粉飾決算により会社が消滅した事例は沢山ある。1887年創業の老舗繊維メーカーだった鐘紡、一時期はペンタゴン経営と言い、繊維・化粧品・薬品・食品・その他(日用品・住宅等)の5本柱で1兆円企業を目指していたが、化粧品以外うまくいかなくなった時期に利益操作で乗り切ろうとした。しかし、余りにも損失額が大きすぎてばれてしまい、結局倒産した。粉飾決算の金額は1996年から2004年の9年間で2,150億円、その後見つかった東芝の粉飾額(7年間合計)はカネボウを上回り2,248億円、これだけ大きな金額をいじりまわしていたら当事者も何をやっているのか分からなくなり、貸金庫から盗み出した金塊が何十個だったのかも分からなくなるのと同じだ。
米国ではEnron Corporationというエネルギー商社(2000年売上全米第7位、$1,110億≒12.4兆円、社員2.1万人)が粉飾決算に手を染めて2002年1月倒産、粉飾決算の額は$130億≒1.75兆円、負債総額$400億≒5.3兆円で世界を騒がせたばかりか、同年7月、今度は全米2位の通信大手WorldComの粉飾決算が明るみに出て、その額$110億≒1.5兆円、負債総額$410億≒5.4兆円という巨大倒産に至った。一時期の巨大会社は、本当は砂上の楼閣であったということだ。
そして、今回発表された史上最大の粉飾決算、中国の大手不動産developer恒大集団(Ever Grande)は、2019年2139億元(≒4.7兆円)、2020年3501億元(≒7.7兆円)の架空売り上げを計上していたというから、これこそ粉飾決算世界一だ。たった2年間で12.4兆円の粉飾決算がばれただけで、2021年以降どの規模の粉飾をしていたのかはこれから判明する。中国の不動産市場は一昔前の日本の不動産bubbleであり、恒大集団だけでなく、碧桂園(Country Garden)などいつ倒産しても不思議ではないと言われる大手不動産会社は沢山ある。でも、これらの超大手が倒産すると社会に与える影響が大きすぎて、習近平も倒産を許可しない。不思議の国・中国なのだ。
恒大集団の売上高は最盛期で10兆円、その6倍ほどの規模の国がロシアだ。国家歳入60兆円規模(40.3兆ルーブル)で、表面上は歳出65兆円、つまり5兆円ほどの赤字というのがPutin政権の発表。しかし、金利21%で利益を出しているロシア企業はほとんどなく、ロシア企業の債務は2022年に比べて71%上昇していると米銀analystは分析している。名目は民間部門の債務膨張だが、実態は、国家が民間企業から戦費を収奪しているというのだ。これはロシア政府の統計に表れない。
しかも、当然のことながら、高金利ということは高インフレなのであり、統計局は独自の計算根拠に基づいて、インフレ率10%程度と公表するも、庶民の感覚では20~30%となっているようだ。年金生活者など収入が一定の庶民にとってインフレほど恐ろしいものはない。歳入不足を補うため、Putinは大規模紙幣増刷に手を染めている。運良く、米国で第2次Trump政権が復活したので、Trumpにすがるように戦争をやめさせてもらわないと、ロシアという国が崩壊する。既に、ロシア経済の専門家は、ロシアという国自体が砂上の楼閣であると断定している。Putinは自ら作り出した財政破綻という時限爆弾の上に座っているというのだ。