アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

皇帝から罪人になり果てるPutin

 2000年1月1日に、前年までのロシア大統領エリツィンBoris Yel’tsin)の指名を受けたPutinが、新生ロシア第2代大統領になり、共産主義ソ連から民主主義ロシアに移行するかと思いきや、Putinはロシア皇帝のような専制主義皇帝を目指してきた。大統領を2期勤めたら任期が切れるところ、3期目は自分の部下を大統領にして、Putinはその下の首相になって居残り、飾りの大統領を操る。4期目また自分が復活して、現在の5期目は2024年に終わる。もう22年もロシアの皇帝として君臨した。昨年は、早々と、大統領任期1期6年に延長し、2025年から2期12年、つまり2036年まで大統領になれるよう法律を改正した。現在69才の独裁者は、83才まで独裁者皇帝になる準備を着々と進めていた。

 

 独裁者にふさわしい1,400億円といわれる宮殿(ロシア南部の黒海沿岸)も私費で作って、反Putin政治家に暴露されている。ロシア大統領の年収は100万ruble(1,100万円)だから、いくら22年間大統領の給料(1期は首相の給料)を、全額手つかずに残したとしてもあり得ない建築物だ。それどころか、Putinの実質個人資産は、$2,000億(22~23兆円)とPutinと親交があった投資家が、米議会で証言しており、大統領として、権益を新興財閥(Oligarch)に与える見返りに、巨万の富をPutinとカモフラージュのために取り巻き連中名義で保有しているというのだ。

 

 ウクライナ侵略戦争の大戦犯としてPutin個人、家族、取り巻き連中の海外資産が凍結されても、ロシア国内に使いきれないほどの資産があるから、Putin個人は全然生活に困らない。しかし、国家としてのロシアは、Putinほど余裕はなく、中央銀行保有する外貨約75兆円($6,300億)の57%がユーロ、ドル、円なので、今回のウクライナ侵略戦争の制裁で凍結され、人民元など制裁対象外の外貨は32兆円しかない。20万人の兵力をウクライナに張り付かせ、ミサイルをバンバン打ち込んでいる戦闘費は、少なくとも1日2兆円と試算されている。使える外貨準備は16日で底をつく。ロシア国内にも国家予算はいくらかあるだろうが、長期戦になれば経済的にロシアの負けだ。

 

 Putinのウクライナ侵略既に3週間、ロシア軍の被害は、兵士の死者1万以上、負傷者2万5,000以上と言われており、20万投入して3.5万の被害は17.5%で非常に大きいのだそうだ。大体10%で兵士の士気が低下すると言われるらしい。一方のウクライナの兵士の被害はロシアの半分くらい、但し、一般市民の被害が大きいから、簡単に数字で比較はできないが、ウクライナ側の士気は高く、恐らくロシアに負けることはないだろうと言われている。

 

 停戦交渉では、ロシアは、当初は高飛車に出ていたが、ここに来て経済制裁の効果が出始め、いつまでも経済的に持たないという懐事情もあり、もしかしたら停戦合意に至るかもしれない。停戦合意になろうと戦争を続けるにせよ、戦争はいずれ終わる。その際、ロシア皇帝になる予定だったPutinは、戦争犯罪者として国際司法裁判所で裁かれ、もはやロシア国内で皇帝になる夢はなくなった。皇帝と罪人は紙一重、調子に乗ってウクライナを乗っ取ろうとしたPutinの将来は、イラクのSaddam Hussein、リビアのMuammar Qaddafiに近いものになるのだろう。