(カイリ)選手、同6位の白井空良(ソラ)選手(東京五輪9位)、同7位の佐々木音憧(トア)選手、同15位の青木勇貴斗(ユキト)選手(東京五輪17位)もいて、選手の層は厚い。(Paris金medalist堀米選手は、直前の世界ranking 11位だったから、その頃調子が悪かったということだろう。Paris五輪選考にも漏れかけていたが、直前の試合で大技が成功して参加できた。Paris五輪本番でも何度か失敗してメダル圏外だったが、最後の最後に大技が成功して2度目の金メダルになった。)

 

 このような新しいsportsに日本の若者が挑戦して世界で実力を見せつけるようになったことは非常に喜ばしい。少子高齢化と暗いニュースがある中で、このように世界を舞台に活躍する若者がたくさんいる日本は、まだまだ将来性があると思える。

大規模囚人交換はHarrisの援護射撃

 8月1日、米ロが第二次大戦後初めてとなる大規模囚人交換を実現した。Biden大統領の功績として称賛されるとともに、彼の後継者Kamala Harris副大統領の11月の大統領選挙の援護射撃となる実績を残した。米国、ドイツ、Slovenia、Poland、Norway、トルコ、ロシア、Belarusなどの各国による外交努力が実ったと報道されている。但し、せっかく捕まえたロシア人殺人犯Vladim Krasikov(58才、FSB高官、Putin直属の手下、ドイツの裁判所で終身刑)をドイツの刑務所からからロシアに返すのはあまりにも正義に反すると問題になっていたが、最後はBiden大統領の頼みに応じて、ドイツのScholz首相が決断を下して実現したという。

 

 最終的には、ロシアに収監されていた米国人3人を含む16人をロシアの刑務所から引き渡す代わりに、米国をはじめとする各国は合計8人のロシア人犯罪人(全員刑法犯)をロシアに引き渡すことになった。もちろんこの中にPutinの手下のVladim Krasikovも含まれている。Biden大統領が自国民の開放に固執した3人のうち、2人は報道関係者、もう1人は私企業の役員でスパイ容疑だ。他にもう一人、英国・ロシアの二重国籍を持ち米国の住人であるVladimir Kara-Murza、彼はKremlinを公然と批判する作家で、反体制派政治家Alexei Navalny氏(この2月獄中でPutinに殺害された)の擁護者だ。彼は、今回の囚人交換による出国に際し、Putinに感謝する内容の文書に署名を求められて拒否したと伝えられている。米国は、この4人の米国関係者を開放するために、ドイツと交渉してPutinが一番取り返したいVladim Krasikovを開放するよう粘り強く説得した。

 

 ドイツは、米国人政治犯開放のためだけに、極悪犯Vladim Krasikovを釈放するわけにいかず、ロシアに収監されているドイツ人4人+Belarusの刑務所に収監されているドイツ人(Rico Krieger)の開放を交換条件に出したと伝えられている。Rico Krieger氏は、Berlinの米国大使館所属の官吏でBelarusで反乱を企てたという罪で死刑判決を受けた人物だ。他のドイツ人はスパイ容疑で逮捕された者とか人権派弁護士などだ。

 

 Slovenia、Poland、Norwayなどの国は自国民の開放をロシアに求める人物がないので、ロシアで反体制派・人権擁護活動家などとして獄中に閉じ込められているロシア人7人の政治犯の釈放を条件に、米国Biden大統領に協力したようだ。7人の内、4人は、2月に殺害された反体制政治家Alexei Navalny氏によるPutinの腐敗告発団体の職員・関係者、他の3人は人権派ウクライナ侵攻反対派などだ。

 

 今回成立した囚人交換の前に、Vladim Krasikovをドイツから取り戻したいPutinに、交換条件として、Putinの最大の政敵Navalny氏を釈放するよう交渉していたというが、そのさなかにNavalny氏はPutinに殺害されてしまった。Putinにとって部下を取り戻すより、自分の政敵を抹殺する方が重要だというmessageだ。とにかく、今回で引退するBiden大統領にとって、歴史に刻まれる大きなlegacy(遺産)を残し、Kamala Harris次期大統領に引き継ぐことになる。

米国史上初の女性正副大統領?

