アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

おそロシヤ・国定ドーピング強制主義

 リオ・オリンピック14日目で、日本はメダルを36個も勝ち取った。金と銀の差はごくわずか、銅と4位の差もほんのわずかな実力か運によると思われる。最終的にどの色のメダルにせよ、メダルを取るというのは神業に近いと思わざるを得ない。井村雅代コーチが戻ってきてくれて、日本のシンクロが銅メダル取れたが、「一日12時間の練習でメダルが取れるほど甘くない」ときかされて、地獄の練習を積み重ねてきた選手の苦労が想像できる。はっきりしているのは、僕にはとても無理だということ。
 
日本がメダルを36個確保しても世界第5位。一位は米国の100個、二位中国58個、三位英国56個、四位ロシア44個。WADA(世界反Doping機関) の独立調査チームのMcLaren委員長が、2014年ソチ冬季オリンピックでロシア選手は集団的にドーピングを行い、ロシアスポーツ省、諜報機関FSBロシア連邦保安庁)、ロシアDoping監視機関RUSADA(ロシア反Doping機関)などの職員が、国家ぐるみでドーピングをして、それを隠蔽していたという報告書を出したのは先月のこと。内部告発者の情報では、ロシアは少なくとも2011年以来、スポーツ省指導の下、メダルが取れそうな選手すべてにドーピングをほぼ強制していたという。2010年にも陸上選手からIOC内部告発があったのにIOCRUSADAに告発者を知らせただけ、その後も別の内部告発があったにもかかわらず、今回まで行動を起こさなかった。IOCにとって、放映権をいくらで売るかの方が、公平な試合を確保することよりずっと大事なことだったのだ。
 
WADAは、こんなペテン師国家ロシアをリオ・オリンピックから全面的に排除すべきだと主張したが、IOC会長Thomas Bach62才、ドイツ人)は、参加・不参加は国際競技連盟が判断すべきとして、IOC会長権限でロシア出場全面禁止にしなかった。彼がロシアのプーチンと親密な関係を維持している間柄だけでは説明できない。いわくつきソチ・オリンピック開催について、Bach会長が賛成派だったのは、恐らくプーチンに買収されていたからで、リオからプーチン国家を丸ごと締め出すなら、過去の秘密をばらすぞと、お友達に脅迫されたのではないかと疑いたくなる。
 
ドーピング効果がよく出る中距離走(他の選手が疲れる頃にもまだ疲れない)、重量挙げ・ハンマー投げ(瞬時の馬鹿力が出る)などの陸上競技はロシアの参加を認めなかったが、それでもロシアは今回271人をオリンピックに参加させている。当初387人参加の予定だったから、参加できなかった116人は各国際競技連盟から除外された選手だ。今回参加している271人は全員ドーピングと無関係の選手かというとそうでもない。内部告発者の一人、RUSADA Rodchenkov元所長(現在米国に逃亡中)は、2011年から20158月にかけて、577件のロシア選手の陽性結果を把握していて、対象者は陸上競技のみならず、競泳、レスリング、自転車、柔道、トライアスロンなどほぼ全競技の選手に及んでいた。RUSADA の内部事情を知っている二人の元幹部はこの2月不審死を遂げている。ロシアのドーピング隠蔽の技術は日進月歩、「鼠穴から尿検体を入れ替え」程度のレベルではないことを、ドーピング検査に携わるプロは自覚してほしい