アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

戒徳寺さくら商法ついに法廷へ

 2年前の春、まだ若い子どもを亡くし、絶望の淵にいた女性から相談を受けた。雑誌に出ていた通信販売の広告で「身に着けるだけで開運する」というふれあいのパワーストーンのペンダント(3,300円)を買ってしまったという。株式会社さくらの口座に3,300円を振り込むと、間もなくペンダントが送られてきた。開運の効き目がありそうでもないペンダントには、商品説明があり、「届いたらすぐ電話ください。」と記載されていた。何日か騙されたつもりでこのペンダントを身に着けていたが、何の効果もないと感じたので、彼女は言われるままに電話をした。
 
株式会社さくらの電話口に出た女性にペンダントを返品したいと伝えると、電話は戒徳寺の「心願妙高先生」に代わった由。この自称僧侶が言うには、「前世の行いが邪魔して福をつかめない。悪霊がついているので特別の御祈願をしなければならない。祈願料は無料だが、経費は実費がいる。」と伝えられ、お焚き上げをしてあげるから護摩木を送るので、願いと名前を書いて東京の戒徳寺分院に送り返しなさいという。その後、心願妙高から電話あり、護摩木が割れて届いたので、すぐに悪霊を払うため、12万円のブレスレットを買って、それを身に着けて過ごすよう強く勧められた。女性がそんなお金ないと言うと、あなたはどうしてもブレスレットが必要な人なので、6万円にまけてあげるという。それでも高いから買えないと言うと、6回払いにしてあげるので、初回の1万円を送金してくれたら商品を送るということになり、女性はやむなく戒徳寺宛て(口座名義は「宗教法人戒徳寺」)に1万円送金した。
 
ブレスレットが届いても、やはり何の価値もなさそうなものだったので、商品2個とも返品し、契約解除する旨の内容証明を書いてほしいとの依頼だった。結局合計13,300円返金せよと内容証明を送ったが、当然のことながら詐欺のプロが返金するはずがない。株式会社さくらの代表櫻井藤子と戒徳寺の心願妙高という名のエセ霊能者は共同詐欺師であり、占いサイト、開運商法、競馬・パチンコ攻略商法、出会い系さくらサイトなどで荒稼ぎしてきた人間の屑だ。
 
月曜日(829)さくらなどの開運商法で多額の金銭を支払わされたとして、1都7県に住む3080代の男女9人が、開運商法業者と、加持祈祷名目で関与したとされる戒徳寺、観音寺、及びそれぞれの寺が所属する総本山(京都の仁和寺香川県善通寺市善通寺)に計約8,700万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。訴状によれば、9人は戒徳寺や観音寺の住職を名乗る人物から「悪霊がいる。運気が下がっている。」などと不安を煽られ、加持祈祷を依頼する名目で、一人当たり445万~1608万円を寺院名義の口座に振り込むなどした。戒徳寺と観音寺の代表者は親子で、支払われた金銭の一部は両寺が受け取っていた。仁和寺善通寺については、戒徳寺と観音寺の霊感商法への関与をやめさせるよう、弁護団が申し入れていたにも拘わらず、改善措置を講じなかったとして、総本山の監督責任を問うとしたもの。
 
弁護団は、被害は全国で起きていて、同じような手口で、組織的に詐欺行為が行われていると指摘しており、今回勝訴判決が出ると、13,300円の被害に遭った女性も開運商法被害者グループに加わり、世界遺産仁和寺から損害賠償を勝ち取ることができるかもしれない。(株式会社さくらは、その後解散している)