 Biden大統領が11月の大統領選挙から撤退し、代わりにKamala Harris(現副大統領、59才)を民主党大統領候補としたことで、米国の歴史が大きく塗り替えられそうな雰囲気だ。Kamala HarrisはJamaica系の父とインド系の母を持つ黒人・アジア系の女性だ。検事からCalifornia州の司法長官を経て上院議員になり、Biden大統領の副大統領になった。その彼女が、8月7日までに自分が大統領になった場合の副大統領を選ぶことになる。

 

 大統領が黒人系(minority)だから副大統領は白人にした方がいいという見方もあり、現Michigan州の女性知事、Gretchen Whitmer(白人、52才)が取りざたされている。そうなると、史上初の女性大統領が誕生するだけではなく、史上初の正副大統領が女性となり、米国のイメージが一変する。Hillary Clintonが実現できなかった夢を一気に女性正副大統領にしてしまうのだ

 

 民主党次期大統領候補がJoe Biden(81才)でもDonald Trump(78才)でもどちらも嫌いという有権者(double hater)には、素晴らしく魅力的な大統領だ。しかも現役詐欺師・大ウソつき・重罪犯罪人であるTrumpに対抗するには、Kamala Harrisは、元検事、司法長官とまともな経歴の持ち主で、有権者の受けは圧倒的にいい。

 

 対するTrumpの副大統領候補は、白人男性、上院議員のJames Vance(39才)を副大統領候補に選んだから、これが災いして、女性票がTrump/Vanceから離れるだろうと言われている。Vanceという男は、元々Trump大嫌いで、知事も国会議員も経験したことのない政治の素人が大統領になるなんて最悪と言っていたくせに、Trumpが偶然、本当に大統領になって、しかも共和党の中で支配力をつけてきたから、この男に気に入られるといずれ自分の番が来ると色気を出し、今では「mini Trump」と言われるほどのTrump信奉者のふりをしている。Trumpが再選されて途中で放り出すと、副大統領の自分が大統領になれる、そんな目算があるのだろう。

 

 しかし、Vanceは、過去にKamala Harrisのことを「子なしの猫好き女 (childless cat lady)」とバカにした発言をしており、その動画が民主党から大々的に拡散されている。米国の有名人には子供を産んでいない猫(又は犬)大好き女性がたくさんいて、彼女らを敵に回すと選挙では勝ち目がないといわれている。早速共和党副大統領候補Vanceに対し、女優Jennifer Aniston(55才、子なし、犬好き)が反応した。不妊治療を受けてもうまくいかなかったと自身の経験を公表して、こんな人物に副大統領になってほしくないと意見表明したのだ。

 

 もう一人、世界的歌姫、女優、singer song writerであるTaylor Swift(34才)は、子なし猫好きの代表格だ。彼女の選挙における影響力は強大で、Trumpが最も恐れる人物。前回の選挙で彼女はJoe Bidenを支持したため、Trumpは敗れた。今回、彼女はKamala Harrisを支持してと応援するから、Trump/Vanceにとっては、最も恐れる敵を作ったことになる。女性の正副大統領誕生で、米国がどのように変わるのか見るのが今から楽しみだ。

本国から脱出する中国人の行き先

 毛沢東ならぬ習近平思想に支配された中国から脱出する中国人が増加中だ。従来の移住先は、マレーシア、米国、英国、カナダ、オーストラリア、シンガポール辺りだったらしいが、最近の移住先は、米国、日本、カナダなのだそうだ。反スパイ法でいつ逮捕されるか分からない、自由に意見を言えない、私有財産をいつ没収されるか分からない、事業で成功してもいつ資産凍結されるか分からないなど、富裕層であろうとなかろうと習近平の中国は住みにくいというのが定説だ。

 

 そんな中で、日本が移住先として人気が出てきたのは、単なる円安だけではなく、中国人が住みやすい国だからのようだ。移住先の言葉が分かる家族なら問題はないが、言葉が分からなくても、日本はほぼ同じ漢字を使っているので、街の中でも看板や標識が分かりやすい。それに、日本には中華料理店が多く中華食材も簡単に入手可能だ。工業化が進んだ国の割には、smogがなくて空気がいいのが、中国人にとってとてもありがたい。超監視社会の中国に比べ、治安もいいし、政府を批判しても逮捕されない。福利厚生がよく、医療保険も完備していて、しかも義務教育が無償、大阪などは高校まで無償だ。中国で当たり前の不自由が一切なく、魅力に満ちた国なのだという。

 

 日本と比べると、米国は治安が悪く医療保険が極端に高い、英語が下手だと住みにくい、アジア系として蔑まれるなど、中国人にとって米国は住み心地のいい国ではない。中国でゼロコロナ、lockdownを経験した人たち(主に上海在住者)に国外移住を決意した人が多い。相対的に所得水準が低い一般市民の海外移住先として、不法であれ入国の可能性がある米国を目指す中国人が多い。米国南西部(California, Arizona, New Mexico, Texasの4州)の国境地帯で、昨年、税関・国境取締局が拘束した中国人不法移民の数は3.7万人を突破、前年の10倍ほどに増加した。若者は留学生として英語圏の米国、カナダ、オーストラリアなどを目指し、一部は日本に来る。

