アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

暗殺者Putinの苦境

 Putinは自分を批判する者を必ず暗殺することで知られる。2月に始まったウクライナ侵攻以降、Putinを批判してすぐに国外に出た政商(Oligarch)、政権幹部、大物実業家などは大半が難を逃れているが、ロシアにとどまっている者は無残な姿で偽装「自殺」又は不審死を遂げている。9月12日にウラジオストクで不審死を遂げたIvan Pechorin(39才)は極東・北極圏開発公社の社長、今年に入って不審死を遂げた被害者9人目だ。北極圏などの石油・ガス開発には欧米の技術が絶対必要と知っている彼は、Putinが大統領令416号で外資を追い出すとしたものだから、Putinを批判していた。ウラジオストク近海で高速のボートから転落死、遺体で発見されたという。Putinに粛清されたのだ。

 

 1月にはガス大手Gazprom幹部Leonid ShulmanがLeningrad近郊の別荘で不審死。Putinは着々とウクライナ侵攻の準備を始めてはいたが、まだ実行していなかったにもかかわらず、批判する者は消すということだろう。2月にはMikhail Watfordが英国の自宅で不審死。彼はロシアで石油・ガス事業をする大物実業家だ。ロシアがウクライナに侵攻してすぐにPutinを批判したものだから、英国にいたが粛清された。同じ2月にGazprom副社長Alexander Tyulyakovgaが自宅の車庫で首つり自殺しているのが見つかった。3月にはVasily Melnikovが家族共々自宅で不審死。彼はMedstomの幹部だった。

 

 5月には3人が不審死を遂げている。Gazprom元副社長Vladislav Avayevが夫人と共に銃で撃たれたところ、不審死で発見された。ガス大手Novatekの元副社長Sergei Protosenyaは妻・娘共々スペインの別荘で首つり自殺と報じられた。石油大手Lukoilの元幹部Aleksander Subbotinも遺体で発見されたが、原因不明。全員に共通しているのは、ますます激しくなるロシアのウクライナ侵攻を商売上好ましくないと発言したことだ。

 

 9月1日にはLukoilの元副社長Ravil Maganovが、先日亡くなったGorvachev元大統領が入院していた同じ病院の6階の窓から転落して死亡と報じられた。9月12日のIvan Pechorin不審死で、今年になって、少なくとも9人の大物実業家らがPutinの命令で粛清されている。Putinの戦争に大義がないことがわかっているから、あえて反対しているのだが、Putinの思考回路は停止しているようで、敗北を敗北と認めない。

 

 2000年にロシアの大統領になってからは、強いロシアを目指し、強いソ連邦の復活を夢見て政敵を次々と暗殺してはロシアの独裁者になりあがったPutinだが、大義のないウクライナ侵略戦争は、彼を独裁者の座から引きずり下ろすことになるだろう。既にロシア軍の死亡者3~5万人、負傷者はその3倍と言われるから9~15万人、これだけの犠牲者を出して兵力を補うため刑務所にいる囚人を戦場に送り込むと言う(6か月以上戦えば刑の残りは免除する、途中逃亡すれば射殺する)。この状況は戦争の最終段階だ。あとはPutinを誰が暗殺するか、自殺か転落か銃撃か、9人の不審死に続く事件の最後にPutinが来るかもしれない。