アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

ローマ教皇が仲介できるのか

 ローマ教皇Franciscoがスイスの放送局のinterviewを受けた際の発言がウクライナの大統領Zelenskyの感情を逆なでしている。2月に収録され、3月20日放送予定という番組の内容が9日に公開されたからだ。

*放送局:「ウクライナでは降伏の勇気、白旗を求める人たちもいます。でもそれは強い側を正当化することになるという意見もあります。あなたはどう思いますか?」

ローマ教皇:「1つの解釈であることは事実だが、最も強いのは、状況を見て国民のことを考え、白旗を揚げる勇気、交渉する勇気を持って交渉に臨む者だと信じている。今日、あなたは世界の大国の助けを借りて交渉できる。状況が悪くなる前に交渉することを恥じないで。」

 

 世界のCatholic教徒10億人の精神的指導者であるローマ教皇が、2年も続いた戦争がこれ以上長引いても、双方の被害だけが膨らみ、最終的にウクライナが負けるだろうと独自の分析をしていることが分かる。Vaticanの情報収集力は米国CIAに劣らぬと言われるくらいなので、収集可能な情報に基づくと、そのような分析に至るのかもしれない。

 

 しかし、このローマ教皇には、誰が戦争を仕掛けて、誰が他国の領土を侵略し悪事を働いているのかという視点が欠けている。確かに殺し合いは、人間が神から授かった命を無駄にしているのだから、すぐにでもやめなければならない。そのためには戦い続けるのではなく、戦いを中断して話し合い・交渉をするのが重要だ。Catholic教徒同士で争っている場合は、ローマ教皇が仲介もできようが、戦争の相手が悪魔の権化のようなPutinときては、まともな話し合いなどできるはずがない。

 

 既にロシア軍兵士の死者は15-20万人、ウクライナ軍兵士の死者は3-5万人(両軍共に負傷者はその約3倍)といわれており、更にウクライナ側の民間人の死者・負傷者・行方不明者(未成年者の拉致も含む)を加えると、ロシアの30%ほどのウクライナにとって、今回の戦争の犠牲者の割合は、ロシアよりもウクライナの方が圧倒的に大きい。

 

 ウクライナにしても喉から手が出るほど停戦に持ち込みたいだろうが、悪魔のPutinの狙いは、現状の領土の固定だから、ウクライナは受けるわけにいかない。交渉の相手が悪魔の場合、仲介者ローマ教皇は、Crimeaを含めたロシアの占領地を悪魔に放棄させる方法があるのだろうか。祈りの届かない人間が交渉の相手であることが悲劇の原因なのだ。