アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

イタリアの中の極小独立国サンマリーノ

イタリア・アペニン山中に世界最古の小さな共和国がある。共和国の成立時期は確定されていないが4世紀には自治団体が存在していた記録があるというので共和国成立の時期を4世紀としているようだ。キリスト教信者のマリヌス(後の聖マリーノ=サンマリーノ)が当時のローマ帝国皇帝によるキリスト教迫害から逃れるためこの山中に隠れたのがその起源らしい。現存する記録ではサンマリーノは僧院長の管区が自由都市形式の国家になり17世紀に教皇庁から正式に独立を認められたという。後にイタリアも独立国家として認めて現在に至っている(人口約3万人)。1993年には国連にも加盟。何せ山の中の国なので産業は農業・牧畜・石材、国土面積の40%は農業・牧畜に使われている。但し、付加価値税がないから付加価値税20%のイタリア人及び外国人観光客がこの国にこぞって買い物に来るので今では商業・観光の方が主要産業といえる。小さな国なのになぜか金融機関が11もあるが、タックス・ヘイブンとしては知られておらず、OECDによる「非協力的租税回避地」の指定は受けていない。アンドラリヒテンシュタインモナコほど派手にはやっていないということなのだろう。千早赤阪村のような規模の独立国がヨーロッパに5つもあり、それぞれが独立を維持しつつ生計を立てているということは歴史上の七不思議ともいえる。この中で一番裕福な個人の集団は何と言ってもバチカンだろう。余りにも裕福過ぎてその数字は国連の統計にも出てこない(いくら収入があるかは宗教上国家機密とされるのか)。極小国は余りにも小さすぎて自国通貨を持たないから、スイスのように自国通貨を作って外国人に買ってもらうことはできないが、共通して生業としているのは郵便切手の発行だ。これらは切手として使われれば大儲けできる手段ではないが、切手を集めるのが趣味の人は世界にほぼ無数におり、このコレクターたちは決してこれらの切手を使うことがないから、売る方にすれば単なる紙(シール)を100円とか200円とかで売るようなものだ。もともと「紙+郵便サービス」に値段をつけて売っているのに、サービスが決して利用されないとすれば、世界の切手コレクターたちはこれらの極小国にほぼ全額寄付をしているようなもの。かくして国庫収入に占める郵便切手の収入は極小国に共通してかなりの額になるそうだ。日本郵便会社もあまりにもきれいで使うのがもったいないと皆が思うような切手を発行して売れば更に儲かるのではないか。現状は年賀状ビジネスに頼り過ぎているように見受けられる。日本郵便会社にとって年賀状は数量割引がないので利益の源泉だろう。

以下は極小国の発行する植物切手見本
サンマリーノの切手:http://www.plantstamps.net/stamps/sanmarino.htm
バチカンの切手:http://www.plantstamps.net/stamps/vatican.htm
モナコの切手:http://www.plantstamps.net/stamps/monaco.htm
リヒテンシュタインの切手:http://www.plantstamps.net/stamps/liechtenstein.htm
アンドラの切手:http://www.plantstamps.net/stamps/andorra_spanish.htm

バチカン (Vatican) :人口800人、面積0.44km2 国連未加盟
サンマリーノ (San Marino) :人口3万人、面積61km2 国連1993年加盟
モナコ (Monaco) :人口3.2万人、面積2km2 国連1993年加盟
リヒテンシュタイン (Liechtenstein) :人口3.5万人、面積160km2 国連1990年加盟
アンドラ (Andorra) :人口7万人、面積468km2 国連1993年加盟