 

 観光や留学で来日するのは簡単だが、就労VISAをもって日本に来るのは簡単ではない。ところが、富裕層(資金$100万≒1.6億円以上)となれば、経営管理VISAが取得しやすく、日本で不動産を購入してその管理をしながら賃料で生活することができ、10年もたてば永住権も取得できる。最終的には帰化して日本人になることもできる。帰化条件に日本語の筆記もあるが、中国人は漢字を知っているから問題ない。

 

 中国の大都市と比較すると、日本の不動産は極端に安く、中国人富裕層は、東京でマンションなどを買いあさっている。一人で賃貸用のマンションを数戸買う人もいる。中国で買う不動産は単なる「使用権」であり、いつ法律が変更され、共同富裕により2戸目から没収されるか分からない。その点、日本の不動産は「所有権」であり、中国人でも所有権絶対である。中には、跡継ぎのいない日本の寺をビジネスとして買う中国人まで現れている。条件を満たせば、宗教法人法により、売却益に課税されない方法もあるとのことで、約400年の歴史を誇った大阪市住吉区の「薬師寺」も、今は中国人の手に渡ってしまった。したたかな中国人にとって、日本は非常に魅力的な国なのだ。

フィリピンで市長に成りすます中国人スパイ

 中国人でありながら、あたかもフィリピン人であるかのように装い、フィリピンの選挙に出馬して当選した女が、実は中国人スパイだったということが最近暴露された。フィリピン・マニラ北部の人口78,000人の農村(Bamban City)の市長選挙が2022年6月行われ、当時33才で立候補した独身女性Alice Leal Guoが当選した。若い候補者は実業家と自称し、会社をいくつか持ち、不動産もたくさん所有していて、helicopterまで持っていた。

 

 最近、市長室のすぐ後にある中国系オンライン賭博場をフィリピン当局が取り締まったところ、違法賭博とAlice Leal Guo市長の関係が発覚し、その背景に中国人民解放軍がいることが判明した。中国では違法の賭博でも、国外では中国共産党の資金作りに貢献する。その国で違法か合法かなど関係ない。フィリピン人を偽装するAlice Leal Guo市長はフィリピン上院公聴会に呼び出され、自身の出自について、父はフィリピン人と主張したが、選挙演説では、父は中国人、母はフィリピン人と主張していた。また、17才の時に出生届が出されたとか、学校には行っておらずホームスクーリングを受けたと主張するも、具体的に何というホームスクーリング団体だったのかについては「分からない、覚えていない」を繰り返す。

 

 そうこうしているうちに、この市長に対する疑惑を追及していた上院議員が、移民局に調査させたところ、2003年1月12日にフィリピンに入国した中国人Guo Hua Ping(passportには2003年1月12日生、当時12才)の指紋と一致したことを、フィリピン国家捜査局(NBI = National Bureau of Investigation)が確認した。Alice Leal Guo市長の本名はGuo Hua Pingという中国人だったのだ。小学校まで中国で住んでいたから、子どもの頃どこに住んでいたか覚えていないとか、どこの小学校に行ったとか公聴会で答えることができず、「分からない、覚えていない」を繰り返していたのだ。

 

 市民権に疑義アリとして、現在、市長としての職務は停止中、国籍を偽装し、フィリピン国民を騙して不法に公職についていたとして、Marcos大統領も重い処分を課す予定のようだが、これが、中国の「外交」の基本戦略だということが分かる一件だ。Australiaでも、英国でも、中国の意向をくんだ隠れ共産党員を地方議会や国会に送り込み、中国の意に即した政策を実現させようとする。Australiaの場合は、あわよくば国を丸ごと乗っ取ろうとしていたことが発覚して、共産党員の国会議員は国外追放になったが、そんなことで、諦める中国ではない。

 

 現在35才のGuo元市長(本名Guo Hua Ping)にどのような処分が下るか今のところ分からないが、このような中国共産党中国人民解放軍の手先のような中国人スパイは、どこの国にもいるし、勿論、我が国にも形を変えて存在する。習近平中華思想は、中国が世界を支配しなければならないとの考えに基づいているので、そのためには手段を選ばない。Tibetは中国であり、台湾も中国であり、勿論、琉球王国(現在の沖縄)も中国の一部なのだ。中華思想しか認められないので、ウイグル人イスラム教も言葉も認められず弾圧するしかない。これが習近平中華思想だ。